No.125:提案、企画、デザイン、料理、、、年商10億を目指すと言うことは「クリエイティブ」な業務をいかに減らすかを追及すること
「手の込んだ料理もなければ、接客も良くない、、でも、満席でしたね」
九州本社の全国に飲食店をチェーン展開する企業の一業態であるトンカツ屋で、クライアント社長に昼食をごちそうになりました。
食事を終えて店から出た社長からの一言です。
そして、「こうやって視てみると、何にもやっていませんね」
衣を付けて揚げた肉、機械でスライスしたキャベツ、すり鉢とゴマ、そして、特性ダレ
年商10億の視点を掴んだ社長には、すでにその正体が解ってしまうのです。
企画提案、コンサルティング営業、デザイン、設計というクリエイティブな仕事は、年商10億事業には、必ずしも必要では無い要素です。
それどころか、成長のもっとも大きな阻害要因になることも多くあります。
より多くの社員が、クリエイティブな業務を出来る様にするために、マニュアルを整備したり、訓練体制を構築したりします。
この取組み自体に間違いはありません、絶対に必要なことです。
しかし、そこに取り掛かる前に、やるべきことがあります。
それは、「クリエイティブな業務を無くせないか」を考えることです。
多くの年商数億の企業では、提案力やデザイン力というクリエイティブが強みであり、事業の売りとしていることは多くあります。
しかし、その強みは、社長や一部の優秀な人材の能力であることがほとんどです。
お客様の課題を聴きその場で提案する、お客様から「こんなことできますか?」と聞かれれば「はい、できます」と答え本当にやってしまう。この対応が良いからこそ、お客様に自社を支持していただけます。
しかし、気づくとこの業務は社長や一部の優秀な人材しか出来ない状態に陥っています。
そこで「自分と同じように社員もクリエイティブな業務が出来る様にする」という考えに向かってしまいます。
しかし、これは間違いです。
この段階になると、社長のその業務レベルは、神懸っているレベルになっています。
お客様の無理難題に応えるため、売上げを上げるため、いつも追い込まれながらやってきました、そして、仕事のことを忘れたことは一時もありません。こんな社長と一緒のレベルにまでなれる社員がいるのでしょうか?それも、雇用をされている社員に。
そして、そのレベルまで育成するには、かなりの時間が必要になります。
結果、この取組みの多くは、それほど大きな成果を上げないことになります。
もし、可能だとしても、スピードを持って大きく展開する足枷になります。
年商10億に行くためには、「クリエイティブ」を捨てる
この発想に立つことが重要です。
クリエイティブな営業、クリエイティブな提案、クリエイティブな企画、クリエイティブなデザイン、、、を失くすことを考えるのです。
世の中で大きく展開しているビジネスを観てみると、どれもクリエイティブなものはありません。
大手飲食チェーンは、トンカツ屋という料理人がいらない業態を選んでいます。
そして、工場で『特性ダレ』をつくり、商社から『名産のゴマ』を仕入れ、機械でキャベツの千切りをします。そして、ごはんと味噌汁、漬物はおかわり自由。
そして、接客も普通(この日の方は、不愛想でした)、そして、満席です。
ホームページ制作会社は、「自分で更新型のホームページのシステム」に、
システム開発会社は、「専門のパッケージのシステム」に、
ハウスメーカーは、「プレハブ住宅」か「建売」、「売建(建築条件付)」という形で、
クリエイティブを無くすことを考えます。
一見クリエイティブを売りにしているような事業でも、裏では「クリエイティブを無くす」取組みをしています。
・高い値段設定:その手間に見合った金額を求める
・単品:メニューやその専門分野は極めて狭い
・単作業:分業による業務の低度化、1人の業務領域狭く
・システムや情報データベースの完備
・そして、場合によっては、クリエイティブな業務は「職人気質の中小企業」に外注します。
いまの事業の中のクリエイティブな部分を、無くすことを本気で考えてみてください。
その変換が出来るかどうかが、年商10億への条件となります。
そのアイディアが、いま御社に求められている、たった一つのクリエイティブです。
社長から生まれる一つのクリエイティブなアイディアにより、クリエイティブを無くすのです。
年商10億を目指すと言うことは、「クリエイティブ」な業務をいかに減らすかを追及することになります。
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