No.90:優秀な人材がいないからマニュアルが作れません。マニュアルは武器、いないから作るのです。

矢田先生、うちの会社には、マニュアルを作れるような優秀な人材はいませんが・・」
 
金属加工業
社員30名
コンサルティングは、製造の仕組化の段階に進んでいます。顧客から案件を受注し、部門間の業務の流れもスムーズになり始めました、次は、各業務のマニュアル化、自社の持つノウハウを体系化する作業です。
 
その時に、社長から冒頭の言葉がありました。
「うちは、上から下まで、みんなそろって現場上がりです。話すことも苦手なら、文章を書くことはもっとも苦手です。ましてや、マニュアルなど作れる優秀な人材などいません。」
 
矢田はお応えさせて頂きました。
「優秀な人がいないから、マニュアルを作るのですよ」


中小企業には、「人」がいないと言います。
それでも、今の事業がここまで成長し収益を上げているのであれば、必ず「人材」と呼べるだけのノウハウを持ったスタッフがいるものです。その人材は、社員の中にいたり、まだ入社数年の新卒採用者かもしれない、そして、社長かもしれません。
たしかに大手企業のような「優秀な人材」は、数多くはいないかもしれません。
 
我々には、「優秀な人材」がいない、だから、諦めるのか?
NO、諦めるはずはありません。 
では、その今有る人材で戦うしかありません、それであれば選択肢はこれしかありません、その優秀な人材が持っているノウハウを、他のスタッフに教え、他のスタッフも同じレベルまで戦力化する。
 
いま社内にある最高のやり方、最も成果をあげていることに近いやり方を、全員で共有するしかありません。
ただでさえ資源も乏しい中小企業が他社や世間を出し抜こうとするのであれば、それぞれが独自のやり方をやっていてはいけません。
皆が揃って、その中で最も良いというやり方をやるしかないのです。
そして、自然に育つのを待っているような余裕もありません。3年かかるところを、教えて3ケ月で戦力化することができなければコストに圧迫されます。そして、優秀な人材は、新たなノウハウを開発するのです。
 
優秀な人材がいない、
ごく少ない優秀な人材で戦うためには、その優秀な人材のノウハウを拡げるしかないのです。出来なければ、資本のある大手に負けることになります。
だからマニュアルを作りなさい、と指導をしております。
優秀な人材がいないから、マニュアルなのです。


中小企業は、「人」次第、
「人」が資源、「人」で勝負、という趣旨の話がありますが、ここにも、大きな間違いがあります。
この「人」とは、全部の人ではありません、優秀なごく一部の人材を指します。(目的に合わせて考えられる人を「人材」、言われたことをやるのは「人」、言葉を正しく使い分けること)
 
中小企業の良いところは、スピードにあります。
顧客と近くにあり、顧客の要望や変化をダイレクトに察知できるという利点があります、そのため、それに合わせ社長がその場でYES、 NO、こうしようと方針を即決断することができます。
 
そして、それに合わせ、すぐに全体を変化させることが可能です。
顧客への電話対応から書類の流れ、業務の流れ、店内のポスターまで。
本当にスピード対応が必要であれば、社長自ら音頭をとり、管理者を連れて現場を回ればいいのです。
ありとあらゆるものを、変えようと思えば、すぐに変えられる、良いことを明日から全員で実行に移せるのが中小企業の強さです。
 
大手企業はそういうわけにはいきません、組織が大きいだけに、そう簡単には変えられません。ましてや、サラリーマン社長であれば、なおさらです。そして、多くの組織内のスタッフは、顧客や世間の流れを感じることもありません。
一つ一つに稟議が必要で、全社に展開しようとすると、計画が必要になります。大手の弱みの一つが、鈍いことにあります。
 
スピードが、中小全ての企業に共通する優位性です。世の全ての中小企業の経営計画書の、自社の強みの項目には、「スピード変化」と記載されていてしかるべきです。
 
そのスピードを支えるのが、マニュアルです。
環境の変化をいち早く察知し、決断は早く
その変化のために、新しい成果が出るやり方を選択して、それを全社スタッフが出来るようにする、スピードと、高い精度で。
 
そのためにはどうするか、
紙に書いて説明する、写真や図で示す、動画を見せる、それにより、初めてこれを実現できます。全員に同じ説明が出来、同じ理解度を保てるのです。
 
紙もなければ、写真も図も何もない、これでは、そのノウハウを全社に展開することなどできません。バラバラの理解度、、、そして、そのノウハウは、すぐに消えていきます。
 
マニュアルに対する認識を替える必要があります。
マニュアルにより、優秀な人材が生み出したノウハウをスピードを持って全社に展開し、他社に先駆けて、顧客を満足させる。それにより自社の優位性を保ち、高粗利をとる!
そして、マニュアルとは、社長からのスタッフに対する指示書です。
ここに書いてある事が、会社にある、最高のノウハウ。マニュアルに記載していない、マニュアルに間違って書かれていれば、それがそのまま顧客に対し実行され、顧客不満足に繋がります。
 
この認識が間違っているから、マニュアルを社員や各部に任せっきりにしていられるのです。
 
優秀な人材がいないのであれば、マニュアルを作る、
スピードを持って会社を変革するためにマニュアルを作る。
 
マニュアルは、攻めです。マニュアルは、武器です。
社員の戦闘力を上げる、もっとも安価で確実な結果を生むやり方です。
マニュアル無しには、これ以上の成長はあり得ません。
 文章が苦手という理由でマニュアルを作らない、これは、「嫌だからやらない、嫌ならやらなくていい」と社長が公言しているのと同じです。これでは、スタッフの育成も組織としてのレベルも一向に上がらないのです。

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