No.102:そのコミュニケーション研修で何が変わるの?研修後に「数億」と「10億」の分岐がある
『矢田先生、先日、私、コミュニケーションの研修を受けました。大変勉強になりました。・・・この後、どうしたらよいでしょうか?』
席に着くと、すぐに社長からご質問がありました、その質問の意図は下記の通りです。
コミュニケーションのやり方をしっかり学ぼうと、ある研修に参加。普段の自身のコミュニケーションの課題が自覚でき、いくつかのスキルも身に付いた。
この学んだコミュニケーションスキルは、自社の営業でも、部下の指導でも活かせる場は多い、だから、自社に取り入れたい、と。
社長
「以前の私であれば、間違いなく、その研修が終わった場で、その講師のもとに駆け寄り、研修のオファーをしていました。しかし、何かそれを思いとどめるものがあり、矢田先生に相談をさせていただきました」
コンサルティングの過程で、最も大きく変わるのはこのように社長です。
社長の考え方やモノの見方が、10億以上の社長が共通して持つモノに変わることが実は一番重要なのです。
年商数億、職人が抜けない社長の視点は以下になります。
・売上げ
・顧客満足
・人材育成
年商10億の社長の視点は以下になります。
・売上げを上げる仕組み
・顧客満足を社員が提供する仕組み
・人が育つ仕組み
きちんと社長としての仕事を認識しておく必要があります。また、それに対して、社員の仕事の認識も必要です。
社長の仕事は「売上げを上げる仕組みをつくること」、
社員の仕事は「売上げを上げるための行動をしっかり行うこと」
社長は「顧客を満足させるために、社員が一生懸命に取組める仕組みをつくること」、
社員は「目の前の顧客を満足させるために一生懸命がんばること」
社長は「採用した人材が順当に育つ仕組みをつくること」、
社員は「後輩社員に熱意を持って向かうこと」
この視点の差が、長期的に見た時に、大きな差となって現れます。正確に表現すると、この視点無しには10億は有りません。
フランクリン・コヴィー著の7つの習慣に、PとPCバランスという考え方が紹介されています。
P(Performance)=目標達成
PC(Performance Capability)=目標達成能力
短期的な成果を得たいということであればP(目標達成)に注力すればいい。しかし、PC(目標達成能力)にも注力しないと、長期的な成果を得ることは出来ない。
売上げを上げることも大切であるが、売上げを上げる仕組みをつくることはもっと大切、社員を育てることも大切であるが、社員を育てる仕組みをつくることはもっと大切。
解釈をすれば、このPを一生懸命やるのは、「社員(スタッフ・現場)」の仕事、このPCをつくるのが、社長や管理職者の仕事。
ここでいうPCとは、仕組みのこと。
この認識がある社長は、日々の動きが違います。
セミナーへの参加や本を読む目的は、自社に取り入れるべき仕組みを発見するためにあります。そして、それを自身で最初は試してみて、マニュアルやシステムなどの仕組みにしていきます。
日々の中に、ビジネスを作り上げる、ビジネスを大きくするという絶対的な意図を持って動きます。
この意図を持たないと、日々案件に追われる状態になります。そして、目の前の売上げや社員の動向に一喜一憂することになります。
冒頭のコミュニケーション研修から興奮気味に戻られた社長、自身が学んだことの中から、自社に取り入れることを選び、マニュアルにまとめ(または追記)ました。
「管理職者のための部下指導コミュニケーション」
「OJT担当者の教え方マニュアル」
「現場社員の対協力業者・現場スタッフへの管理マニュアル」
「営業コミュニケーション基本マニュアル」
そして、ついでに
「子供を伸ばす父親・母親のコミュニケーションマニュアル」
・・・社員とその家族にもより幸せになってほしいという社長の想い。
これらのマニュアルを使って、最初は社長自らが管理職者向けに勉強会を行いました。そして、今度は、その管理職者が講師となり、担当者向けの勉強会を開催しました。
しっかり身に付ける必要がある社員向けに、その外部研修を訓練プログラムに入れました。来年以降は、さらに改良が行えます。
この流れで仕組みすなわちPC(能力)はより強化されます。そして、より社員は活躍し、売上げすなわちP(成果)はより大きくなります。
これが、正しい社長の役目です。
これが解っていない社長は、コミュニケーション研修から帰ると、
・部下に対し、そのスキルを試し、社員との関係が良くなったと喜びます。
・朝礼でコミュニケーションの重要性やポイントを熱く語ります。
・その研修講師を呼んで研修を開催し、社員に受けさせます。
これでは何も積み上がりません、会社の仕組み(PC)になっていないのです。
自分の役割を正しく認識し、絶対10億にするという意図を持って毎日を過ごす。
年商数億社長は、コミュニケーションスキルを自ら試し、効果を喜ぶ。
年商10億社長は、社員がコミュニケーションスキルで稼ぐのを喜ぶ。
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