No.105:長期計画の正しい立て方・・・5年後の「願望」からの逆算は罪?

『矢田先生、来期の経営計画で、初めて長期の計画を作ることができました』
 クライアント社長からの言葉です。
『2年前のアドバイス、「長期計画はまだ必要ない」の意味を、今はしっかり理解出来ます。』


経営計画(書)を作成する際には、下記のような考え方があります。
5年後、3年後自社がどうなっているか、そこからの逆算で考える。
この5年後、3年後の自社、、、これは、その時の売上げではありません。また、規模でもありません。正確には、どこまで展開が進んでいるか、ということになります。
一つの事業モデルを完成させる、そして、大きく展開、その展開が3年後、5年後にどれぐらい拡がっているか、どのような段階に入っているのかその時点での姿を考えます。
そして、この逆算から考えるのが正しいのです。
 
それは、都市の開発計画と一緒です。
先に完成した設計図面があって、その途中である3年後、5年後にどうなっているか、というものです。そして、その時点から逆算をします。
その5年後にその姿になっているためには、何が必要なのか、その必要なものを1年目、2年目、3年目、4年目、それぞれの期に構築する仕組みや導入する設備、人的資源、そして資金を計画します。
そして、それぞれの期では、単年度計画を立て、その期で作る仕組みや行動を明確にしていきます。そして、毎月その進捗を確認し、その工程に遅れが出ないように修正を進めます。
それにより、5年後には確実にその姿になっているのです。


この長期計画がその企業にとって、必要となるかどうかは、その事業が「開発段階」にあるか、「展開段階」にあるかによります。
 
開発段階とは、仕組みで儲ける事業モデルが完成していない状況です。例えて言えば、まだ都市計画の図面が出来ていない段階です。この段階の事業では、まだ長期は必要ありません。
それどころか、事業モデルが見つかっていないのですから、展開は・・・まだ「夢」ということになります。
今は、事業モデルの完成に、全力を注ぐことです。
 
そして、その事業モデルが完成すると、次は、いよいよ展開することができます。展開段階とは、その事業モデルを、量産(取引拡大、エリア拡大など)し大きく儲ける段階を指します。
この段階で、初めて長期の展望が可能になります。また、スピードと必要となる資源と社内の仕組みのバランスを取りながら拡大をします、そのため、長期計画が絶対に必要になります。
 
冒頭の社長は、2年前の段階では、この事業モデルがまだ見つかっていませんでした。そして、2年経過し、自社の強みを活かした事業モデルが完成しました。
社長は、「この事業モデルを全国に展開する」という決意を持てる段階に入りました。そして、5年の長期計画を具体的に描くことができました。


長期計画については、別の作成方法もあります。
「5年後、3年後、どれぐらいまでいっているか」という「願望」を立てるやり方です。5年後の売上げ、社員数、社屋、エリアなど。
 
これはこれで否定するつもりは有りません、これも人間の脳の働きや引き寄せの法則には、有効です。しかし、私は、先の「事業モデルを完成した後に長期計画」を指導しております。
この「願望」からの作成の仕方は、実効性や実現性に欠けるという面があります。それは、それが「願望」だけに、現実味に欠けると言うことです。そして、素直な疑問、「そんな売上げ、どうやって達成するの?」に応えられていません。
そのため、社長も社員も、自社がガンガン儲かっているイメージを持てず、行動レベルの目標が見え難く、どうしても日々の行動につながらないことになります。
そして、「願望」の長期計画は、そのままお蔵入りすることが多くあります。または、毎期毎期、後にズレて(スライドして)いくことになります。


年商10億は、リアルです。
夢を叶えるのではなく、設計どおりにつくる、と考えてください。

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