No.202:ノウハウだけでは、絶対に年商10億にはいけない・・・事業を急成長させる社長が持っている特性とは

コラム№202

「矢田先生は、本質的な何かを、成果につながる何かを掴まれているのだと感じます。」
 
この街には、広い空と海の香りがあります。
コンサルティング終了後、昼食を頂き、駅までの車の中。WEB系サービスを展開するS社長の言葉です。
 
「さすがですね、社長」といつものように返したいところですが、この日は、できませんでした。
 
その「何か」が私自身にも解りません。
多くの会社をお手伝いさせていただき、そのほとんどで成果が出ています。そこには、確かに要所とも言える絶対的な「何か」が存在しています。
 
この1週間、そのS社長の言葉が頭を離れません。


事業を急成長させる社長は、どのような本質を抑えているか、
それは大きく二つあります。この二つこそが、急成長の根幹となります。
 
一つは「大きく考えること」
・システム会社K社は、創業5年で年商は18億、社員数90名になっています。
・設備関係サービスM社は、創業32年で年商3億。33期は7億です。34期は、すでに15億の受注残があります。
 
彼らは、小さく考えることを止めました。
その代わりに、大きく考えることをしました。
K社長は、創業当初から自分が業務の中に入ることを考えませんでした。また、大きくなることを条件に、ビジネスモデルをつくりました。
M社長は、この先自分が腰袋を付けないことを決意しました。工事単価の桁を変えることを考え、その市場を探しました。
 
事業を急成長させる時には、大きく考えることが必要になります。
それは、現状の事業の延長にはありません。また、現在の自社の出来ることや、自身の常識から考えてもいけません。
 
急成長するためには、「現状」を脱しなければなりません。そして、新しいステージに進まなければなりません。それは、「現在」の思考の延長線上にはないのです。
 
「小さく考えること」は、現状の延長線上にあります。昨年対比10%の伸び、この地域でシェアを高める。
「大きく考えること」は、現状の延長線上にはありません。昨年対比100%の伸び、この業界で日本一を獲る。
 
大きく考えることで、大きなアイディアが出てきます。大きく考えることで、大きな行動が伴います。
小さく考えることで、小さなアイディアが出てきます。小さく考えることで、小さな行動が伴います。
 
現在の成果は、いままでの毎日の行動の成果なのです。
大きな成果を求めるのであれば、行動をそれに見合ったものにする必要があります。
事業を急成長させる社長は、「大きく考える」ことの重要性を知っています。そして、そのために、行動をします。
・宿にこもり、大きく考えるためのまとまった時間をつくります。
・他の人にアドバイスや見解を求めます。
自分の考え方や視点を拡げるために、何かしらの行動をします。
 
小さくしか考えられない人は、そのための行動をしていません。
毎日自宅と事務所の往復をします。他の人に、アドバイスを求めません。
 
「大きく考えられる人」と「小さくしか考えられない人」の差は、能力ではありません。
「大きく考えること」の難しさを正しく認識し、そのための習慣を保っているところに差が生まれます。彼らでも、その習慣を止めた時には、停滞に陥ります。
彼らは、自分にないものは、人に聞いた方が早いと考えています。自分の世界を拡げてもらおうという意図を持って、人に相談をします。
 
 
事業を急成長させる社長が本質的に何を抑えているか、
二つ目は、「的を絞る」ことにあります。
 
人の時間は限られています。当然、できることも限られます。
同様に、会社として取り組めることも、資源も限られます。
今の売上げを維持しながらですから、一年間に出来ることなど、本当に限られています。
 
だからこそ、本当に重要で、本当に効果のあるモノに絞る必要があります。
当社の本当の顧客は誰か、どの販路に資源を集中するべきか。そして、当社の業績を飛躍的に伸ばす施策はなにか。
当社のステージを上げるための、たった一つの施策を選ぶのです。
それを見極め、選ぶ必要があります。そして、その他多くを捨てなければなりません。
 
急成長する事業はシンプルです。業績の良い会社の内部もシンプルです。
シンプルこそが最大の力です。
逆に、停滞した事業は複雑です。解りにくいのです。
業績の悪い会社は、複雑です。いろいろやり過ぎです。捨てるものを決めていません。
 
大きく考え、そして、的を絞ります。
この繰り返しです。
この繰り返しを、長期、年、そして、その日で考えています。
「どうしたら事業のステージを一段上げられるのだろうか。」
「何を止め、何を切り捨てれば、身軽になるのだろうか。」
急成長企業の社長は、この問いを絶えず頭の中で繰り返しています。
そして、朝起きると、その選び抜かれた目標の実現に、その日も全力投球します。


「何を得たいのか?」それを明確に持ってアドバイスを求める相手を選ぶ必要があります。
実務的なノウハウを得たいのか、それとも、飛躍の視点を得たいのか。
 
実務的なノウハウを得たいのであれば、その分野に精通した専門家を選ぶことになります。
契約に関することは弁護士、システムの入替えであれば業者、集客であればコンサルタント。
彼らに対し、お金を払い、そのノウハウを求めます。彼らは、それを達成するだけの理論と実務を提供してくれます。
それにより、その課題は解決されます。一歩前進することができます。
 
自社のステージを上げるような飛躍の視点を得たいのであれば、それとは全く異なる人に相談することになります。
自社より大きなビジネスを展開している経営者、一代で財を築いた資産家、戦略系のコンサルタント。
彼ら自身が「大きく考えること」、「的を絞る」ことの重要性を知っていることが条件です。そして、それを自ら実践していることも必要です。
この「大きく考えること」も「的を絞る」ことも、自らの人生でそれを検証した人にしか、その本質は解りません。大きく考えることの困難さ、的を絞ること、すなわち、捨てることに決断が伴うことも。
 
前者のノウハウについては、「専門家」に訊くことになります。
後者は、「実践者」に聴くことになります。そして、その実践者にも、専門家並みの理論と実務能力が必要になります。
大きく考え、的を絞る。的を絞るためには、その達成のためのプロセスが鮮明に描ける必要があります。
 
大きな視点を持てても、プロセスが無ければそれを実行できません。
また、大きな視点を持たない中での実務は、「課題の解決」のレベルとなります。そこに、会社のステージを上げるほどのインパクトはありません。
 
10を12にするのか、10を100にするのか。
「ノウハウ」がほしいのか、「視点」がほしいのか、正しい弁別が必要です。
すでに飛躍するための方針を得られており、そのスピードを稼ぎたいのなら「ノウハウ」を提供してくれる相手を選びます。飛躍の方策が見えないのであれば、「その視点」を提供してくれる相手を選ぶ必要があります。
 
決して相手を間違えてはいけません。実務の士業、社員コンサルタント、身内や自社の社員、彼らにはそれ以上の世界は理解できません。人は大きく変化することや、良く解らないことに対し、漠然な恐怖心を持ちます。そして、大きなことを成すためには、大きなリスクや犠牲が必要といった間違った先入観をもっています。そして、出来ない理由やそこに潜むリスクをアドバイスとして惜しげもなく提供してくれます。
 
今の御社には、どちらが必要ですか。


当社は年商数億を年商10億ビジネスに変革するノウハウを提供しています。
年商10億以上に育つビジネスに変革します。年商10億をこなす分業の仕組みを提供しています。年商10億、20億へ自分たちで成長するサイクルを持つ組織を構築します。
 
実は、これらと『ステージを上げる』ことは全く別の話となります。年商10億ビジネスの条件だけでは、本当の意味で年商10億にすることはできません。
 
ステージを上げる必要があります。そのためには、別の次元でそのビジネスを再構築する必要があります。それが出来ないと、大きな飛躍は無理となります。
仕組みは揃っても、「飛躍」は無理なのです。
 
そこには、「大きく考えること」が必要です。
「大きく考えること」と「年商10億のノウハウ」が、揃った時に、飛躍のチャンスを得ることができます。
そして、そこに「的を絞る」ことで、実現の可能性を得ることができます。
 
年商10億のノウハウだけではダメなのです。
大きく考えること、的を絞ることが必要です。
 
そのため、コンサルティングの場ではこれらの質問をすることになります。
「単価を10倍にすることはできますか?」
「これを全国に展開することはできますか?」
「この工程を外注化できませんか?」
そして、
「この中で、本当に重要な目標はどれですか?」
「今、最も自社を飛躍させる手は何ですか?」
 
そして、
「これは捨てたらどうですか。」と。
 
年商10億のノウハウを提供しながら、大きく考えることと、絞ることのお手伝いをしています。
そこには、「ステージを上げる」という明確な意図があります。
 
これが、本質です。
冒頭のS社長から頂いた問いの答えがここにあります。
私は、ノウハウを提供しているだけではなく、視点を提供しています。
ビジネスを変革するために、本当に重要になるのは、飛躍の視点なのです。それは、最初「驚き」を持って受け止められます。時に抵抗に合うこともあります。
それが避けては通れない道であれば、粘り強く、お願いすることになります。
 
S社は、飛躍するためのビジネスモデルが見えてきました。
百数十万円のサービスが、月に3本のペースで取れ始めました。そして、その集客の施策を「繰り返せ」ば、ある確率で成約できることも解ってきました。
今は、回しながら精度を高めていく段階です。そして、人を載せて試す段階への移行が見えています。
 
集客のサイクルを10倍に増やし、営業担当を5名増強する。すると、月に30本の受注が可能となります。その時には、月商4千万円。年商で5億です。その時には、これまでの多くのメニューを無くしていきます。
その時には、事業は、すごくシンプルになっています。
その時には、社長の中の常識はガラリと変わっています。
見えるものが違うのです。社長の視点が変わっているのです。
 
S社は、これらかフォロー契約に移行します。
年商10億のすべての仕組みの基盤はできています。今後提供すべきものは、「大きく考える」と「的を絞る」ための『機会』です。
それにより、さらに大きく、さらにスピードを上げることができます。
 
「大きく考えること」、その後に、「的を絞ること」
いまの自社に必要なのは、前進のノウハウなのか、それとも、飛躍の視点なのか、正しく判断することが必要です。
そして、そのための機会をつくること。その相手を見極めること。
 
年商10億社長は、大きく考え、小さく絞ります。
年商数億社長は、小さく考え、その多くを残します。
 
その結果、少数の社長が成功します。
その多くの社長が、成功し損ないます。
それが悔しいのです。

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