No.224:成長の早い会社がある。その一方で遅い会社がある。とんでもなく遅い会社がある。そこにある決定的な差とは!?

№224:成長の早い会社がある。その一方で遅い会社がある。とんでもなく遅い会社がある。そこにある決定的な差とは!?

「できるだけ早く年商10億にいきたいです。」
当時、事務所に相談に来られたM社長は、まだ30代前半でした。
言葉を続けられます。
 
「そして、できるだけ早く年商100億まで、持っていきたいです。」
 
時が経ち、M社長から、再度の面談の申し込みがありました。
あれから3年が経過しています。
 
「矢田先生、こんにちは。まだ3億です。」


人は、ある程度追い込まれないと力を発揮しない生き物です。
・お客様へのプレゼンがある。そのために、資料を作成します。
・マラソン大会にエントリーした。だから練習する。
 
この追い込みが無いと、人はそれに手を付けることをしません。やったほうが良いと思っていても、やりません。「今日は、まあいいか」と先延ばしします。
追い込みがあるおかげで、手を付けることができます。また、集中力も高まります。そして、能力が高まります。
 
人には「追い込まれる」状態が必要なのです。
その「追い込み」が、組織運営の肝になります。また、早い成長の要所になります。各部門や社員を『適切』に追い込むことで、それが手に入ります。
 
分業により、追い込みをかけます。
営業部は営業に、開発担当は新商品開発に追い込みます。それにより、高い専門性と効率を得ることができます。売上げが増えたなら、更に分業をします。コールセンターとWEBマーケティング専門の部門をつくります。その分業により、強さと速さを得ることができます。
 
また、目標も追い込みです。
今期の目標として、営業部に対し、「展示会に出展し、2社の新規開拓」を依頼しました。製造部に対し、「在庫管理の仕組化」を依頼しました。
目標を設けることで、その社員は、その対象に対し注視するようになります。その目標から、目を離すことはありません。それをクリアしない限り、先に進むこともできません。その実現のために、考え続けることになります。
 
追い込みをかけることで、社員は「覚悟」を持ってそれに取り掛かることができます。追い込みを上手に使うことこそが、マネジメントなのです。
優秀な人は、期限を宣言することにより、自分で自分を追い込むことをします。並みの社員は、それをしません。手伝ってあげる必要があります。
当然、追い込みすぎて潰してもいけません。「適当」な水準があります。
我々は、上手な追い込み方を覚える必要があります。
 
分業も目標も、追い込みなのです。
この追い込みを、自ら壊してしまっている会社は多くあります。
多能工化を命題に、雑多な業務をやらせています。その結果、その本人の意識を分散させています。どこに軸足を置いて、成長すればよいのか分からなくなっています。業務領域が、狭すぎると「飽きる」、広すぎると「分散する」。バランスが重要になります。
また、関係の薄い会議やプロジェクトにも情報共有のもと、参加させます。
 
目標の数は、多すぎてはいけません。目標が多ければどれも中途半端になります。
優先順位が解らなくなります。また、「出来ない理由」を与えることになります。
1つの目標を100%で仕上げるのか、3つの目標を各30%で仕上げるのか。
多くの会社が後者になっています。
また、与える情報も絞る必要があります。情報は、与えすぎても弊害を生みます。与える情報が多すぎると、やはり何が重要事項か解らなくなります。
 
言葉や態度を持って追い込むことが、成果につながると考える社長や管理者もいます。それは、マネジメントでもなければ、教育でもありません。それは、脅迫です。
 
その結果、成長のスピードに大きな差が生まれます。
一つのことを、ある会社は3か月で終えることができます。その一方で、一年かかる会社があります。ひどいと、その一つのことが『自然消滅』する会社があります。


「決めたことがなかなか定着しない。」
「指示を出しても、動いてくれません。」
「いちいち確認しないと報告が上がってこない。」
これが、冒頭のM社の状況でした。遅い会社の典型的な事象です。
あの面談から1年間は売上げの伸びがありました。社員も20名ほどになっていました。その後、停滞するようになりました。
会社に、創業当時のような、スピード感はありません。社内は、何かのんびりした雰囲気があります。M社長だけが、焦りを感じていました。
 
そこで、矢田は、仕組みの有無を確認します。
「経営計画書や方針書は、出していますか?」
「方針を日々の行動レベルに落としていますか?」
そして、
「依頼したことの実施を忘れずにチェックしていますか?」
 
すべての質問に、M社長はNOと答えました。
文字ではなく、口で方針を伝えています。
次の行動も期限も明確にしていません。
指示を出して、その後のチェックをしていません。社長自身が忘れています。
 
これでは、成長が遅くて当然なのです。遅いどころか、何も進まないはずです。
これが、多くの会社の実状です。
方針を伝えれば、それが勝手に実現するということなど、無いのです。部門が増え、社員が増えればなおさらです。
 
冒頭のM社長は、成長のサイクルづくりに着手しました。
その一年後には、前年対比30%の伸びをしました。
M社には、素晴らしいビジネスモデルがありました。そのため、その実行のスピードと精度さえ良ければ、進んだのです。社員が各仕組みを、「追い込まれながら」改善しています。
 
 
最速を目指す。
意思決定を行い、スピードと精度を持って実行する。
それによって、早く成果を確認することができます。うまくいけば、更に、そこにお金や人を投資します。ダメなら、すぐに修正します。
最速とは、その意思決定と実行のサイクルなのです。そのサイクルを早めるための分業であり、目標があるのです。
 
遅い会社は、スピードも精度も悪いのです。
そのため、いつまでも答えが出せません。次の意思決定ができません。そして、気づくと前にした意思決定が時代遅れになっています。その結果、いつまでも同じステージにいます。
 
早く手を付けてもらい、早く実現してもらう。
これが、成長を支える力になります。その力は、人の力ではありません。
人という個々の力にしては、いけません。
 
仕組みこそが、力なのです。
仕組みを作るのです。
成長の早い会社には、最速の成長を支える仕組みがあります。

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