No.289年商で停滞する根本的な理由とは? 社長が、相談する相手を選ぶ基準とは

№289:年商2、3億円で停滞する根本的な理由とは? 社長が、相談する相手を選ぶ基準とは?

「当社は、なぜ年商10億円に行かないのでしょうか。なぜ年商数億円で停滞しているのでしょうか。」
 
この質問を、よく受けます。
実は、この質問の答えはすごくシンプルです。
 
「根本的に考え方が間違っているから」となります。
 
年商数億円から年商10億円に進むためには、『考え方』を変えなければなりません。今必要なのは、年商10億円に合った経営の『考え方』を得るために行動をすることです。
 
その中には、「社員教育」や「経営理念」という言葉はありません。


会社と言うのは、『社長』が全てです。
これまでの社長の考え方によって、今の会社ができています。そして、今の社長の考え方によって、これからの会社が出来てきます。
 
社長が何を考えているのか。社長が何に視線を向けているのか。
社長が注目しているものが、伸びます。それ以外は止まります。
 
・複数の事業があります。社長が関わっている事業が伸びます。その一方で、その他の事業は、「現状維持」になります。この状態が嫌であれば、「事業を一つにする」または、「他の事業に社長を据える」しかありません。事業には、「誰か一人の熱意」が必要なのです。
 
・5つの店舗があります。1つの店舗で問題が起きました。そこに社長自らが入って立て直します。その間に、他の店舗は落ちていきます。
自分が関わっている店だけうまくいき、他で問題が勃発します。もぐらたたきです。この状態を脱するためには、仕組みをつくることです。そして、その仕組みを直し続ける組織をつくることです。
 
・業務上のミスで損失を出しました。そのミスを犯した社員を咎めます。また、全スタッフを集めて、研修会を開くことにします。「育った」感じがします。しかし、数か月後に同じようなミスが起きます。それは、仕組みに問題があるからです。社員と共に、仕組みの改善に向かいます。
 
社長の目からは『光線』が出ています。その光線を受けたところだけが伸びるのです。光線だけに、一度に照らせるのは1か所だけとなります。2か所同時に照らすことはできません。両方を見たければ、高速で交互に照らすことです。それは、集中できていない状態と言えます。
 
また、光線の向かう先が、数か月や数週間でコロコロ変われば、どれも中途半端になります。どれも育たなくなります。
 
いま、「何を第一に育てたいのか」を選ぶ必要があります。それは同時に「どれを捨てるか」を決めることを意味します。


なぜ年商10億円を超えられないのか、それは明確です。
「そもそも、その光線が間違ったところに当たっているから」です。
 
下記は、私の著書やこのコラムで、お伝えしてきたことです。
「社員の能力の問題ではなく、仕組みの問題。」
「経営理念は、儲かる事業とは関係ない。」
「粗利率ではない、粗利高が重要。」
「クリエイティヴがある事業では展開できない。」
 
これらの間違いを犯している社長が沢山いるだけに、繰り返しお伝えしています。そして、それだけ世の中には間違ったことが散在していることを意味します。その間違ったことを信じた結果、多くの会社が年商数億円で停滞をしているのです。
 
「根本的に間違っている考え方」を持てば、事業が伸びるはずがありません。それを、いかに本気でやっても、いかに上手にやっても、望む成果は得られないのです。
 
「どのようにやるか」というやり方の問題ではありません。「何をやるか」なのです。正しく「何をやるか」を選ぶ必要があります。


社長自身は、いま自分(自社)がどの段階にあるのかを、認識しておく必要があります。置かれた状況により、行動や話をする相手を選ぶことをします。
 
その1、自分が何を望んでいるのかが解らない。
・この会社をどうしていきたいのか。もっと大きくしていきたいのか。
事業を続ける目的や経営へのモチベーションを失う時は、必ずあります。その状態でとるべき行動は、次のものになります。
自分の知らない世界を見に行く(海外ビジネスの視察などは非常に良い)、偉大な経営者に会いに行く。アクティブに動く経営者仲間でもよい。
 
その2、何をやればよいのかが解らない。
・大きくしていきたいが、どこから手を付ければよいかわからない。
年商〇〇億円のビジネスをつくりたい、沢山のスタッフに活躍してもらいたい。自分の望むものは、はっきりしています。しかし、どうそれを組み立てていけばよいのかプロセスが解りません。
相談する相手は、「自分より先のステージに行っている経営者」となります。または、「戦略系コンサルタント」になります。(世の中にはものすごく少ない)
 
その3、どのようにやればよいのかが解らない。
・いま解決したい問題も得たい成果も明確です。
望むものは、そのノウハウやツールであり、委託先になります。自社のその業務の担当者に相談します。または、その専門業者やアドバイザーを探します。セミナーや展示会に参加することになります。
 
必ずどれかのステージにいます。社長の人生は、このステージをぐるぐる回っているのです。「望むものを決める」。そして、「どう進めたらよいのかを知る」。そして、「実務ノウハウの獲得に動く」。
このサイクルを一つ回すと、一つの望みが実現できます。そして、次の自分の望みを探すことになります。


コンサルタントである私の役目は、2の部分となります。
「年商10億円に行くために、何をすればいいのかわからない」
「何を変えればよいのかわからない」
そんな社長の手伝いをしています。
 
なぜ年商数億で止まってしまうのか、科学的な理由をお伝えします。そして、次のステージに進むために何が必要かを説明します。
 
理解していただいた上で、そのための具体的な進め方を提言します。
「どのような方針を決める必要があるのか」、「どの段階で社員を巻き込むべきか」、「どの業務で外注業者を使えそうか」。
そして、社長自ら動くようにお願いします。その結果を確認し、再度進言をさせていただきます。
 
もし、社長がそこに向かっていない時には、再度お伝えします。
「方針は、文章でまとめてください。」
「これは社長がつくってはいけません。社員に依頼してください。」
「企画書を作成したうえで、外注業者と打ち合わせをお願いします。」
 
しつこいと言われても、社長がそれに向かうまでお伝えします。それをやらないとこれ以上は進めないと解っているからです。
社長自身も、それは解っているのです。しかし、今までの長年の習慣を変えられないのです。でも向かうしかないのです。私は、とことんお付き合いします。
 
私の役目は、「間違っていることを間違っているとはっきりお伝えする」ことです。
そして、「正しい考え方と実現のプロセスを提言すること」です。そして、「社長が実際に行動できるように強制力となること」です。
 
いままでの考え方を、新たな考え方に置き換えることは大変です。それは、いままでの社長の中には全くなかった『考え方』だからです。だから大変なことになります。だからこそ、大きく変わることができるのです。
 
実行できている場合も、フィードバックをしっかりさせていただきます。「これでばっちりです」、「面白い視点です」、「シンプルで、力がある文章です」。そこに社長のモチベーションを上げようとする意図はありません。そんなものを持てば、それは社長ですから、すぐに見透かされてしまいます。
 
矢田は、ストレートに伝えます。合っています、合っていません、ただそれだけです。社長のほうも、それが欲しいから当社に依頼をしているのです。今までの自分の考え方を捨て、新たな考え方に置き換えるために、来られているのです。
 
それ故に、皆さん、真剣です。そして、真摯に取り組みます。自分の遅れが、会社の遅れになることを解っているのです。社長の肩の後ろには、社員とその家族の顔が見えています。
 
 
その2の「何をやればよいのかが解らない」という社長は、絶対に相談する相手を間違えてはいけません。
 
その相手は、「社長の困り事はなんですか?聞かせてください。」と寄ってきます。そして、その困りごとを解決するための提案をしてくれます。
 
2の社長にとっては、これは間違った相手と言えます。
困りごとが何か分かっていないのです。または、「自分が困りごとだと思っていることが、実は間違っているかも」と思っているのです。本当の問題に気づけていないことが問題なのです。
 
その相手も、本当の問題を指摘することはできません。そして、置き換えるべき正しい『考え方』を示すこともできません。提案の内容は、「いままでの社長の考え方」を補強するだけのものになります。
 
「何をやればよいのかが解らない」社長にとって、「社長の困り事は何ですか?提案します。」という相手は、合っていないのです。その提案の中に、「社員教育」や「経営理念」という言葉があれば、その確信を強めてください。
 
 
まとめです。
 
年商数億円で止まる理由は、年商数億円に適した『考え方』で経営をしているからです。それは、年商数億円だから通用したものです。
 
年商10億円に進むためには、年商10億円に適した『考え方』を獲得する必要があります。『考え方』の置き換えが必要なのです。
 
今は、そのための行動をする時です。
そして、その自分に相応しい相手を選ぶべきです。
 
年商数億円の経営の延長に、年商10億円は無いのです。

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