No.392:御社は、事業モデルの変革が必要な時に来ていませんか?日替わり定食のようなビジネスをやってはいけない。

№392:御社は、事業モデルの変革が必要な時に来ていませんか?日替わり定食のようなビジネスをやってはいけない。

この日は、地方都市でクライアントとの食事会です。
その社長は、ここ5年で年商を5億から20億まで増やしています。
 
その社長の横には、まだ「この世界」に入って3年のT社長が座っています。30代前半のさわやかな青年です。
 
T社長は、自分の抱えている問題を話してくれました。
それは、「クリエイティヴ」に関するものです。いま行っている事業のすべてにクリエイティヴがあるのです。
 
私は、クリエイティヴを説明するために、次の例を挙げました。
「日替わり定食のようなビジネスは、やってはダメということです。」


経営をやっていると、事業モデルの変革に迫られる時が来ます。
その時に、社長がしっかりそれに向かうかどうか、それによりその会社が発展するか、衰退するかが決定します。
 
事業モデルの変革が必要になる理由は、大きく二つあります。
それは、「外部の要因」と「内部の要因」です。
本コラムでは、前者についてお話します。
 
「外部の要因」とは、市場の変化を指します。
どんな事業モデルも必ず古くなります。古くなっていくとは、「お客様からの必要性が徐々に下がっていく」ということです。
 
それは、「人口の推移」、「思考の変化」、「競合の出現」、「技術の変化」、「法律の改定」によってもたらされます。
 
人口:人の数、そして、年齢でその市場特性が決まります。また、その地域に多いのは、家族か独身世帯か、住宅地かオフィス街か、で対象とすべき人口は変わってきます。
 
思考:服装が移り変わっていくように、人の思考も変わっていきます。人類の進化、世界情勢、そして、マスコミや大手企業の誘導によって変化します。
 
競合:儲かる市場には、必ず競合が現れます。その競合の存在が、サービスの周知を進めると共に、コモディティ化(ありふれ)を進めます。
 
技術:一つの技術の出現が、業界の構造から相場まですべてを変えていきます。その代表格がインターネット、そして、スマホです。続いて、ドローン、電気自動車、AIと続いています。
 
法律:先の「人口」や「思考」や「技術」の変化と国の方針により、法律はドラスティックに変化します。老人介護施設に関する法律、環境に関するもの、自動運転に関するもの。
 
この時に重要となるのは、あくまでも「自社を取り巻く環境」ということです。決して業界全体とか、日本全体で考えてはいけません。自社の事業エリアや業界という「自社の市場」で考えていく必要があります。
 
そして、この変化を、どのように捉えられるかになります。
新興勢力にとっては、大手の寡占状態を打ち砕くチャンスです。
また、大手企業によっても、その資本を使い、またシェアを一気にとるチャンスなのです。
 
外部要因の変化、すなわち、市場の変化は、大きな入れ替わりのチャンスになるのです。


我々が行うことは明白です。
その変化をいち早く知ること。
そして、そこにいち早くビジネスを作り上げること。
そして、そのシェアを取ること。
 
この活動を今日もしているのです。
それを上手にやれば「儲かる」し、下手であれば「儲からない」となります。
 
事業を始めるということは、この「ゲーム」に参加することを意味します。
T社長は20代後半で独立し、自分で事業を始めました。それが、3年前です。
 
そして、今、行き詰っていました。年商は、6千万。社員数は6名です。
「今の事業では、これ以上は大きくできないのではないか」と考えていました。
 
そこで相談したのが、当社のクライアントである経営者の先輩でした。
著書を読み、ちょうどあった会食の参加を願い出たのでした。
 
私は、T社長にお聞きしました。「事業内容を教えてください。」
「マーケティングや販促物作成、そして、広告運営もやっています。そして、イベントの企画運営代行もやっています。」
 
私の次の言葉を待たず、T社長は、答えました。
「全部クリエイティヴです。」
そして、訊いてきました。
「先生、どうしたら良いのでしょうか?」
 
私は、答えました。
「どれか、一つこれは伸ばせるという事業を教えてください。」
T社長は、自社のその事業の中で、今考えているものを一つぶつけてきました。
「いかがでしょうか?」
 
私は、それをお聴きして、コメントをしました。
「日替わり定食のような事業ですね。」
T社長は、その言葉の意味が解らなかったようです。隣のクライアント社長は、T社長に暖かい目線を送ります。
 
日替わり定食屋は、半径〇mの人を相手にビジネスをやっています。その半径〇mの人に飽きられないように、毎日違うメニューを提供します。その時には、原価や調理方法も一緒に考えます。
 
これは、非常にクリエイティヴなのです。そこには、日々、「考えること」が必要になります。
 
実際に、日替わり定食屋を回しているのは、個人です。夫婦であったりします。個人の情熱があって成り立つ業態なのです。
 
大手企業は、日替わり定食は絶対にやりません。せいぜい、曜日替わり定食です。
彼らは、カレーやラーメンという〇〇専門店をやります。そして、日々、違う人に提供しています。その顧客は、月に数回という頻度でやってきます。
 
前者の日替わり定食屋は、「店にお客様が付く」ようになります。また、そのクリエイティヴさを他の人間ではできないのです。その結果、社長自らが現場に囚われることになります。
 
後者の〇〇専門店では、「その業態にお客様が付く」ようになります。決まったメニューを毎日提供します。そこに、クリエイティヴはありません。それによって、社長も自由になります。そして、また出店することもできます。
 
T社長のやろうとしていた事業は、日替わり定食屋のような事業なのです。
お客様の囲い込みとは聞こえは良いものの、実際は違うのです。新しい企画でお客様に絶えず刺激を与えるしか、顧客を食い止めておけないのです。
 
 
あの会食から3年が経過しています。
T社長は、最初の一年ほどで事業を見つけることができました。現在、年商は4億円、社員数20名にまでなっています。
そして、その地域のその業界では、少しは名の通った企業となっています。「〇〇と言えば、T社」という評判で、地域一番というポジションが取れているのです。
 
T社長は、言います。
「先生、この〇〇という自社の評判をもっと強めたいのです。そして、隣の県まで早く拡げたいです。」
 
事業とは、「一つの必勝パターンを量産することで、大きく儲けること」です。その必勝パターンの条件や作り方を、T社長は習得したのです。
 
 
市場は、これからも変化し続けます。
その変化に合わせ事業を変えていきます。
しかし、絶対に変えないものもあります。それが、評判です。
 
〇〇と言えば〇〇(企業名、または、サービス名が入る)
一度獲得したこの評判は、市場には残っているのです。
 
人口、思考、競合、技術、法律、その環境は変わっていきます。
その環境の中でも、その一つの評判の上に、事業を更に進化させていきます。場合によっては、新たに事業を立ち上げることも考えます。
そして、更に、その評判を強化していきます。そして、また、そのエリアを拡げていきます。
 
その変化の基盤には、必ず原則と行動力を持った社長がいます。
 
御社は、事業モデルの変革が必要な時期に来ていませんか?

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