No.64:給与で、良い悪いのメッセージを社員に正しく伝えること
給与制度についても確認しておきましょう。
給与制度も同じです。
まずは問題が起きない程度に整備します。
すなわち社員の不信感につながらないようにです。
何が不信感につながるかというと、これも社長の無関心を原因としています。
そして、社長には、給与に関する一般的な感覚と基礎知識が求められます。
こういうケースがあります。
●社員の給与が何年も変わっていない。
記憶にある昇給は、3年以上前だったような・・・
こういう場合も、社員は気にはしていますが、口を閉ざしています。
本当は訊きたいのです。
「うちの昇給の時期っていつですか?」
「そもそも昇給ってするのですか?何年働いても同じですか?」
「他の社員は昇給しているのですか?」
そして、給与を改訂しないということは、社員にはこういうメッセージとなります。
優秀な人材に対しては、
「あなたの評価は低い」というメッセージなります。
ダメな人材に対しては、
「そのままでGOOD!(現状の働きと給与は見合っている)」というメッセージになります。
そう受け取ります。
そして、またひどいのが、こういうケースです。
ある社員が勇気をもって交渉に来てくれました。
その交渉の結果、「確かに低いな」ということで、一度に3万円や5万円をアップしてしまうのです。
その社員は、その場は喜びますが、結局は社長に対する不信感を持ちます。
「こういうことを自分から言わなければダメなんだ(ダメな会社)。そして、上がるときはこんなに上がる・・・この数年間は、なんだったのか?」
また、社長のほうも良い感情を持ちません。(勝手ですね)
「給与の交渉に来るなんてどういう社員だ!(怒)」
また、社長の一般的な感覚も重要です。
3万や5万をいきなり上げるのは、社長自身の給与に対する感覚です。
自分の役員報酬は、内部留保の意味もあり、数万や数十万を上げたり下げたりし、毎年調整します。
この感覚ではいけません。
一般的な社員の感覚では、年に1万円以上あがれば満足、6千円で普通、3千円で不満、、、ぐらいです。
特に20代の社員の給与については注意が必要です。
世間相場では、大卒22歳で20万円もらっています。その彼が、1年経ち6千円上がりました、2年目も6千円・・・
彼は考えます。6千円×10年=6万円ということは32歳で26万!!
これでは夢も嫁も持つことはできません。
そして、大学時代の友人と飲みに行き、お互いの給与を比較します。
そして、その人材も2,3年で退職をしていきます。
今なら間に合うと他の会社に移っていきます。
ほとんどの人材がその理由を「やりたいこと・・・」と言って去っていきます。
また、ここ数年昇給がないと言うことは、社員が受け取る手取りでは、毎年減っていくことを意味します。
社会保険料です。
毎年その負担する率は上がります。平成29年まで上がり続けます。
ですから、社員は、毎年現金収入が減っていきます。
このことも知らない社長が多くいます。
給与については、下記をポイントに運用をします。
1.毎年給与は決まった月に見直す(昇給、降給)
2.その根拠となる評価を行う
3.社員に、どういう人材(スキル・態度・役割)が求められるか(評価が高い)をその基準を伝える。
4.半期に一度、その評価を本人に伝え、協力と成長を依頼する。
(例)高く評価している、数年後の当社の幹部として期待している。
(例)仕事の出来以前に、まずは挨拶や服装のビジネスマンとしてのマナーをしっかりやってほしい。
5.20代の人材と優秀な人材は、退職防止のために、他社よりもいい給与を払う。
給与は、大切なメッセージ、そのメッセージを正しく発信していなければ、若い人材や優秀な人材は当然去っていきます。
会社に残ってくれるのは、高齢者(男女)、女性やパート(勤めやすさ重視)だけとなります。
給与制度も社長の仕事です。
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