No.68:10億事業に早く昇るためには、客単価を大きくする
10億事業のビジネスモデルでは、客単価を考える必要があります。
ここでいう客単価とは、1回の取引単価でなく、その顧客と取引を開始しその契約が終わるまでに支払っていただく総額を指します。
当然ですが、売上でなく、総粗利高(材料費、外注費を抜く)となります。
別名、生涯単価と言います。
この客単価の得方は、ビジネスモデルによって異なります。
一回の取引がドカンと大きいモデルと小さい取引が続き結果大きくなるモデルがあります。
そして、どちらも持ったモデルもあります。
例
1回の客単価が大きなモデル:住宅、結婚式
継続取引で客単価を大きくするモデル:携帯電話、製造業量産
どちらも持ったモデル:設備の販売&メンテナンス、ホームページの製作と保守
このどちらも持たないモデル
すなわち、客単価が低い場合には当然厳しくなります。
例えば、個人宅のガーデニングや住宅リフォーム。
その手間の割に1件あたりの粗利高は低く、 かつ、継続がありません。
このような客単価の低いビジネスでは、10億規模の事業は難しいと言えます。
それゆえに、大手は客単価の低いビジネスには手を出さないのです。
実は、このようなどっちもないビジネスモデルは世の中に沢山あります。多くの中小企業が行う事業が、客単価が小さく、年商数億で止まってしまっています。そのため、当然、社員一人当たりの稼ぐ粗利高は4百万~1千万円と大手よりも低くなります。
この客単価が低いと、いつまでたっても10億事業に成ることはできません。
世の中の10億事業を観てみると、そのほとんどが客単価が大きなものを取り扱っています。
・携帯電話 月1万 × 60か月 =60万円
・結婚式 150万 × 1回 =150万円
・プレス加工 月200万 × 48か月 = 9600万円
10億事業に早く昇っていくためには、客単価を大きくすることを考えます。
この客単価から、いち顧客にかけられる販促費がいくらかを算出できます。 また、社員を雇って行う事業なのか、アルバイトでなければ成り立たない事業なのかが判別できます。
そして、なによりも、10億事業に成れるかどうかが決まります。
最後に、次のような事例を紹介します。
年商8億ほどの鉄筋加工組立業の顧客に、このようなアドバイスをさせていただきました。
その企業では、それまでアパートの基礎の鉄筋を主にしていましたが
この客単価のお話を説明し、顧客ターゲットをゼネコンに変えていただきました。
ゼネコンの仕事を受けることができれば、工事1件の規模は桁が変わります。
1年間に アパートの基礎 120件× 100万=12000万
ゼネコン仕事 12件×1000万=12000万
同じ金額でも、この意味は全く違います。
かかる営業や積算などの手間が少ないのでコアな技術社員が複数の案件を持てます。
そして、これぐらいボリュームがあると、仕入れコストも大幅に下げることもできます。
また、自分たちで工程の調整や作業の改善をすることも可能です。
外注も活用できるようになります。そこに強みさえ見い出すことができれば、しっかり儲けることができるのです。
小さなアパートの基礎では、改善も工程調整も自分たちでできる余地はありません。また、発注側には、原価が丸見えです。ただの人工仕事です。儲かるはずはありません。
大きな工事は価格がすごく厳しいといわれますが、それは、大手と付き合う以上避けられないことです。
工事規模は関係なく、どのみち厳しいのです。
それでも、いろんなものを含んだ形で、大きな仕事をがばっと取ったほうが、やりようはありので、断然いいのです。
そして、次は、もっと川上に行って、自社が1次請けや元請で仕事をとれる様になることを考えます。
その鉄筋加工組立の会社は、数年で売り上げを倍にすることができました。
客単価を大きくすることを本気で考えてください。
大きい顧客を狙ってください。
そして、
小さい顧客を他に譲る。
10億事業に早く昇るためには、客単価を大きくする
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