No.69:管理者が機能しない、本当の原因は、仕組・組織化の未整備にあります。

1年前のちょうどこの時期に、ある広告業社長が事務所に相談に来られました。
『矢田先生、管理者が機能しないのですが?』
その企業は、社員15名ほど、創業して10年、
創業者のパワーで事業を引っ張ってきたが、いまの文鎮型(社長+あと横一線)ではこれ以上無理ということで、営業部と製作部、それぞれに部長を任命することにした。

そして、1年近く経過しても、実際には、期待したほどの機能はしていないとのこと。
 
社長:「任命したものの、彼らからは部長らしい発言も行動もありません。積極的に業務を改善することもなく、自分の部下に対して注意することもありません。私の役目も彼らの仕事も、任命前とほとんどかわりません。いまも私が全体を直接コントロールしてます。」

今まで、何度も何度も、その社長は「管理者として」「管理者らしく」と話をしたそうです。
そして、先日その管理者から返ってきた言葉が、
「社長が何を期待しているのか解りません!」と。


そして、社長は憤慨、そして、来社したという経緯です。

このケースは、企業が成長するうえで必ず通る道です。
管理者が管理職として機能しない、これの理由は明確です。
大きく3つあります。

原因その1.仕事が見えない
属人的な仕事のやり方をいままでやってきたために、仕事が見えるようになっていないのです。

案件がどうなっているか、次にいつまでにどこに行くのか、
見えないのです、、、、個人で最初から最後まで完結する業務の流れなのです。
見えないものを管理者は管理することはできません。


原因その2.基準がない
仕事のやり方やそのポジションの役目など、何の基準も無い。

いままでは、社長が目についたところから注意し是正をしてきました。
それを同じことは社員にはできません。
それも、昨日まで自分と同じ立場の社員や、下手したら自分よりも年上や入社の早い人もいます。

この状態で彼らが注意することは、「自分の基準」で言っていることになります。
それは会社の考えや、やり方でないのです。
社長のように「俺がルール」ではできないのです。
サッカーチームのコーチは、監督の方針から外れることを指導できません。
何かしらの基準があるから指導が出来るのです。


原因その3.管理職の役目がわからない
昨日まで、彼らは、いち職人でやってきました。

長くやってきてある日、管理職にあげられました。
ベテラン職人=管理職 ? 腕が良いから管理者に任命された?
社内には、参考にできる管理者はいません。社長の動きは、社長だからの動きですから参考になりません。
自分の役目がわかっていなければ、どんな仕事どんなポジションでも動くことはできません。
例えれば、新規採用した人に「自分で考えて働いて成果を出して」という状態と同じです。


これらの原因はどれも繋がっています。
すべての原因は、仕組みや組織化の問題なのです。
世の管理者研修に参加させただけで解決する問題ではありません。

仕事を見える様にする
基準をつくる
管理職の役目を伝える


この取組みすべてが必要です。
どれか一つでもダメです。
それらの構築が完成すると、管理者が機能するようになります。

 
その取組みを行い、1年後の現在、その広告業会社は、管理者が機能しております。
毎月、社長とその管理者2名で経営計画の進捗の確認をしながら進めています。
管理者がしっかり部下を指導しています。
彼ら本人たちの目の輝きもあります。

社長が言います
「社内でわたし一人だけが注意する状況が辛かったですが、いまでは、彼らが細かいことまで言ってくれます。私も外に出られる時間が増えました」 と。

管理者が機能しない、本当の原因は、仕組・組織化の未整備にあります。

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