No.165:募集広告をかけても、応募がない、、、会社の根本的な間違いとは?

コラム№165

「来春には、新卒者が5名も来てしまいます。」
 
当社に相談に来られた方の、経営課題の一つです。
 
十数名の工務店。
「内定を5つ出したら、全部承諾で返って来てしまいました。彼らの仕事も賄うだけの売上げも作らなければなりません。」
 
多くの会社が、採用難で人材不足で困っている中、これは驚くことです。
 
矢田は訊きました。
「何か、特別なことをされているのですか?」
 
社長答えられます。
「何も、していませんが・・・」


日本の多くの企業が抱える課題の一つに、人不足があります。
 
引き合いは多いが、人がいないのでこれ以上受けられない。
スタッフが不足して、シフトを組めない。
派遣会社に頼んでいるが、集められない。
募集広告をかけても、応募が無い。
 
そんな環境であるため、当社も、採用に関する相談を多く受けます。
その際には、募集の具体的なアドバイスは当然させて頂くわけですが、それ以上にお願いすることがあります。
 
それは、「御社の基盤となる採用力を上げることに取り組んでください。」と。
 
 
募集広告に使用するネット求人サイト、転職(採用)フェア、ハローワーク、それらの募集媒体は、あくまでも「導線」となります。
 
各募集媒体は、どうしても情報量が限られています。
そのため、自社のホームページに誘導することになります。
 
そこで、自社のホームページの沢山の情報により、自社に対する興味を形成することに取り組みます。
我々中小企業は、大手企業に知名度や福利厚生などでは負けますが、自社の『独自性』では、勝つことも可能です。逆の言い方をすれば、大手企業と同じような、事業内容や募集要項だけ載せていては、負けることは目に見えています。
 
自社のホームページを見て、「魅力的に見える」ことが、絶対に必要になります。
どんな導線を使用するにせよ、求職者は、より多くの情報を得るために、その会社のホームページを見ます。
ホームページを見に来た人が、「この会社は魅力的だ」と思わなければなりません。
 
『自社は、魅力的か?』、正確には『自社は、魅力的に見えるのか?』。
人を採用するためには、この問いに自信を持ってYESと答えられる必要があります。
 
「社員はどんな会社で働きたいのか」、それを本気で考える必要があります。
そして、その条件を満たす会社にするため、実際に取り組むこと。それと合わせ、「魅力的」に見せる努力も必要になります。
 
「魅力的でない」部分を「魅力的」に見せれば、詐欺になりますが、ある程度の「化粧」は必要です。少なくとも魅力が10あれば、10を伝える努力は必要です。
 
多くの中小企業では、10ある魅力のうち、表現できているのは2もありません。
ホームページを見れば、そこには、事業内容と会社概要が無機質に並んでいるだけです。実際には、「魅力が無い」会社として情報発信してしまっているのです。
 
そのホームページには、人の気配もありません。社長の事業展開への方針もありません。人を集めるために魅力的に見せるという「広告」としての役目を果たしていないのです。
多くの求職者は、他のより「魅力的に見える会社」に流れていっているのです。
 
多くの中小企業が、ホームページで自社を「魅力的」に表現できていないのに、その「導線」に何十万円、何百万円を投じているのです。
 
募集をかけても来なくて当たり前なのです。
求職者の目から見て、本気で魅力的な会社とは何か、自社はどうあるべきかを考える必要があります。


人は、「明るい」職場、「明るい」会社で働きたいと思います。
 
【働く職場は明るそう】
事務所は、きれいで整理整頓されているか。テレビで見るようなかっこいいオフィスで働きたいと思うものです。
逆に、薄汚れた壁紙、暗い照明、本棚には書類が山積み、という環境では、気が滅入ります。そんな職場で喜んで働きたいとは思いません。
 
また、そこで働く人は明るいか。
チームワーク良く、和気藹々と働いているか。みんなが積極的に意見を言う、それでも、相手の意見を受け入れながら良い仕事をするために討論をしている。
陰気なチーム、ボスが仕切っている職場、若い人がいない、というのはダメなのです。
 
そして、次の「明るさ」も必要になります。
 
【この会社の未来は明るそう】
いまは小さな会社であるが、この会社はこの先も発展していくだろうか。成長意欲、挑戦意欲が高いか。
そして、自分もその環境で成長できる、そして、良い処遇を受けることができる。
 
それに対し、この会社は積極的に事業を発展させる気が弱そうだ、今の事業も「古そう」であり、これからも変える気はなさそうだ。
自分の成長も見込めない、良い処遇も期待できない。
 
 
人は、「明るさ」を求めます。「明るい」職場、「明るい」未来を得られそうな会社を望んで行きます。
逆に、「暗さ」を嫌います。「暗い」職場、「暗い」未来、に進んで応募する人はいません。
 
 
特に、優秀な人は、その部分を気にします。その部分を重視します。
 
優秀な人は、自分の成長ややりがいを求めます。合わせて、高い報酬も得たいと思います。だから、最初からその気配を感じられる会社に応募します。また、だからこそ、その気配を感じる力を持っています。
 
逆に、それが感じられない会社や暗い会社に応募する人は、自分に自信のない人が多くなります。
自分に自信がないから、暗い会社に応募します。間違っても「挑戦」や「成長」するような会社に行こうとしません。
 
 
求人広告は、「広告」です。
広告は、狙う狙わないは関係なく、「ある母集団」を形成します。
良くできた募集広告は、「成長意欲の高い」や「人と協力して働きたい」人を集めます。
悪い募集広告は、「変化を拒む」や「人づきあいが嫌」という人を集めます。
 
その募集広告により、どんな人を集めるかコントロールしているのです。
それは、いつも同じ結果を自社にもたらしてくれます。
 
当然そこにはバラツキはありますが、良い募集広告を作り上げた会社では、平均して良い人や人材を集めることに成功しています。
 
それは、繰り返し使え、ある成果を生む仕掛けとなっています。
毎年、確実に、良い人や人材を集める「仕組み」となっているのです。
 
 
採用も、仕組みです。
それが解っている会社は、良い人を採用する繰り返し使える仕組みを築き上げることを優先します。ホームページを見直し、広告媒体を見直し、面接や会社説明会の開催の仕方を見直します。
そして、毎年、確実に「採用力」を高めていきます。
 
それに対し、その考えがない会社では、「広告媒体にさえお金を払えば、人は集まる」と考えています。そして、それで集まらないと、他の媒体に変えることを考えます。
ひどいと、その広告会社の営業担当を責めたりします。その時に、自社のホームページが「暗く」てもお構いなしです。その広告の営業担当は、「御社は魅力的でない」と言えるはずもありません。


人不足という経営課題を考えるときには、正確に考える必要があります。
 
「人」という『量』が不足しているのか、「人材」という『質』が不足しているのか。
 
今の環境下では、多くの中小企業では、「量」も「質」も不足しています。
では、リーマンショック後の不景気時はどうだったのか?
その時は、「量」はなんとかなってきました。
しかし、「質」も、やはり不足してきました。
 
どんな時代も、「質」という人材は不足しているのです。
 
だからこそ、事業全体を「並の人」で回せるように、「仕組み」づくりを進めるのです。
 
そして、その一環として、「人」を集めるための、繰り返し使える採用の仕組みを作るのです。
その結果、その採用された「人」の中に、極まれに「人材」が混じっています。
そして、その「人材」と一緒に、さらにその「仕組み」を良くするための取り組みを進めます。
 
あのリーマンショックから10年が経とうとしています。
その後、真摯にその「仕組み」づくりに取り組んだ会社は、この間に大きく変貌を遂げています。
 
それに対し、その後も「人」に向かった会社では、根本的に何も変わらずにいます。年商もリーマンショック前に戻ったという会社も少なくありません。
「優秀な人材を求める」、「教育に力を入れる」、「人が辞めるとノウハウはなくなる」、、、何も積みあがっていないのです。
当然、「人」で効率よく稼ぐこともできません。
そして、採用で、お金をばらまくことをします。その結果として、極まれに混じっている「人材」も頭角を出すことなく自社から去っていきます。
 
 
年商数億企業は、「人材」を取るための募集広告にお金を使う。その結果、「人不足」に陥る。
 
年商10億企業は、「人」を活かすための仕組みづくりにお金を使う。その結果、「人材不足」を解消する。
 
 
冒頭の工務店、コンサルティングが始まり事務所を訪問しました。
そこには、「ここで働きたい」と思わせる魅力があふれていました。
事務所、社員の挨拶、ホームページ、、、すべてに「明るさ」があります。

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