No.232:社員の信頼を大きく失う社長の3つの特徴。社員は心のなかで、「社長がまた・・・」と思っています。

№232:社員の信頼を大きく失う社長の3つの特徴。社員は心のなかで、「社長がまた・・・」と思っています。

社長が、「これをやると社員の信頼を大きく失う!」という行為があります。その3つをご紹介します。
 
一つ目:「大きなことを言う、しかし、その実現のための実務能力が低い。」
これが、一番の破壊力を持っています。それは、なぜか、これほど社員が望んでいるものとの乖離が大きいものは他に無いからです。
 
多くの年商数億の会社の社長が、「3年後に10億円!」、「5年後に、全国展開」、「業界を変える」と言っています。それを聞いて、社員はぽかんとした顔をしています。そして、心のなかで「またか」と思っています。
 
それは、いままでもそうだったからです。いままで何度も、社長の口から大きなことが出て、消えていったのです。
 
大きなことを言うことが、悪いことではありません。真の問題は、それが出来ないことにあります。正確には、『やりもしないこと』を言うから、信頼は失われていくのです。
 
どんな目標でも、それを実現するための方策が必要になります。それが大きいものであればなおさらです。明確で理にかなった方針を出し、それを具体的な計画に落とします。
そして、それを更に日々の行動に落とし、実行します。その時々に、進捗を確認し、修正を加えます。その繰り返しにより、やっと一つの目標が実現されるのです。
 
社員は違うことを考えています。「俺たちの生活はよくなるのだろうか」。そんな大きな事よりも、自分たちの生活のほうが大切です。社長がまた大きなことを言っている、しかし、自分たちの生活は、良くなっている実感がありません。
 
二つ目:「勉強したこと、良いことを、『すぐ』に取り入れる。」
社内で、社長は、一番勉強をします。そして、そこで得た良いものは、早くに取り入れることも大切です。しかし、多くの会社では、社員に、こう思われています。「また、社長が何か拾ってきた」。そして、「どうせ今回も続かないだろう」と思っています。
 
会社という組織では、何かをするためには、段取りを踏む必要があります。社長が、一回勉強した程度で、導入を決められるものなど何もありません。それに、そのような場合、その会の主催者の意図通りに気分的に盛り上がっています。少し落ち着いて考えることが必要です。
 
何かを取り入れるということは、企画書が必要になります。その目的、方針、予算、スケジュールと展開、その後の運用。これらの過程で、その施策の妥協性やリスクも検討されます。そして、それを関係者に説明し、開始の時期を揃える必要があります。組織では、その段取りを踏むことが必要になるのです。
規模が大きくなると、それを飛ばすことは社長でも許されなくなります。社長だからこそ、守る必要がでてきます。
 
世の中には、「早さ」信仰があります。それは、あくまでもこの段取りを踏んだ早さなのです。早い社長は、この段取りを踏むのが早く、そして、早く実現します。
拙速とは違うのです。出来が悪いのは、「早い」とは言わないのです。
 
勉強会などで、少し聞きかじってきたものを直ぐに導入する。これほど、浅はかなものはありません。そして、社員を舐めた行為もありません。会社の施策というものは、そんなものではないのです。これから目指す規模では違うのです。社長の生きざま、経験から得た哲学、そして、熟考された方針から、各施策が決まるのです。
 
そして、もっとたちが悪いのは、それが口頭で伝えられることです。そんな社長のもとでは、当然、仕組化は進まないことになります。
 
そこに、やはり継続性はありません。会社で一番に、それについて興味を失うのが社長です。少し経つと、それを、社長自身が言葉に出さなくなります。
止めるなら止めるで、その宣言をすることが必要です。書類などを廃止することができます。しかし、その明確な宣言がないために、いたるところに無駄が残っていきます。真面目な担当者は、その使わない書類を作り続けています。
 
「社長が勉強会に行った次の日の朝礼が怖い」とは、ある会社で社員の口から出た言葉です。
 
三つ目:「起きた問題に対し、教育(研修)という施策を選ぶ。」
問題が起きた時には、その問題を分析し、対策案を複数出します。優先すべき評価軸を決め、そのバランスをとり、決定します。そして、再発を防ぐために、仕組みにします。その仕組みを回してもらうために、周知し、定着までを見守ります。そして、その効果を確認します。
これが、当たり前の問題解決のサイクルです。これでしか、問題は解決しません。
 
しかし、これがなぜか「教育」という発想につながることがあります。こんな摩訶不思議な事が起きるのです。理念教育、モチベーション、コミュニケーション、どんな研修も無駄です。改善提案やフィッシュボーンも無駄です。そんな遠回りをせず、その問題に向かうだけです。研修中も、社員は「違うんだけどな~」と思っています。 


こんな社長を観て、社員は信頼を失っています。それでは、この先も会社が、良くならないのが見えてしまうのです。そして、自分の生活も良くならないことが見えてしまうのです。
 
社員の信頼をどうしたら勝ち得ることができるのか?それは、この逆をやることです。「やるといったことを、しっかりやり切る」ことです。当然、そのやることとは、社長の思い付きではありません。そこには一貫性があります。
 
会社として事業戦略と各方針があります。そして、それを実現するための、多くの施策と仕組みがあります。
毎期、変更のあった方針を伝えます。そして、変える仕組みを目標とします。「今期は〇〇を変えよう」と計画を立てます。そして、行動し、形にします。
それにより、少し良くなったサービスをお客様に提供できるようになりました。業務は効率化され、無駄と感じていた作業が減りました。
少し良くなったことを実感できます。そして、少し自分の給与も良くなりました。
 
そんな、良くなる実感が社員はほしいのです。本当に望んでいるのは、その毎期、良くなっているという実感なのです。もっと欲しいのは、この社長についていけば、良くなる、という確信がほしいのです。
 
約束し、それを確実に実行し、実現していく。この積み重ねで、社員は社長への信頼を積み上げることになります。それは、小さくてもいいのです。社長の経営者としての能力、そして、人格に対して、信頼を寄せるようになります。
その信頼の上で、会社に貢献したいという心が生まれます。この仕事に本気で打ち込むやる気が起きます。
 
自分のいる会社やその経営者に対し、信頼が持てない社員は不幸です。
そのうちの何人かは、我慢できずに去ることになります。そこには、多くの優秀な人が含まれています。社内には、この社長の感覚についていける人か、我慢強い人が残ることになります。社長の器以上の社員はいない、とはよく言ったものです。その結果、今の社員しかいなくなったのです。
 
まとめ
 
社員の信頼を獲得する社長の行動
1.日々勉強に励み、その多くの中から本当に必要な少しを選び、方針を示す。
2.目標と計画をロジックに組み立て、坦々と仕組みを変えていく。
3.社員と共にその成果を喜び、報酬として報いる。

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