No.246:年商が3億、4億、5億と増えていく時に起きる現場の混乱!打つ手を間違えてはいないか!この項目をチェックしてください。
先週、嬉しいメールを頂きました。
N社は、コンサルティングを終え2年が経過しています。
「前期の6億5千万から、今期は10億には満たないですが、9億で着地できそうです。来期で10億をしっかり超えていきます。」
そして、「今年も、手帳を送らせていただきます。」とあります。
この一文がさらに嬉しいのです。
年商数億から年商10億に進む時、何が大きく変わるのか?
それは、『量』です。
すべての量が、増えるのです。
お客様数、案件数、データ量、取引先、そして、拠点やスタッフの数が増えます。
当たり前ですが、この量が増えることのインパクトは非常に大きいものがあります。
増量が、いままで使用してきた仕組みを、すべて機能不全に追い込んでいきます。2年前に入れたシステムの更新が必要になります。案件管理表や業務フロー図の改良は毎月です。顧客や伝票のコードも見直さなければなりません。
年商3億で回っていた仕組みが、年商4億になるといくつかがダメになります。
そして、4億で整えると、次の5億でまた問題が起き始めます。
5億に仕組みが追い付くと、6億でまた突き放されます。
事業が拡大に入ると、すごいスピードですべての仕組みが機能不全を起こすことになります。その仕組みを直すために、組織が必要になります。各部門には、それぞれの受持ちの仕組みを次から次へと直していってもらいます。
【過去のコラムの復習】
・年商3億が仕組みで回っていない(社長が抜けられていない)状態で、売上げを増やそうとすると、当然、問題が勃発する。社長がさらに忙しくなる。元の規模に戻る。
・組織ができていない。すなわち、年商3億で社員が自分たちで仕組みを改善していない。社長だけが頭をつかっている。その状態で売上げを増やそうとする。仕組みが機能不全を起こす、が、その対策を考えるのは相変わらず社長のみ。
そして、この「量」に対応する時に「質」にも変化を起こすことになります。
そのもっとも大きなものが、単価です。単価アップが最も有効な手となります。
今までも十分「手間に見合った単価」でした。それを更に「手間に見合いすぎた単価」にするのです。
今までのお客様の生涯客単価は100万でした。これを、200万にすることを考えます。「高額でも買うターゲットに移行する」、「手間の割りに儲からない客を切る」、「販促物を整備し、感じる価値をもっと高める」。
これにより、100件×100万円=1億円が、100件×200万円で2億円になります。
量を増やさず、売上げを大きくすることを考えます。その結果、売上げは昨年対比10%、20%という小さいものでは無くなります。
そして、多くのものを捨てていきます。質の高いもの、すなわち事業にとって本当に重要なものだけを残し、他を捨てていきます。残った僅かなものを、更にピカピカに磨いてきます。
唯一の商品のカタログに数百万を掛け、リニューアルします。
WEB集客に強い外注先に、販路を一緒に強化してもらいます。
業務の基幹システムを自社で開発します。そのための人材も採用します。
すべての仕組みに、手を付けていくことが限界だと気づいてしまいます。この段階になると社長は、「これ、もうやめるかー」が口癖のようになります。バサバサ切っていきます。
それを聞いて、頑張ってきた社員の口が開いています。そんな彼に、「うん。ごめん。次行こう。」となります。
増える量に対する最大の手が、「やることを減らす」です。
それにより、残ったものの質を更に高めることができます。そして、それはさらに「効果」を発揮してくれることになります。その結果、スピードも得られるのです。
年商数億から年商10億に進むときに、量、質、スピードに変化を起こすことになります。仕組みの数は減っていきます。逆に、一つの仕組みに載る量は倍増します。
これが、冒頭のN社で起こっていることです。
年商6億5千万が、年商9億になる。この量の増加は、恐ろしいものがあります。
今日も、仕組みのどれかが機能不全を起こしています。それを各部門が泣きながら再構築しています。
それが出来るのも、N社長が、「仕組みに向かう」⇒「組織をつくる」⇒「単価を上げる」⇒「多くを捨てる」⇒「残ったものを育てる」というサイクルを愚直に実行してきたからです。
そして、そのサイクルを組織として続けられるように、経営計画書をつくっているのです。経営計画書無しには、会社としての一貫性も社員の自主的な行動も、スケジュールの管理もできないのです。
その経営計画書の手帳を送って頂けることは、お手伝いをさせていただいた者として、最高に嬉しいことです。
〇年後に年商〇億という目標を立てることは素晴らしいことです。
その実現のためには、次の状態から脱する具体的な行動が必要になります。この状態を脱するために一つひとつ手を打っていくのです。
・現状の業務(量)が仕組みで回せていない。社長がまだ業務をもっている。
・社員が考えていない。仕組みの改善は社長ひとり。
・単価が手間に見合っていない。貧乏暇なし。
・複数の事業、沢山のメニューがある。そのために分散している。
・毎期目標が未達、実行もされていない。決めたことが定着しない。
昨年対比10%の年商の伸びは、ひとまずの安心を与えてくれます。そこに惑わされず、一つひとつ積み上げていくことが大切です。
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