No.272環境整備に取り組んでも、伸びる会社と伸びない会社があるその理由はズバリ

№272:環境整備に取り組んでも、伸びる会社と伸びない会社がある!その理由はズバリ?

G社は、地方中核都市で建設業を営んでいます。年商5億円。
自社での面談の申し込みを頂き、訪問をしました。
 
ぜひと言われ、事務所と資材置き場をぐるりと回ります。
そして、私の前には、しっかりと製本された経営計画が置いてあります。
 
私は、社長が望んでいるだろうという賞賛の言葉を述べます。
「どこを見てもキレイですね」、「立派な経営計画書ですね」。
 
矢田は、経営計画書の頭の数ページを見て、あるべきものが無いことを確認します。やはり無いようです。


事業構造がすべてです。
「どのような事業構造にするか」、それにより会社のすべてが決まってきます。
業績はもちろんのこと、社員の活躍の度合いも決まります。
 
事業構造が儲かるものであれば、儲けることができます。
事業構造が年商10億円になるものであれば、その規模になっていきます。
 
いま儲かっていないのは、事業構造が儲かるようにできていないからです。いま年商数億円で止まっているのは、年商数億円の事業構造になっているからです。早急に、事業構造の変革をする必要があります。
 
次のステップで考えることになります。
1.どのような市場をつくるのか。また、その組み合わせをどうするか。
 
その上で
2.どのような商品構成にするのか。グレードはどこになるか。
このようになります。
 
ネット通販M社は、〇〇を専門に扱うサイトを運営していました。〇〇はモノです。その商品は同業他社も扱っており、事業の特色を持てずにいました。
 
調査と検討を重ねた結果、□□向け商品を扱うサイトに変更をしました。その上で、その□□の人達が求めるだろう商品を多く取り扱うようにしました。高価であっても、本当に良いものだけを扱うようにしました。また、支払いや配送なども、工夫をします。
 
サイトに確信が持てるとM社長は、拡大に移りました。集客に大きなお金をかけ、一気に会員を増やします。元々の年商が1億3千万円、2年後には2億3千万円です。その2億3千万円は、1億3千万円をスクラップしての売上げです。
 
そして、M社長は、もう一つサイトを立ち上げました。すでに事業に必要な要素も、その立上げ方も掴んでいます。2つ目のサイトは、予定通り2年目で年商2億円にすることができました。
 
M社長には、「一つのサイトで3億円(限界)」という感覚がありました。そのため、複数のサイトで10億円を超えることを考えていました。
 
実際には、一本目のサイトは、4年後には5億円になっています。やってみると、知恵がでます。商品構成を変え、粗利高の大きいものも扱うようにしました。結果、年商は合わせて7億円です。
 
まずは、「市場をつくる、または、その組み合わせを考える」
そして、「商品構成を考える、グレードを考える」
その上で、「売り方を考える」ことになります。
もっと効率よく集客する仕組みを考えます。リピート客をもっと囲う方法を考えます。
 
正しい事業構造がすべてです。事業構造が悪いのに、売り方を考えてもどうにもなりません。クリエイティヴがある、手間と単価が見合っていない、など。


冒頭のG社は、素晴らしい取組みをされていました。
環境整備を徹底しています。その甲斐があって、どこもピカピカです。社内には良い気が溢れています。そして、社員もキビキビ動いています。
 
また、経営計画書がしっかり製本されています。立派さの効果でしょうか、銀行からも高い評価を受けています。
 
私は、その経営計画書を手に取り、冒頭の5、6ページを確認しました。そこにあるべきものがありません。そこで、G社長に確認をさせていただきました。
「事業構造はどうなっていますか?」、「これからの事業の方針は?」。
 
G社長は素直に言われました。「それが見つからないのです。」
やはり会社の業績の伸びは止まっていました。それどころか、今期の年商5億を下回る予想です。地域経済の縮小(過疎化)に合わせ、工事の減少と1件の単価が下がっています。
 
その状態を打開するために取り入れた環境整備も経営計画書も、ややマンネリ感が出てきていました。G社長自身にも、当初の高揚感はありません。また、大きく進展のない状態に、社員にも「やっぱり感」が出ています。
 
その後、G社は「事業構造」の検討に入りました。
今までの工事業では、特色がありません。そのため、会社の売りは「技術力」、「対応力」というものです。
 
検討の過程で、その工事業のなかに、専門的な工事が含まれていることが解りました。その工事はこの地域に今後もニーズがあること、そして、周囲に競合が少ないことも発見できました。だからこそ、あまり力を入れていないG社でも、その工事が取れてきたのです。
 
G社長は、一般工事と専門工事の2事業構造を決定したのです。
隣の都市への商圏拡大や新規顧客開拓には、専門工事を前面に出していきます。特色のある専門工事なら、話を聞いてくれます。その専門工事で実績をつくった後に、一般工事の拡販に取り組みます。
 
年商5億円のG社は、その動きを始めてから一年後に年商5億6千万円になりました。そして、もう一年後には、6億5千万円です。
 
G社長は言われました。
「私の視点が、内部にばかり向いていました。外に向かないとダメですね。」
 
環境整備も経営計画書も、内部の取組みです。
それらの取組みは、『外部への取組み』があってこそ。
環境整備も、経営計画書も、そして、社員も、社長から示される明確な事業構造があってこそとなります。
 
G社に無かったものは、儲かる事業構造だったのです。それを得ることができました。それを得ることで、いままで一生懸命に取り組んできた環境整備と経営計画書が、効果を発揮することになりました。高い規律と実行力があります。
 
社員は、やる気を出しました。専門工事をうたい営業に行けば、成果が出ます。値段も厳しいことを言われません。専門家として敬意を持って接してもらえます。
社内では、その増える仕事量に合わせ、各部門が協力して、仕組みを作り変えていきます。
 
まさに好循環です。その起点は、強く正しい事業構造になります。
 
いままでのG社には、その事業構造が無かったのです。成果も出ないために、社員はやる気が起きません。「値引き」「下請け」という言葉が、彼らの自信を奪っていました。
 
また、社内に協力するという雰囲気はありませんでした。内向きな目標では、組織として団結を促すことはできないのです。
 
いまも、G社は、成長を続けています。今期は、7億2千万円の着地予測です。
G社長は言われました。「本当の意味で、我社を社員と地域のための会社にすることができました。」
 
 
事業には、終わりがありません。経済の変化に合わせ、事業も成長していく必要があります。その事業を営むものが、会社になります。
 
事業も会社も、その取組みは永遠に続くものとなります。
 
だからこそ、社長は長期的な視点を持つ必要があります。長期的な視点に立った事業構造が必要となります。時間をかけ、それを強くします。社員の頑張りを、仕組みに積み上げていきます。
 
長期的な視点とその事業構造を持たなければ、絶えず環境に振り回されることになります。そして、何も積み上がらないのです。社員は報われなくなります。
 
社長から出される意思決定によって、すべての施策もすべての社員も活きるのです。
 
すべては、社長次第です。
儲かる事業構造になっていますか?

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