No.320:すごい社長は、何をやっているのか。矢田の十数年前の上場を手伝った時のエピソード

№320:すごい社長は、何をやっているのか。矢田の十数年前の上場を手伝った時のエピソード

世の中には、『すごい社長』がいます。
事業を毎年倍々のスピードで、成長させる社長がいます。また、創業して数年で上場を果たす社長がいます。
 
彼らは、世の多くの経営者の憧れの的です。
 
多くの経営者が、彼らの講演を聞き、その生きざまとその謙虚な姿勢に感銘を受けています。また、本を読み、その経営哲学を自分の経営に取り入れようと努力しています。
 
しかし、その多くは、取り入れられないままで終わります。その理由は明確です。
それらの『すごい社長』のなかで、『本物』は、極一部であるからです。
 
そして、それ以上に、その極一部の経営者は、すごい『感性』をもっているからです。彼らは、ビジネスに対しすごい嗅覚を持っています。
その多くの企業は、一つのビジネスモデルが当たったことで、上場まで勢いで行ってしまいます。上場後に分裂するか、うまく行くかは、『運次第』と表現しても過言ではありません。
 
 
私も、『すごい社長』と沢山の経営者から尊敬をうけている方と、一緒に仕事をした経験が複数あります。
 
A社長
上場準備室のいちメンバーとして、私は参加しました。A社長は、次のような方でした。
・ビジネスの嗅覚はすごく、そのビジネスモデルで、売上げを倍々と伸ばしていきます。
・そして、思い切りが良い。年商4億の時に、1億の広告を掛けました。
・自身で大手企業に飛び込み、契約をまとめてきます。
・創業から8年で上場。そして、現在東証一部。
 
A社長は、本当にすごい方でした。その行動力たるやら、「思いついたと同時に行動」です。
 
それだけの急拡大に当然、内部が追い付くはずはありません。内部はボロボロでした。そして、そこに関わった人達もボロボロでした。
関係者全員が、その早すぎる行動に、そして、コロコロ変わる方針に、振り回されていました。常人には、天才が理解できなかったのです。
 
その潤沢の利益で、証券会社などの紹介で、人材をどんどん獲得していきます。そして、その優秀な人たちが死に物狂いで働いていました。仕組みをどんどん作っていきます。それは、すごいものでした。その段階でも、仕組みや組織づくりの概念も、A社長は、知ることは無い様子でした。
 
上場後、A社長のもとには、講演の依頼が殺到しました。そして、そのすべてで熱を込めて、経営者に向かって話をします。「情熱で道は開ける」と。
そして、今日までA社長は、『カリスマ経営者』だと言われています。
 
 
その当時、私がA社長に抱いた印象は、『モンスター』でした。そして、コンサルタントとして思いました、「これは、誰にも真似ができるものではない。」と。
 
そこには、理論がありません。『ロジック』ではないのです。
理論で説明できないものだけに、再現性はありません。
ロジックであるからこそ、再現性が持てるのです。他の「普通の」経営者には、マネできるものでは無いのです。
 
世の多くの『本物』の経営者の正体は、実は、A社長のような『モンスター』ではないかと見ています。そして、彼らは、加えて『運』がよかった人達です。
 
今でも、すごい社長のもとで働いた経験のある方と話をする機会があります。彼らは、「大変でした」というだけで、その多くを語ろうとはしません。
 
 
二人目、B社長。
・潰れかけの家業を継ぎ、必死に働き奇跡の回復を成し遂げました。その時に心の支えとなったのが、著名の経営者の経営哲学です。
・その経験から、その経営哲学を広めるため、経営者向けの塾を開き自ら塾長になりました。
・多くの経営者からは、「カリスマ経営者」として崇められています。
 
そこでも上場準備室の一人として私は、参加をしました。そのB社(社長)に対する私の認識は次のものです。
・ビジネスモデルは、メーカーと言いながら、実際は『下請け』。言われたものをそのまま作る。取引先の1社が急激に伸び、そこに合わせて自社も伸びた。
・自社でも、その哲学を浸透させるために、勉強会や唱和、掃除などに取り組む。しかし、実際には、社内のモチベーションもモラルも非常に低い状態であった。
・マネジメントの概念が全くない。絵空事が書かれた経営計画書、無いに等しい方針、答えの出ない会議。それでも理念です。実務の場で、精神論が出てきます。その状況に、社員は疲弊していました。
・上場はできませんでした。この会社には何もない、ということが、証券会社にはばれていました。
 
「社内はボロボロ」でも、B社長の講演会では、多くの涙する社長の姿がありました。
私は、思いました。「世の中に起きていることの表面だけを見ていてはダメだ。もっと勉強と経験を積む必要がある。そうでなければ、私自身が惑わされてしまう。私自身が、経営者を惑わす存在になってしまう。」
そして、誓いました。「本質を追求する。」
 
どちらも、もう十数年前の話です。その当時は、私には、どうする力もありませんでした。それ以上に、何が起きているのかさえも、解らずにいたのです。いまでも苦い思い出です。


それ以来、私は、すべてに「ロジック」を求めています。
事業や組織で起きるすべての現象を、論理的に説明できるようになる必要があります。
 
今、その域に達しつつあることを実感しています。
「粗利率が下がった」と聞けば、その原因の候補をあげられます。
「社員が1か月で辞めた」とあれば、こうではないかとお答えできます。
成長のこの先に、どんな問題が起きるかも解っています。そして、その対策も提言できます。
 
やっとここまで来られました。ここまで来るのに、20年がかかっています。
 
気づくと、同業の一部からは、私自身が、「すごいコンサルタント」と言われるようになっていました。「カリスマコンサルタント」と呼ばれることもあります。
 
実は、少しも「すごい」と思ったことはありません。そして、嬉しくもありません。特に「カリスマ」と呼ばれることには、嫌悪感を抱いてしまいます。
 
今の私は、20年間、疑問と探求を繰り返した結果なのです。
本を読み、すべての仕事に真剣に取り組んできました。文章の書き方も勉強しました。今も毎週のコラムを書くのは、大変苦労しています。
 
私は、天才ではない。先天性の能力はありません。
だから、継続するしかなかったのです。それも、『ロジックを積み上げる』という選択しかなかったのです。
 
その結果、私に有るのは、「ロジック」だけになりました。すなわち『科学性』です。
科学性とは、「誰が、いつでも、同じようにやれば、同じ結果になる。」ということです。そして、今、そのロジックをクライアントに提供しています。
そのロジックを、理論ということも、原則ということもできます。
 
 
最近、気づいたことがあります。
私のクライアントの複数名が、「カリスマ経営者的」な扱いをうけていることが解りました。SNS上で、彼らには、すごい数のフォロワーがついています。そして、記事には「すごい」、「さすが」のコメントが並んでいます。
 
彼らも、「モンスター」の扱いを受けています。まるで、「貴方だからできること」という扱いです。
 
売上げをグングン伸ばしています。その会社では、社員がバリバリ働いています。そして、事務所をきれいで大きなビルに移転します。
それは、十分な憧れの対象となります。
 
でも、彼らも、「すごい」と言われることを嫌います。すごいのではありません、ロジックを積み上げてきているのです。
 
彼らは、決してモンスターではないのです。彼らは、唯々ロジックなだけなのです。そして、継続をしてきただけです。
 
自社の経営の課題があれば、それを理論的に解説できる本を探します。
その理論に納得できれば、速やかに行動に移します。会いに行きます。金を払って依頼をします。
 
逆に、理論的に解説できない本には、見向きもしません。
感覚であり、再現性の無いものには、価値を見出さないのです。
 
彼らは、モンスターではないのです。
彼らは、『超現実思考の行動派』なのです。
 
自分には、能力はない。だから、理論で武装をします。
自分は無知だ。だから、行動します。だから、人の力を借ります。
だから、自身が「カリスマ」扱いをされることを嫌います。心の中で、「そんなこと言っていないで、自分も行動すればいいのに」と思っています。
 
すごい経営者に憧れることは、結構です。
しかし、彼らの上辺だけを見てはいけません。
 
理論であるから、経営に再現性が得られるのです。
世の中が変わっても変化に対応できるのです。別の事業や会社も起こせるのです。
基盤にロジックがあるから、アイディアが生まれるのです。
 
まずは、ロジックを獲得する必要があります。
ロジックを獲得できた後は、「アイディアと信念の問題」が残ることになります。
そこで初めて、自分の感性が問われることになります。
また、自分の理念に向かうことになります。
 
世の多くの『すごい社長』は、理論武装をしています。
その上に、感性であり、信念なのです。
 
残念ながら、世の講演会も著書も、後者に偏っています。
そっちの方が、盛り上がるからです。そっちのほうが、金になるからです。
その結果、多くの経営者が惑わされています。
 
理論が有っての、感性であり信念なのです。

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