No.348:切ろうかとも考えた社員が、今は活躍している。K社長は、何をやったのか?

№348:切ろうかとも考えた社員が、今は活躍している。K社長は、何をやったのか?

白を基調とし、緑と茶が混じるデザインのおしゃれな事務所です。
そこでは、若い男女のスタッフが20名ほど働いています。
 
当時は、グループ全体で年商6億円でした。5年が経った今、年商は20億円になっています。ノックがあり、懐かしいAさんが入ってきます。
 
私は、K社長に言いました。
「Aさんのような方に、お茶を持ってきていただいて申し訳ない。」
 
Aさんは、ニコリと笑い素早く出て行かれます。
K社長は、言われます。
「彼は、いまは、〇〇業務のリーダーです。」
 
当時のK社長は、A君のことを本気で「どうにかしよう」と考えていました。


組織の力の源泉は、分業にあります。
分業により、効率性と専門性、そして、スピードを得ることができます。
 
効率性:社内に散らばる一つの業務を、一つの部門に集めます。
その部門も他の部門も、段取り替えが無くなります。また、重複する書類や備品も減らすことが出来ます。その結果、人も減らすことが出来ます。
 
専門性:一つの部門が、ある分野ばかりを担います。その部門は、熟練度を高めていきます。そして、より発展させて行くことをします。その結果、「強み」と呼べるほどのものになります。
 
そして、スピードです。
スピード:その分野の習熟度の向上も研究も改善も、すべてが早くなります。
 
組織とは、「分業」なのです。そして、分業しているから、儲かるのです。
そして、早く変化するも展開もできるのです。
 
分業とは、言い換えると『追い込み』となります。
「この部門は、この商品を売ってください。」、「この課は、新商品の開発をしてください。」このように、一つの役割、一つの目標に追い込んでいきます。その一方で、その他の事を外していきます。
 
その役割や目標がシンプルであるほど、追い込みの力は強くなります。そして、他事から外せば外すほど、また、強くなります。「分業」の効果は高まることになるのです。
 
この分業を行うためには、条件があります。
それは、『量』です。ボリュームが必要になります。
電話の対応をする部門、製品を開発する部門、これらを「専門」にするためには、ボリュームが必要なのです。
 
そのボリュームを得るために必要になるのが、『事業モデル』となります。事業モデルが市場でウケていること、また、競合に勝っていること、その結果、顧客数や案件が増えるのです。
 
分業のためには、伸びる事業モデルが必要になるということです。
ボリュームが先か、分業が先か、それは、間違いなく事業モデルです。
事業モデルを早く見つける必要があります。そして、すぐに(同時に)分業の仕組みをつくる必要があります。事業モデルが良くても、内部崩壊をしていれば、元も子もありません。
 
この分業を支えるものこそが、「仕組み」となります。増える売上げ、増える顧客、増えるスタッフに合わせ、仕組みを作り変えていきます。そして、また、分業し、売上げを増やし、組織に仕組みの改善の指示を出します。
 
この分業が機能している状態のことを、「組織で稼げている」と表現することができます。大きく儲けることができるのです。すべてが早くなるのです。社長が出した方針が、どんどん実現していきます。
 
事業モデルでどんどん売上げを増やすこと。そして、分業によってより効率良く儲けるのです。そして、組織を機能させて、どんどんその事業モデルと仕組みを成長させるのです。これこそが、我々がつくるものとなります。


以前のコラムで、人を育てるためには、『絶対に経営計画書で回っている必要がある』とお伝えしました。
そして、実は、もう一つ必要なものがあります。
それが『分業』です。
 
当時のK社は、複数の事業で年商が6億円でした。
5年が経ち、今期は年商20億です。このコロナ禍の影響で一つの事業は、壊滅的な状況に有りながらの数字です。
 
状況を聞いているときに、A氏がお茶を持って入ってきました。
A氏が出ていくのを待って、私はK社長にお訊きました。
「彼は、どうでしょうか?」
 
当時、K社長は、A氏を「使えない」と評していました。
 
K社長は、答えます。
「今、彼は、〇〇業務のリーダーです。いまの当社には、無くてはならない人材となっています。」
 
そして、K社長は、当時を省みます。当時のK社には、A氏を活躍させるだけの下地が無かったのです。
事業が複数あり、一人の社員が複数の事業に関わっていました。そして、一つひとつの業務にボリュームが無いために、一人が抱える業務の範囲が広かったのです。その結果、社内では「何でも器用にこなす社員」が重宝されていました。
 
A氏は、どちらかというと、じっくり考え、一つひとつをしっかりこなすタイプでした。広すぎる業務が人材であるはずの彼の活躍を妨げていたのです。
 
「彼の力を十分使えていませんでした。私の所為だったのです。」
当時のK社長の経営は、完全に間違っていました。
複数の事業を持つことを、「できる社長」だと思っていました。そして、経営理念を大事にしていました。社内には、仕組みの発想がありません。そして、極めつけが、「教育」です。今よりも当時のほうが年間の教育費を使っていたぐらいです。
 
この5年で、会社を変えることが出来ました。
正確には、自分自身を変えることが出来たのです。
 
今は、各事業部の長が、其々の事業を伸ばすためにリーダーシップを発揮しています。坦々と経営計画で仕組みの改善が進んでいます。新卒採用した社員には訓練を提供することで、短期間で活躍してもらうことが出来ています。この5年間で事務所を2回移転しています。
 
この過程で、A氏の関わる事業は一つになりました。受け持つ業務は狭くなっていきます。その過程で、A氏が力を発揮するようになったのです。
 
 
分業により、その社員を追い込んであげてください。
追い込んであげることで、そればかりを繰り返すことができます。また、そればかりを考えることができます。そればかりに意識を向けることができます。
 
だから、その人は育つことができます。そして、活躍することができます。
分業をさせない、すなわち、雑多な業務を持たせることは、その人から育つ機会も活躍する機会も奪うことを意味するのです。
 
この環境をつくることこそが、社長の役目となります。
K社長は、言われました。
「彼らのお陰で私は暇になりました(笑)、私は、次の飛躍のための事業モデルを見つけなければなりません。」
 
多くの会社が、事業モデルが弱いために、売上げが伸びていません。
売上げが伸びないので、分業ができません。
分業ができないために、社員が育ちもせず、活躍も出来ずにいます。
 
はっきり言っておきましょう。
 
会社は、人次第です。
人とは、社長のことを指します。
会社を変えられるかどうかは、社長次第なのです。
そして、社員にとっては、社長こそがすべてなのです。
 
 
追伸:K社長へ「次は、100億を目指しましょう。貴方は、いまの規模で勝手に満足してよい器ではありません。」

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