No.358:ブランド戦略:事業を飛躍させるために、ネーミングやデザインをどう考えるのか?

№358:ブランド戦略:事業を飛躍させるために、ネーミングやデザインをどう考えるのか?

M社は、県でナンバーワンの不動産会社になるべく、動き始めていました。
その一環で、展開する店舗のデザインに着手しています。
 
デザイナーからの案を私に手渡し、M社長は訊きました。
「先生、どうでしょうか?」
 
拝見して、確認させていただきました。
「このデザインの狙いは、何ですか?」
 
M社長は、答えます。
「かっこいいかなぁ、と」
 
私は、それで理解することになりました。
「社長、デザインに必要な条件を確認しておきましょう。」


事業の目的は、『シェア』を取ることにあります。
他社よりも早く、他社よりも大きなシェアを取りにいきます。
 
狙うは、顧客数、取引件数、金額、そのシェアナンバーワンです。
それ以上に、その地域や業界、その属性の中で、「・・・と言えば〇〇」という認知度ナンバーワンを取りに行くのです。
 
それが実現できると、断然商売はやりやすくなります。
向こうからやってくる顧客数が増えます。信頼も高まるので成約率も高くなります。求人の応募も増えます。そして、利益率が高くなります。
 
一度それが取れると、今度は、そのシェアを徹底的に守ることをします。
その時には、すでに体力があり、広告に投じる資金もあります。競合のキャンペーンを潰すこともできます。
 
このシェアこそが、事業の目的なのです。(根本的に、シェアが取れない事業はやらないことです。)
 
そのシェア取り合戦に大きく寄与するものの一つが、『ブランド名』です。
展開するサービスの名称であったり、業界で浸透させたい会社名であったりです。良いブランド名は、展開に力を与えてくれます。
 
良いブランド名の条件は、下記になります。サービスや商品に名称を付ける時には、これらを満たすことを考えます。
 
インパクト:耳障り良く、スパッと入ること。そして、独自性が必要。
記憶性:一度聞くと、忘れ難いもの。
メージ:なんとなく、そのサービス内容に合っていること。
そして、
口当たり:口に出した時に、言い易いこと。
 
サービスの名づけの工程は、非常に重要なものになります。
その名称の出来により、この先の、市場に対する浸透効率には、雲泥の差が生まれることになります。
 
あるサービスは、耳にした人の多くが覚えています。あるサービスは、そのほとんどが覚えていません。それをこの先、何年も何年も続けていくことになるのです。条件を満たす名称は、どんどん認知されていきます。満たさない名称は、どんどん忘れ去られます。
 
サービスの名前、サイトの名前、会社名、ロゴマーク、キャッチコピーなど、どれをもって、市場の『認知度のシェア』を取りに行くのかを明確に決める必要があります。
 
そして、その決めたものを、一貫して市場に発信することになります。
ライザップ、リクナビ、サイボウズ、フェイスブック、五洋建設、アイチコーポレーション、イナバ物置。
 
これらは、その市場では、知られた存在となっています。
そして、今も、その地域や業界での認知度を高める取組みをしています。
集客用の広告を打った時には、同時に「認知度を高める」ことをしているのです。広告は「2度」大きな役目を果たしているのです。
 
『良い、すなわち、条件を満たしたブランド名』と『それを浸透させるための一貫した取組み』により、シェアという事業の強さを得ることができます。それこそが、最大の資産となります。
 
そして、それは採用の面でも大きな効果を発揮します。より優秀な人を、沢山集めることができるようになるのです。
 
ブランド名こそ、企業活動における最大の戦略と言えます。
それこそが社長の考えるべきこととなります。


冒頭のM社は、いままで他社のブランド名で事業をやってきました。
いわゆるフランチャイズ加盟です。
 
これは、いままでの弱者の時代には、非常に有効に働きました。
そのブランド名により、顧客からの信頼を得ることができます。また、集客の効率も自社名でやるよりも高いものがあったはずです。
 
そして今、M社は、この地域でそれなりのシェアを持つようになっています。
十分な資本もあります。そして、新たな事業モデルの成果も出始めています。
いよいよ次に移れる段階に来たのです。弱者から強者の戦略に変える時が来たのです。
 
フランチャイズのままでは、この先、大きな発展は見込めません。
広告は、そのフランチャイズ名の更なる浸透に使うことになります。それは、他社のために貴重な資源を投じることを意味します。また、その「フランチャイズ本部」というリスクも抱えたままなのです。
 
更なる飛躍のために、『自社ブランド』により展開する時期に来たのです。自社のオリジナルのブランドによって、市場シェアを取りに行く段階なのです。いままでの長い時間で、それだけの力を得るに至ったのです。
 
 
M社は、県内に複数の店舗を出す方針を持っています。
『店舗』により、その地域商圏を押さえに行きます。各地域でシェアナンバーワンを取りにいくのです。
 
そのために、まず必要となるのが、店舗のパッケージとなります。
視認性、記憶性、イメージ性に優れたデザインの店舗を、その地域の主要な道路に出せば、日々『認知度』を積み上げていくことができます。
 
M社長は、その中でも重要となるロゴと看板のデザインに取り掛かっていました。それを、広告代理店に依頼しました。
 
その出てきた案を矢田に見せます。
「先生、どうでしょうか?」
 
確認をします。「このデザインの狙いは、何でしょうか?」
私は、再度、満たすべき条件を説明することにしました。
M社長は、「解りました、作り直します。」と返事をします。
 
その数週間後に、再度出てきた案がメールで届きました。それは、逆に悪くなっているように感じます。
 
私は、M社長に確認をしました。
「趣旨がデザイナーに、正しく伝わっていますか?」
M社長、「はい、それは問題が無いはずです。」。
そして、再度出てきた案は、更にピントのズレたものになっていたのです。
 
次のコンサルティングの時に、私は、ヒアリングをしました。すると、次の2つの問題が解りました。
・デザイナーに対する依頼を、社員を通じて行っていた。
そして
・企画書をつくっていない。
 
M社長は言いました。
「通常、広告は担当社員を通じて行っていますから。」
通常の広告とは、折込広告やフリーペーパーへの掲載物を指します。それらは、「通常」のものであり、何かしらの型のあるものです。
 
しかし、いま作るべきものは、答えが全く見えないものです。そして、自社が大きく飛躍できるかどうかを決める最重要事項なのです。それを、担当の社員に任せていたのです。
 
そして、企画書がありません。経緯や趣旨、そして、そのデザインへの要望が解る企画書が無いのです。これでは、社長の意図が正しく伝わるはずがないのです。
 
ましてや、自社の社員も、広告代理店の担当もサラリーマンです。
彼らの範疇の中で、デザインを考えたところで、的外れなものが出てくるのは仕方がないことなのです。ましてや、視認性や記憶性などの条件を知るはずがありません。それだけの思い切ったデザインが出せるはずが無いのです。
 
今回の問題は、下記の2点です。
・社長が自ら担う仕事を、社員に任せてしまったこと。
そして
・企画書という組織で仕事を進める上での基本がないこと。
 
 
デザインは、非常に重要です。
解っている社長は、それを絶対に手放すことはありません。
ロゴやキャッチコピー、ホームページ、そして、折込広告まで。大企業になっても、それを手放すことがないのです。
 
デザインは、会社のブランドの定義に関わるものであるからです。そして、「シェア率獲得」の効率を決定づけるものです。会社の社運がかかっているのです。
 
また、それは、イメージであり、イマジネーションのものであるため、すぐに「よく解っていない社員や業者」に、歪められるものなのです。
 
儲かる事業のデザインは、どこまでも社長の役目ということです。

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