No.412:社員の目に輝きがある会社に、必ずある仕組みとは?

№412:社員の目に輝きがある会社に、必ずある仕組みとは?

この日は、M社長をつれて、K社を訪問しました。
仕組化のイメージを持てないということもあり、「先輩」であるK社に見学に行くことにしたのです。
 
M社長は、書類のページをめくりながら、質問をしました。
「これら全部を、社員さんがつくられたのですね?」
 
K社長は、目を細め答えます。
「はい、そうです。」
 
そして、M社長は、事務所を見渡し、次の質問をされました。
「静かな事務所ですね。皆さんが、真剣に働かれているのが解ります。うちの会社の社員とは、目の輝きが違います。」


自分の会社を、「良い会社にしたい」という社長は多い。
しかし、その「良い会社」とは、どのような会社なのかを明確に定義している社長は少ない。
そして、その「良い会社」をつくるために、何をすればよいのか解っている社長は、更に少ない。
 
その良い会社の定義とその作り方を提供しているのが、当社のコンサルティングです。
大きくなる事業、分業の仕組み、成長する組織、これが作るべきものとなります。
これらをバラバラにつくってはいけません。一緒につくり、一緒に機能させることで、数年で10億円を越えることができます。
 
その過程で、社員も大きく変わることになります。
いままでの社員には覇気がなく、職場にはダラダラした空気が蔓延していました。
それが、社員はキリっとし、職場はキビキビした雰囲気となるのです。
正に、会社に変革が起きるのです。
 
ここで重要となるのは、決して、それが「何か一つ」でもたらされるものでは無いということです。「気合の入った朝礼をやればよい」、「会議を変えればよい」、「経営計画書をつくればよい」、「人事評価を導入すればよい」、そんな「何か一つ」では無いのです。
 
そんな「何か一つ」を導入したぐらいで、何年、年十年かけて形成されたその覇気がなくダラダラした社風は、変わるものでは無いのです。その取組みは、必ず静かな抵抗にあい、つぶされることになります。
 
「何か一つ」をやれば良くなる、ということは、絶対にありません。
私は、経営や組織のことが解るほどに、それを確信するように至りました。
 
会社を大きく変革するためには、全部を一気に作って、一緒に動かしていくことが必要です。その期間は2年です。一年でそのすべてを作り上げ、もう一年でそれを完全に自社のものにします。


いささか、今回のコラムは、当社のコンサルティングの宣伝のようで申し訳ないと思います。
しかし、「全部を一気につくり、繋げて動かしていく」。これこそが、変革の最も優れた進め方であることに間違いは無いのです。そして、それだけの事例があるのです。
 
その1社が、冒頭のK社です。
K社長が当社に来られた時には、「ぼろぼろの会社」でした。
事業に特色は無く、仕組みも無い。社員に、危機感は当然無く、ダラダラした雰囲気を垂れ流す。退職率は高く、若手社員の入れ替わりが激しい。年商は5億円、当然、生産性が悪く、儲かってもいません。
 
それが、M社長と訪問したこの時には、年商25億円の会社になっていました。
その内容も、「ピカピカ」です。
事業は強く、仕組みで回っています。社員はキビキビ動いています。昨年、新築のビルに移転し、事務所もピカピカです。億単位の利益も出ています。
 
会社は、5年でここまで変われるのです。
(逆も然りです。良い会社が、数年でダメ会社になるケースも多くあります。その話は次の機会に。)
 
M社長は、その「静かな」フロアをもう一度見渡しました。そこには、20名ほどの社員が、働いています。そして、向かいに座るK社長の顔を凝視して、訊きました。
「K社長、どうすればこんな活気のある会社になるのでしょうか。うちの会社とは、社員の目付きが全然違います。」
 
K社長は、少し考えます。そして、「(笑)私には解りません。詳しくは、先生に聞いてください」と前置きを入れ、次の言葉を述べました。
「敢えて一つ言うなら、それは、社員を仕組みづくりに参加させることが出来たからではないでしょうか。」
 
「社員が仕組みづくりに参画しているかどうか」、これは、すべての「良い会社」に共通して言えることです。
社内に活気がある「良い会社」では、必ず社員が仕組みづくりに参画しています。社員は、自分達で仕組みを改善することで、会社と仕事を自分のものとして感じるようになります。
また、社員同士も活発にコミュニケーションを取ることになります。
そして、頭と体を使った分だけ、成長をしていきます。そして、自信を持つようになります。
その結果としての、社員の目の輝きなのです。
 
逆に、社内に活気がない会社では、必ず、社員が仕組みづくりに関わっていません。社員は毎日作業を繰り返しています。日々同じことをするだけなので、社員同士は、コミュニケーションを取る必要もなく、雑談ばかりになります。
考えることもありませんので、成長もしません。徐々に、自分の中の新鮮さも失い、自信も失っていくのです。当然、会社に対する思い入れも生まれません。
その結果、目の輝きを失うことになっているのです。
 
 
K社長は、「社員を仕組みづくりに参画させている」から、当社の社員はその状態にあると答えたのです。
その説明を聴いて、M社長も、合点がいったようです。
そして、答えました。
「私も、帰って仕組みづくりに、社員を巻き込みます!」
 
その言葉を聞いて、K社長と私の動きが止まりました。それで、M社長は自分の発言の間違いに気付きます。
「すみません、間違えました。社員を仕組みづくりに参画させるためには、全部を作らなければだめですよね」
(一同、笑。)
 
 
『仕組みで回る会社をつくる。』
この言葉の意味を正しく認識する必要があります。
正しくは、「仕組みづくりに、社員が参画する会社をつくる」
または、「仕組みづくりに、社員を参画させる仕組みをつくる」になります。
 
間違っても、「仕組みをつくり、その仕組みによって社員を動かす会社」を作ってはいけません。
 
当然、この「仕組みをつくり、その仕組みによって社員を動かす会社をつくる」よりも、「仕組みづくりに、社員を参画させる仕組みをつくる」ことのほうが、難易度は何倍も高いのです。前者は、「その瞬間の状態をつくること」であり、後者は「永続的な機能をつくること」を意味します。
 
「社員を仕組みづくりに参画させる」、これは言葉でいう程、たやすく出来ることではありません。それも、長年、「社員が作業ばかりやって、仕組みづくりをもっぱら社長や一部の幹部でやってきた会社」にとってはなおさらです。
 
それは、「何か一つ」をつくればできるということはありません。
 
コンサルティングを受けて一年、M社長にも、それが理解できるようになっていました。
M社長は、愛嬌ある笑顔で言われました。
「いままでの癖が抜けず、つい。」
(一同笑)
 
 
良い会社をつくりましょう。
社員が力を発揮するのも、社員が成長するのも、会社という環境次第なのです。
その環境をつくりましょう。
 
そのためには、一気につくること、繋げて動かすことです。
それは、2年でできます。
 
社員が仕組みづくりに参画している会社では、総じて社員の目に輝きがあります。目に自信が宿るのです。それは、自分に対する自信であり、会社に対する信頼なのです。
 
本当の仕組みで回る会社をつくりましょう。

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