No.437:会社という組織をまとめる最大のアレとは? 社長は、それを行使し社員を動かせ!

№437:会社という組織をまとめる最大のアレとは? 社長は、それを行使し社員を動かせ!

当社には、毎月数件の新規の相談の申込があります。
そして、その中の3割ほどの社長が、その相談の場に、誰かを同席させる選択をします。
 
その誰かとは、奥様であったり、専務であったり、実質のナンバー2であったりします。
時には、複数名の幹部を連れてこられる方もいます。
 
この面談の場では、お互いの観察の場になります。
それは当然です、経営という最重要事項のアドバイスを受けようか、という相手です。
その能力はもちろんのこと、その人格、そして、その覚悟も観られることになります。
 
そして、私の方も、その相手を観ることをします。
その時に観るのは、大きくは二つ点あります。一つは、「その社長の意思決定のやり方」です。そして、もう一つが、「その時の同席者が、社長のことをどのように見ているか」です。


意思決定
 
社長の役目を一言で表現すると、これになります。
 
社長の意思決定により、会社の未来のすべてが決定します。業績が良くなるのも悪くなるのも、社長の下す決定次第です。そして、社員の生活が豊かになるのも、貧しくなるのもこれ次第になります。
 
それ故に、社長の責任は重いのです。
社長はその意思決定の重要さと、自分の役目を理解し、日々を生きる必要があるのです。
 
社長は、特別な権利を持った者ではない。社長とは、特別な責任を持った者なのです。
 
それに対し、管理者の役目を一言で表すと、次のものになります。
 
実現
 
管理者は、その決定を実現することを役割とします。
実現するために、方策を考えたり、計画を立てたりします。そして、その進捗を管理し、実現までこぎつけます。
 
実行
 
そして、社員の役目はこの一言になります。
 
出された方針と計画に従い、それを、如何に早く、如何に正しく、実行するかが役目になります。社員には実行責任はありますが、成果責任はありません。成果の責任は、あくまでもそれを命じた社長と管理者にあります。
 
 
この決定―実現―実行という其々の役目を知っておくことで、組織づくりの指針を得ることができます。私が皆様にご説明する際には、この決定と実現を担う者を「設計層」と呼び、実行を担う者を「実行層」と表現をしています。
 
管理者への登用を検討する際には、「その者は実現の役割を担うことができるかどうか」を観ることになります。実現の策を考えられるのか、実現のために継続した行動ができるのか、そして、実際に実現してきたのか。
 
社員の評価の軸は、「実行」になります。決まったことをその通りやっているのか、その結果決まった成果をしっかり出しているのかを観て、評価することになります。
採用面接の際に観るのも、「実行」の素養の有無であるため、「組織人としての態度」と「基礎能力」を重視することになります。
 
組織とはこの三層であり、年商数億円企業が獲得すべきは、この三層がきちんと機能した状態なのです。そのために、この規模の社長は、この三層の役目(機能)をしっかり理解する必要があります。


上記の通り、会社にとって社長の意思決定が、会社の未来を決定付けます。
会社にとって、社長の意思決定こそが全て、と言っても過言ではありません。
 
当社との面談は、その意思決定の重要な場となります。
その場に、誰かを同席させるのです。
 
私は、その会社の課題や方針を理解することに努めることと共に、当然の事として、
「その者を同席させる社長の意図」、そして、「その同席者がどのように社長を見ているか」を観ることをしています。
 
 
重要な意思決定の場に誰かを同席させる「社長」には、二つのパターンがあります。
 
一つ目は、「すでに意思決定している社長」です。
この社長は、すでにコンサルティングを受けることを決めており、最終的に対面し、自分の「勘」が正しいことを確認する意図を持って来ています。
 
この時に、同席者に求めるのは、「後押し」です。「俺はやると決めている、この方も素晴らしい」だから「協力してくれ(邪魔するな)」という意図をもっています。
 
私は、この意思決定のやり方こそが、社長の正しい意思決定であると考えております。
そして、実際の変革の成功率も高いのです。
コンサルティングを受けてどんどん事業を作り変え、仕組化を進めていきます。そして、大躍進を現実のものとします。やはり、その「意思決定力」が成せるものでしょう。
 
二つ目は、「意思決定し切れていない社長」です。
「自分で決めるつもりがない社長」と表現した方が、そのニュアンスが伝わるかもしれません。
本を読んでも、面談をしても、自分で決めることが出来ないのです。
自分のその時の「勘」を、信じることが出来ないのです。
だから、誰かを同席をさせます。
 
その人に、意思決定の手伝いをさせるのです。正確に表現すると、その意思決定の片棒を担がせるのです。
 
翌日、その社長は、その同席者に意見を求めます。
「コンサルティングどうしようか?」
 
そこで返って来る答えは、決まっています。
「自分達で、もう少し頑張りましょう。」
 
話を聞けば、自分達で出来そうだという思いが湧くのでしょう。
また、その根底には、その同席者の保身の想いもあります。
しかし、そこに彼らの真意があるのではありません。
 
彼らは、「社長の覚悟」を感じ取っての反応をしているのです。
 
これを彼らは自覚をしていませんが、社長の表情、言葉のトーン、そして、相談するという行為から、「社長には覚悟がない」と判断したのです。
その結果、彼らは、「止めてくれた」のです。
 
反対をしたのではありません。反対とは、明確な意思と覚悟を持った者にする行為です。
この時の社長にそれは感じられません。だから、反対では無いのです。
あくまでも意見です。それ以上に「賛同」なのです。
 
覚悟がない意志決定など、うまく行くはずないことを彼らは解っています。
そして、社長という会社のすべての意思決定をする者が、会社の未来に大きく影響を与えることの導入について、自分に意見を求めてきたのです。
 
そこは、本来自分達が関わるところでは無いのです。関われないところなのです。
その結果、「これは、社長は止めて欲しいのだな」と思ったわけです(嗅ぎ分けたわけです)。
 
 
私も、この時には、コンサルティングを強く薦めることを致しません。
「できます」、「可能です」と断言するだけです。
決して、意思決定を後押しすることは無いのです。
 
やはり覚悟の無い状態でコンサルティングをしても、成果が出ないのです。また、背中を押されてやった(その時の高揚感で決めた結果)という意識が残ってもダメなのです。
いままでの会社を変えるとは、そんな簡単なものではないのです。
 
実際に改革に取り掛かった時に、社内から大きな抵抗が必ずあります。このコンサルティングの導入というレベルで意見を求めている時点で、「変革の過程で、社内を説き伏せ、実行すること」など出来ないのです。
 
この覚悟を持った意思決定は、ぜひご自身一人で乗り切ってほしいのです。
背中を押してほしい、という目を向けられても、私は、「ぜひやりましょう」とは言いません。一言でも「やりたい」と声に出してもらえれば、「ぜひ」と返すことができます。


そして、私は、「同席者」を観ます。
「その同席者がどのように社長を見ているか」を観るのです。
 
我々人間は、次のような人に対し「好意」を抱くように出来ています。
・自分で大きな意思決定をして、道を切り開いている人
・覚悟を持って、その道を生きている人
 
我々は、自分で意思決定をしている人が好きです。覚悟を持った人が好きです。
そして、そのような人を尊敬し、信頼します。
そのように人間はできています。
 
それは、そのような人が世の中には少ないからです。
多くの人は、自分の人生において、意思決定をしていません。その人生は、誰かの引いたレールであり、既成概念により出来上がったものです。
そして、そのような人こそが、社会や自分を良い方向に引っ張って行ってくれることを解っているのです。
 
多くの偉人や成功者は、必ずその時々に意思決定を行い、覚悟を持って生きていました。
そういう生き方に触れ胸が熱くなるのです。そういう人を尊敬するのです。
 
我々の会社の中にも、「この会社で頑張ろう」、「この仕事を極めよう」という覚悟を持った社員がいます。そういう社員には、自然に好意と信頼を寄せることになります。
逆に、覚悟がない、すなわち、転職を迷っている社員や真剣でない者に対しては、好意も信頼も生まれることは無いのです。それどころか、興味までが失われていきます。
 
それは、社員も同じです。
彼らも、意思決定をする、そして、覚悟を持って生きているリーダーに対しては、好意と信頼を自然に抱くようになるのです。
逆に、覚悟がないリーダーに対しては、好意も信頼も抱くことは無いのです。
 
多くの人は、自分の人生に対し、思い切った意思決定をすることがありません(できません)。
その代わりに、誰かに自分の人生を委ねることを考えます。
その時に、意思決定できる人、覚悟がある人に、それを委ねようと思うのです。
 
だから彼らは、リーダーを観るのです。
間違って、意思決定も出来ない、覚悟もないリーダーについていけば、良い人生にならないことを解っているのです。そのリーダーの指示に従う、ストレスの大きさを解っているのです。
 
 
私は、面談の時に、同席者を観ています。
彼らが、どう社長を見ているか、です。
 
その目、その言葉に、好意や尊敬、そして、信頼があるかどうかが表れます。
 
ある者は、「社長ステキ」と思っています。
ある者は、「社長また変なことを言っているなぁ」と見ています。
また、ある者は、「社長をコントロールしよう」と考えています。
 
それは、隠しきれないのです。
 
 
まとめ
 
意思決定、覚悟、
これをする、これを持つことは大変なことなのです。
だから、尊敬も信頼もされるのです。
 
意思決定、覚悟こそが、会社という組織をまとめる最大の力なのです。
社員を動かす力なのです。
 
その力を行使してください。

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