No.438:成長の早い会社の社長が、必ずやっていることとは?それは、定期的なあれ
この日は、システム業U社長との3か月に一度のコンサルティングです。
「先生、少し早いのですが、いいですか?」
いつも通り、約束の5分前に来られました。
そして、いつも通り、U社長から進捗をまとめた紙を渡されます。
「今日は、特にこれと言った内容はないのですが・・・。」
ここ3か月の動きと今の方針の説明があり、その一つひとつについての意見交換を行います。
2時間後、U社長は「飛躍のアイディアを頂きました。ありがとうございました。」と満面の笑みで帰って行かれました。
実は、こんなやり取りを3年ほど、続けています。
ここに、U社の躍進の秘密があります。また、ここに、U社長が成功者である所以があるのです。
仕組化の技の一つに『定例化』というものがあります。
定期的に会議を開く
定期的に人事評価面談を行う
定期的にパートナー企業と会食を行う
定期的に経営者の友人と呑む。
このように定例化します。
定例化することで、「定期的」が成り立つのです。
定期的にそれらを行うことで、その対象に強制力とテンポを与えることができます。
人間は弱いものです。すぐに「怠けようかな」と考えてしまいます。
それが、誰かと約束していることで、「いやいや、〇〇さんに悪い」と強制力を得ることができます。
また、1か月に1回、2週間に1回と、定期的にそれを行うというテンポになるのです。
これが、定例化されていなければ、「忙しい」、「疲れた」、「時間が合わない」などを理由に、すぐにやらなくなってしまうのです。
定例化するからこそ、続けることができるのです。
この理論を組織全体に施していきます。
会議、人事評価面談、パートナーとの会食など、すべてを組織に課していきます。
それにより、強制力とテンポを得ることができます。
定例化されていなければ、やったり、やらなかったりの状態になります。また、優秀な人はやり、ダメな人はやらないとなります。
定例化を設計し、定例化を強制していきます。
それにより、組織は真っ当に回るようになります。
だから、定例化とは仕組みなのです。
この定例化という技を、社長は覚える必要があります。
そして、人は会えば、必ず話をします。
「あの案件の進捗はどうなっているの?」
「何か、課題はありますか?」
「あ、そうそう、他の店舗でこういうことがあって・・・。」
「この〇〇の方針について、解らないことがあるのですが。」
「来月の予定を確認しておきましょう。」
進捗の確認や疑問点の解消、次の行動のすり合わせなど、がされることになります。
これは、会って話をするから「起きる」のです。
この「人間が会って話をすれば、その場で何かが起きる」ということを期待して、定例化しているのです。
会って話す、を、定例化するのです。
この効果は、絶大です。
そして、この効果を成功者は解っています。
また、自分がそれをしないと怠けてしまうことも知っています。
冒頭のU社長も、その一人です。
組織内に定例化を施すことで、進捗の確認や課題の発見、そして、改善を起こしています。
その定例化の中に、矢田との面談も含んでいます。
当社も、その「定例化」をサービスとして提供をしています。
最初の一年は1か月に一度、次の2年目は2か月に一度、のペースで行います。
ここに強制力とペースが生まれます。だから変革が起きるのです。
成功する皆さんは、よく解っているのです。
コンサルタントを買うのは、専門的なノウハウはもちろんのこと、この強制力とペースを含んでいることも。それなりの金額を払っていることで、より自分にその圧を掛けることになります。
だからその日のコンサルティングの終わりには、必ず次の日程を決めて帰られます。
「また、連絡します」はありません。それをすると、自分が先延ばしの選択をすることを解っているのです。
そして、間違っても、簡単に日程を変更することはありません。
日程変更を簡単にするようになれば、自分の中の強制力とペースを完全に壊すことになります。
U社長は、見事に最初の2年で、事業と会社をガラリと変えてしまいました。
そして、今は、3か月に一度、当社に面談に来られます。
そこでは、進捗の確認と方針についての意見交換を行います。
U社長は、この面談の前に、資料をまとめられます。
その作業により、方針に対しての進捗の確認と、自分の視点を大きくして次の方針について考えることができます。
この3か月に一度という矢田との面談を、上手に活かしているのです。
これはさながら、「四半期会議」です。
U社長は、コロナ禍でもこの定例化を壊すことはしませんでした。その騒ぎのバカらしさも、自分の役目も、十分理解しているのです。
その結果として、順調に業績を伸ばされています。
年商は、1.8億円、2.1億円、2.5億円という伸びです。
毎期115%となります。
その数字以上に会社としての、稼ぎの構造が大きく変わっていました。
過去からやってきた、一つの事業は、この3年間、1億5千万円とキープの状態です。
その事業は、「顧客合わせ」の部分が多く、クリエイティヴも高く、手間も多いのです。そのため、一部の社員しか対応できない状態になっていました。
そこで、U社長は、コンサルティングを利用して、もう一つの事業を立ち上げました。
その事業の売上げは、3千万円、6千万円、1億円と推移しています。
その伸びは、平均160%です。
こちらの事業は、パッケージ化されており、その手間も少なく、並みの社員で回すことが可能です。そして、毎年、保守料が積み上がっていきます。
U社長の狙い通り、この事業が伸びてきているのです。当然、組織も大きく変化することになったのです。次の1年で、既存の事業を追い抜くはずです。
コンサルティングが終わり、U社長が席を立ち、言われました。
「先生、ありがとうございました。次に進むアイディアを得ることができました。これで、更に飛躍できそうです。」
特に話さなければならないことは無いけど、人に会う。
会えば、何かが生まれる。
必ず何かが生まれる。それは、アイディアであったり、モチベーションであったり。
それも、その相手のレベルが高ければ、猶更です。
成長の早い会社の社長は、必ず定例化をしています。
社員に対してはもちろんのこと、それを自分に課していきます。
成長の遅い会社の社長は、定例化が十分ではありません。
社員に対してしていません。または、すぐ変更して社員と自分のペースを破壊します。
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