No.444:どんどん会社を変革する社長が持っていて、ぜんぜん会社を変えられない社長が持っていない、その差を分ける習慣とは?

№444:どんどん会社を変革する社長が持っていて、ぜんぜん会社を変えられない社長が持っていない、その差を分ける習慣とは?

この日は、建設業F社の第8回目のコンサルティングです。
ここまでの進みは遅く、予定の半分も進んでいません。
 
モニターの向こうで、F社長が言います。
「すみません、忙しくて手を付けられていません。」
 
私は、いままで同様にコンサルティングの最後に宿題を確認しました。
「〇〇の作成をお願いしますね。」
F社長は、「はい、絶対やります。」と答えます。
 
今まではこれで終わっていました。今回はもう一つ確認をさせて頂くことにしました。
「この件、誰に依頼しますか? その方の名前を教えてください。」
 
F社長は、考え込んでしまいました。
ここにコンサルティングの進みが遅い理由、すなわち、変革が遅々として進まない理由があるのです。


人を使う上で、社長が押さえておくポイントはいくつかありますが、敢えて一つ挙げるとすれば、次のものになります。
 
依頼事項をしっかり伝えること
 
その社員に、何をしてほしいのか、何を実現してほしいのか、何を正してほしいのか、それをしっかり伝える必要があります。
しっかり伝えることで初めて、相手はその依頼を実行してくれることになります。その結果、人を動かし成果を出すことができるようになるのです。
 
しかし、ここで注意が必要です。
この「しっかり伝える」ということには、大きく二つの意味があると言うことです。
 
その一つとは、「コミュニケーション」という意味です。
相手が理解することと、相手が納得するためのコミュニケーションを取る必要があります。そのプロセスややり方を考えます。
 
しっかり伝えると言われると、こっちの「コミュニケーション」、すなわち「伝え方」を思い浮かべる人が多いと思います。私も昔はこちらに目が行っていました。
「社長、管理者との面談の時間をつくってください。」、「社長は、情報発信の機会を増やしてください。」という提言をしてきました。
 
しかし、今思えば、この提言の半分は合っているものの、半分は間違っていたと反省をしております。
 
確かに、世の社長の半分は、コミュニケーションの時間やその機会が少なすぎる傾向にあります。しかし、もう半分の社長は、そうではないのです。
 
その半分の社長は、「伝えるもの」に問題を抱えていたのです。
そもそも「伝えるものが無い」状態にあったのです。
何を社員にやってほしいのか?何を実現してほしいのか?それが、その半分の社長には無かったのです。
 
そんな訳はない、社員にはやってほしいことが沢山ある、という声が聞こえてきそうです。
確かにそうでしょう。しかし、相手に依頼できる段階までに、具体的になっていない状態にあったのです。
 
その例として、次のようなものがあります。
「管理者を担ってほしい」
「仕組みづくりを進めて欲しい」
ここに具体性はありません。これを聞いて、相手はそれが何を指すのか、自分がどのように動けばよいのか解らないのです。
「管理者って何をするのだろうか?」、「仕組みづくりって、どう進めればいいのだろうか?」、依頼されたその管理者も社員も、それを全く解っていないのです。
 
他には、「売上を昨年対比10%増やす」、「強いビジネスを作る」、「お客様に圧倒的に支持される会社になる」。
これらは全部ダメな例です。ここには、具体性が無いのです。
 
この状態のものを、しっかり伝えることは出来ません。無いものは、伝えようが無いのです。
コミュニケーションの機会や時間を増やせても、無いものを相手が理解することも納得することもできないのです。ましてや、行動に移せることも無いのです。
 
これが、実状です。コミュニケーションのスキルでも時間でもないのです。
そもそもが無いのです。


私は、F社長もその状態にあるのではないか、と考えました。
具体性が無いから、進まないのではないか、と。
 
そこで、F社長に確認することにしました。
「〇〇の業務フローを作ってくださいね。」
 
F社長は、大きく頭を振り「解りました。はい、進めます。」と元気に答えました。
私は、もう一つ質問をします。
 
「これを、誰に依頼しますか?その方の名前を教えてください。」
 
「・・・・」
 
答えがありません。
私は、訊きました。「対象者がいませんか?」
「・・・」
 
(数秒が経ちます)
「A君でしょうか。彼はこの業務の経験も長く、考えられる社員だと思います。」
 
私が具体的に訊いたことで、初めて「誰に依頼するか」を考えることになったのです。
 
F社のコンサルティングの進まない理由が解りました。
その理由を一言で言えば、「手を付けていない」となります。
では、なぜ手を付けられないのか、それは「具体的な一つ目の行動が決まっていないから」となります。
 
この時のF社長には、それがありませんでした。
それで進まなかったのです。社内の会議で「〇〇業務の改善をしましょう」という表明をするだけで、その後の「具体的な一つ目の行動」が明確になっていなかったのです。
 
F社長は、気づきました。
「全然、明確ではありませんでした。」
 
そして、「失礼します。」と言って、その場でメールを打ちだします。
A君に、「今日の午後、打ち合わせしよう」と送ったのでした。
さすがF社長、最初の行動の重要性を理解し、その行動を抑えに行ったのです。最初の行動、すなわち、A君への依頼さえできれば、事は進むはずです。
 
 
コンサルティングが進まない社長、
変革が進まない社長の特徴がここにあります。
 
「具体的な一つ目の行動」を明確にするのが苦手なのです。
そのために、社員に行動レベルの依頼が出来ていないのです。
その結果、実際には、数ミリも動き出していなかったのです。
 
それに対し、コンサルティングを進める社長、
すなわち、どんどん変革していく社長の特徴は次のものになります。
 
「具体的な一つ目の行動」を明確にします。その重要性を理解しています。
そのため、社員に「明日からの自分の行動がイメージできるぐらいの依頼」が出来ています。その結果、すぐに事を前に動かすことができるのです。
 
具体的な一つ目の行動を明確にすること。
 
これが、人を動かすための鉄則です。
そして、社長自身を動かすための原則にもなるのです。
 
「では、〇〇君に素案の作成を依頼しよう」
「まずは、〇〇部とのミーティングを開こう」
 
この一歩目の行動を明確にする習慣こそが、会社をどんどん変える社長になるのか、それとも、何も変えられない社長になるのか、の分れ目になるのです。
 
今、一歩目の行動が見えていますか?
一歩目の行動をしっかり抑えられていますか?
 
その積み重ねこそが、大きな成功につながるのです。
大きな成功のためには、まずは、小さな成功が必要なのです。

矢田祐二
矢田 祐二

経営実務コンサルタント
株式会社ワイズサービス・コンサルティング 代表取締役
 
理工系大学卒業後、大手ゼネコンに入社。施工管理として、工程や品質の管理、組織の運営などを専門とする。当時、組織の生産性、プロジェクト管理について研究を開始。 その後、2002年にコンサルタントとして独立し、20年間以上一貫して中小企業の経営や事業構築の支援に携わる。
 
数億事業を10億、20億事業に成長させた実績を多く持ち、 数億事業で成長が停滞した企業の経営者からは、進言の内容が明確である、行うことが論理的で無駄がないと高い評価を得ている。
 
 

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