No.501:月100万円の広告費が掛けられる会社になろう

№501:月100万円の広告費が掛けられる会社になろう

S社は、この半年の取組みで「システム開発会社」から、「システムメーカー」に生まれ変わりました。いよいよガンガン売っていく段階に移ります。
 
私は電卓をはじき、その数字を読み上げます。
「80万円ですね。」
 
S社長は驚きます。
「80万円ですか。月にそんなに広告費をかけるのですか。」
いままで紹介で案件を取ってきたS社にとっては驚愕の金額です。
 
私は、頷き答えました。
「年間にすると約1000万円、ワクワクしますね。」


年商数億円から年商10億円に進むときに、
「相手合わせ」から「商品合わせ」に
変える必要があります。
 
年商数億円までは、相手に合わせてその提供するサービスや商品を変えてきました。
相手の要望を聞き、それに対し提案をしてきました。
 
大抵の創業者は、自分の「営業力」か「技術力」のどちらかを基にその事業をスタートします。
その当時は出会える見込客は少ないものです。
その数少ない相手を『顧客』にするために、要望や課題を聞き取り、提案し仕事にしていきます。未経験のことも「はい、できます。」と返し、なんとか納めます。
 
創業当時は「相手合わせ」でよかったのです。それによって、生き延びることができたのです。
しかし、増える売上に合わせ社員を増やしていくと、その弊害が出てきます。
「並みの社員では売れない、つくれない」のです。色々な顧客、色々なメニューがあるために高い「クリエイティヴ」が必要な状態になり、並みの社員ではそれをこなせないのです。
 
その結果、社長が案件漬けの毎日に陥ります。また、一部の優秀な社員に業務が集中します。
その状況を解消するために、新たに社員を採用しても戦力化に時間がかかります。そして、育った頃に辞めていきます。
気づくと社員一人当たりの一年の儲けは800万円と低い状態になっているのです。
会社は停滞することになります。
 
このタイミングで大きく変える必要があります。
「お困りごとを聞かせてください」ではなく、
「こういうお困りごとを持っている方は、当社のこれを買ってください。」に変えるのです。
 
「相手合わせ」でなく、「商品合わせ」に変えるのです。


そして、広告を使って、見込客を集めます。
見込客とは、次の二つを満たしている人のことを指します。
「この商品・サービスで解決できる問題を持っている人」
「その問題を解決するためなら、それなりのお金を払う準備がある」
そんな人を広告でどんどん集めるのです。
 
この二つを満たしている相手であれば、社員でも売れる可能性が高まります。
今までのような、「それを問題だと気づいていない(思っていない)人」を相手にしているわけではありません。
 
また、新たに商品を創り出す必要がありません。それを説明する資料も整備されています。
今までのような「高度な能力も沢山の経験」も「自頭やコミュニケーション」も必要ありません。
 
そして、沢山の見込客があるから、社員に振ることができます。そして、経験を積む分彼らも成長することができます。
今までは、数が限られていました。それを成約率が低い社員に振ることは、もったいなくてできなかったのです。その結果、彼らはいつまでも成長できないでいました。
 
広告でこの自社の商品を買う見込みのある人を集めるのです。
そして、設計通りにサービスを提供し、そして、狙った通りの満足を与えるのです。
その一連を社長抜きで回す、その過程で社員が活躍できるようにするのです。
 
年商数億企業とは、広告費を掛けない会社ではないのです。
広告費を掛けたくても、掛けられない会社なのです。
 
それに対し、年商10億企業とは、広告費を掛けられる会社なのです。
その市場に見込客がおり、顧客に必要とされる商品を持っており、社員でこなせる仕組みがあるから、広告費を掛けられるのです。
 
 
S社長は、この半年、それを目指しすべてを作り変えてきました。
日々自身が案件に飛び回りつつも、時間をつくりそれに向かいました。
その結果、売り物ができました。
その時期に紹介があった3社で、「実際に売れること」を確認しました。また、分業の仕組みもつくりました。
いよいよ次の段階である「集客」に移る時です。
 
私は、電卓をはじきます。
S社の商品の粗利高と月の目標獲得件数から、月の広告費を算出します。
「80万円ですね。」
 
S社長は、その額に驚愕しました。
今までS社は、紹介で繋いできたのです。S社の決算書の広告費をみると、ホームページの維持にかかる数万円だけです。
 
S社長は言いました。
「今まで通り、紹介でやってはいけないでしょうか?」
 
紹介では、スピードある成長が出来ません。その成長スピードをこちらでコントロールできません。
また、その顧客の要望は曖昧でズレていることが多くあります。そのため、社員では対応できなくなります。その結果、社長が相手をすることになります。
そして、更に厄介なことが起きます。創業者の性分として、「相手合わせ」をして取ってしまうのです。
こうして、もとに戻っていくのです。
 
この時には、S社長もそれを十分に理解していました。
そうならないための、それを実現するための広告費なのです。
そのための月80万円であり、年間1千万円の『投資』なのです。
 
S社長は、深く座り直し、背筋を伸ばします。
そして、目を大きく開き、口角を上げ言われました。
「先生、ワクワクしますね。」
 
私も頷き「はい、ワクワクしますね。」と答えました。
 
広告費を思い切り掛けられる会社になりましょう。
「顧客が喜ぶ商品をつくる」、「広告を開発する」
「社員で売れる状態にする」、「営業と製作の分業の仕組みをつくる」
これらを最短でつくるのです。
 
そして、広告をガンガンかけて、成長のスピードを上げましょう。

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