No.20:これだけは社内に徹底しておきたい「顧客からのクレームは、絶対に報告すること」
社員の人数が増え、いよいよ組織化に取り掛かるときに、
これだけは社内に徹底しておきたい方針があります。
それは、「顧客からのクレームは、絶対に報告すること」です。
人数が増えてきて、組織を文鎮型組織(社長と社員)から一つ階層を増やした組織(社長-管理者-社員)に変えていくと発生する問題があります。
それは、社長に現場の情報が入らなくなることです。
特に、現場で起きた問題や、顧客からのクレームです。
社員は基本的に、自分にとって都合の悪いことを隠すものです。
(私も勤めていたときはそうでした(笑))
不良や発注ミスなどの自分が起こした間違いや顧客から言われたクレームなどは、上司や社長に進んで言うことはありません。
そういう特性があると考えて、マネジメントする必要があります。
この問題をそのままにしておいても、少しの期間(数年)は、順調に推移していると感じてしまいます。問題は社長まで上がってきませんから。
この間に、いくつかの顧客は不満をもって知らないうちに当社を立ち去り、サービスの改善も進まないままに、売上が徐々に下がってくることになります。
また、顧客の上位層の多くが3年ほどで入れ替わっていることもあります。
このような状態にならないように、社内には、下記を徹底することになります。
「顧客からの要望やクレームはすべて社長に速やかに報告すること。
ミスやクレームを起こしたことは責めることはしない。どんな小さなことでも。その報告をしないことは強く責める。」
社員はなぜミスやクレームを隠すかというと、それは責められるからです。
だから、「責めない」ということを明確に約束し、その約束を守ることが必要になります。(気分的には、責めたいですが・・)
そして、報告を怠った場合には強く責めるのです。
この方針を徹底することが重要です。
先日、ある建設業の社長と面談をした際にこの話をさせていただいたところ、下記のような感想を漏らされていました。
『重機やトラックをぶつけても言ってこない。
そんなことは工事をしていれば起きてしまうこと、誰も怒りはしないのに。これが答えなんですね。』
簡単な方針ですが、効果は十分にあります。
紙で配布し、年に一度は社内で説明をするべきです。
組織化に取り掛かる際には、私はこの方針の徹底を顧客社長には必ずお願いをしています。
残念ですが、その中でも実行されない方もいます「大丈夫です。問題ありません」と。
でもその後必ず問題となっています。
この方針の徹底により顧客のクレームがすぐに社長に上がるようになり、顧客へのお詫びとサービスの改善に早急に取り組めば、顧客の流出を止め、さらに信頼を勝ち得ることになります。
これと、社長は顧客を定期訪問し、自分の目と耳で顧客から自社への不満や改善点を訊くことです。
この二つの取組により、既存顧客対策を行い、次の事業やサービスの改善に活かすのです。
社員数が増え、組織の階層が増えると、社長にとって「自社」が見えにくくなります。
そのための手を打っておかないと痛い目にあいます。
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