No.27:壁越えのための社長の条件:そして、手を付けて終わらすこと

壁越えのための社長の条件
『本当に重要なことを選ぶ、日々ひとつひとつ手を付け終わらす』

前回、本当に重要なことを選ぶことが大切です、という話を書きました。

そして、

後半部分 『手を付けて終わらすこと』 です。

そのために必要なことは、重要な仕事を行う時間帯を選ぶことにあります。

『朝の集中力のあるうちに、
 勇気やクリエイティブさが必要な仕事を行う』
という習慣が必要です。

人間の集中力は、本当の意味で質の高いものを生み出せるのは、
一日で4時間ほどと言われています。

そして、一日のなかで、その力がもっとも高まるのが午前中です。

この時間帯に「重い」仕事を行います。

  ・創造力がいる事業計画の検討
  ・勇気がいる決断を下す        など

この集中力は、一日に使える量が決まっています。
この貴重な資源を、何に割り振るかをしっかり選んで使用する必要があります。

仕事の種類によって、この集中力を削る大きさが違います。
顧客の案件をこなすこと や、人と会っても、減っていきます。
特に緊張感の高い仕事や、高い集中力を発揮するとその対象がなんであれ、
一瞬でその日の資源を使い切ります。

社長は、この資源の使い道を、
本当に重要なものを選んで割り振ることが重要になります。

特に職人社長は、案件を抱えているだけに、
朝、机に座った瞬間から、「案件」の準備をすることが多くあります。
その日の限られた資源を案件で使ってしまうのです。
ですから、本当に重要な経営についての取組が進まないことになります。

また、こんなデータもあります。
夕方の疲れた頭は、「現状維持」を選択する傾向が極端に強くなります。
新しい取組や考えることが億劫になり、「いままどおりでいいや」「やめておこう」となります。

これが夕方の脳の選ぶ判断です。
朝の脳では「よしやろう」と判断することでも違う判断を下すのです。

毎日、職人仕事を言い訳に、本当に重要な仕事を後回しにしているのです。
このように一日の限られた資源を、案件などに使い果たす毎日を過ごしている限り、
未来を変えることはできません。

集中力があり、勇気が必要な仕事を午前中に行うことです。

職人社長を卒業して、会社を次のステージにあげるには、
少し少しでも手をつけるしかありません。
この習慣を変える必要があります。
自分が集中するべきものを選び、それを資源のあふれた時間帯に手を付け、
そして、ひとつひとつ終わらすこと。

そして、その本当に必要な重要な仕事を終わらすまで、何日でも取り組むことです。

この習慣を身に付けること。
成功曲線は、比例式でない、曲線を描くものです。最初が苦しいのです。
これを繰り返すと、徐々に自由に使える時間が生まれてきます。

より経営的なことに時間を使えるようになります。

今の生活を続けることを選ぶか、より幸せな生活を選ぶかは、
今日の選択からしか始まらないのです。

成幸する社長、どんどん成果を出す社長は、この習慣を持っています。
組織のステージを上げるのは、社長が変わることしか始まりません。


※メモ:こうすると重要時間に取り組む習慣が付きます。

手帳の月間ページの日付のところに、経営的に重要な仕事が出来た日に、×のマークを付けてください。
×を付けることで、自分の働き方の実態が解るとともに、また重要な取り組みをしよう、という意欲が湧くようになります。
週1日、週2日と増えるたびに、会社は好転し始めます。
社長自身の精神もイライラが減り、安定をしてきます。
3年後には、×がチェーンのように続き、高速走行になっています。

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