No.42:新規事業を検討するための3つのパターン、3つの前提

今回は新規事業の考え方です。
どんな事業を行うか。


私、新規事業の相談を顧客からよく受けます、
その多くを私は、
つぶしてきました(笑)


確かに、新規事業への取り組みは企業としては継続的に行わなければいけないものであり、会社を大きく変革し飛躍させる機会になることは間違いがありません。
 
しかし、その新規事業は失敗することも多くあります。
その失敗は計画段階で防げるものが多くあります。
それだけに、しっかり調査と計画作成をお願いしています。


新規事業の選定をする際には、以下の3パターンで検討をすすめます。
 
●新規事業の事業選定
新規事業を考える際には、下記の順に展開の検討を進めます。
パターンA:現在の顧客に、新規のサービスを投入する
『現在の顧客に、ニーズがあり、新たに提供できるサービスはあるか?』
 
パターンB:新規の顧客に、現在行っているサービスを展開する
『自社のサービスを展開できるようなニーズのある顧客が他(業界など)にあるか?』 

パターンC:新規の顧客に、新規のサービスを展開する
『何か、社長、やってみたいことありますか?』

各パターンの例を見ていきましょう。
病院向けのシステムを販売している会社がありました。
その会社が、現在の顧客である病院向けの新たなサービスとして、社員教育の提供も始めました。

これはパターンAにあたります。
現在の顧客や販路を使えること、そして、この業界特有の慣習や顧客のニーズも把握できるので、新規事業でもっとも確実性が高い(難易度が低い)形です。


病院向けのシステムを、学校にも展開する。
これはパターンBにあたります。
これには、現在のサービスや生産能力をそのまま使えるのですが、新たな新規顧客開拓が必要になるために確実性は低く(難易度は高く)なります。また、その業界の知識や経験値が低いことも課題になります。


そしてパターンC
飲食店を始める。
これは、まったく現在の顧客もサービスも使わないパターンです。
一から新規顧客の開拓と、サービスを構築する必要があります。
もっとも確実性が低く、難易度は高くなります。


新規事業の難易度とは、新規顧客の開拓の難易度とも言い換えられます。
この順番で難易度は高くなります。
逆の言い方をすれば、この新規顧客の開拓さえうまくいけば、新規事業は成功するとも言えます。

新規事業を検討する際には、
このそれぞれのパターンを順に検討します。


●製造業の例 
現在、量産のプラ製品加工を行っている。
パターンA:現在の顧客から、さらにそのプラ製品に関する組み付けの仕事も受けよう。 または、金型をつくれるようになって、金型制作から加工まで受けられるようにしよう。 
パターンB:このプラ加工を現在の自動車以外の他の業界(建設資材、パチンコ)からも受けよう。
パターンC:製造業ではこの環境下では無理だ。
土地もあるから、老人施設の経営に乗り出そう。

 
となります。


このパターンで検討しさらに以下3つを
新規事業に乗り出す前の条件として確認をします。


(1)戦力の分散にならないか
中小企業は、資源が少ないだけに多くのことをやってはいけません。
本当に成果が見込める目標に資源を集中すること。

10名で一つの事業をする ⇒資源が集中し成長スピードとパワーを得る。
10名で三つの事業をする ⇒資源が分散し成長スピードもパワーもダウン。
現在の戦力を割いてでもその新規事業を進める必要があるか。

(2)現在の事業は仕組みで回っているか
現在の事業が、仕組みで回っており、社長が現場から離れられている状態であればよい。 現在の事業の中心が社長であるうちに新規事業を立ち上げるとより混乱することになります。 
戦力の分散同様に、社長の意識や力が分散をすることなり、すべてが中途半端になります。 

(3)社長が先頭に立てるのか
これは、以前メルマガに書いた内容。

新規事業は社長が先頭に立たないと立ち上がらないものです。
そのためにも、現在の事業の仕組みが構築されており、社長がある程度自由に動けることが必要になります。

 
仕組みで回っていない、社長の手を離れていない、
その市場で大きなシェア(占有率)を確保していない、
そんな事業をいくつも持っても苦しくなるだけでけです。

この検討を乗り越えて初めて新規事業の計画に入ることができます。

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