No.48:「優秀」な社員で仕組みをつくり、「並」の社員で仕組みを試す
仕組化に取り掛かると
すぐに恩恵にあやかることが起きます。
打ち合わせの席に着き、社長からの一言。
「矢田さん、当社の佐藤(仮)が今月末で退社することになりました」
私、びっくりしました、
その事業の中心で動いていた社員です。
私のコンサルティングは、社長とその彼が中心となってすすめていました。
「それは大変ですね」と矢田。
「そうなんですよ」と社長。
引継ぎの時間もほとんどなく、
後任には、若い社員が付くことになりました。
その後任者は他の部門から引っ張られてきました。
そして、1か月後心配しながら訪問をしました。
「矢田さん、こんにちは!」元気な社長の声。
「全然大丈夫でした!ありがとうございます!」
話をきいてみると、顧客に迷惑をかけることもなく、社内も混乱することもなく、業務は進んでいるとのことでした。
社長は過去の経験からもっといろいろ問題が起きると考えていました。
その要因を確認すると下記のようなものでした。
・業務の見える化をしているので、顧客とのやり取りも解り、後任にスムーズに案件の引継ぎが出来た。
・顧客は、人でなく、そのサービスを買っていたので、担当替えについても簡単に納得してくれた。
・フローやマニュアルがしっかりしているので後任者もすぐに業務を理解できた。
・また、すぐに最低限の業務を回すことができた・・・売上も落ちることもなく。
社長、
「もっと大変なことになると思っていたのだけど・・・
本当に仕組み化にとりかかっていてよかったです」と。
それ以外に私が良かった、と考えていることがあります、
それは、優秀な人材の持っているノウハウを残せたこと。
社員は必ず辞めます、
その社員が辞めても、組織として業務を永続的に続けなければいけません。
会社として痛いのが、その人材がやめることになってそのノウハウまでがすっぽり失われることです。
そのため、人を雇うことにより、仕組みをつくっていくという視点と取り組みが重要となります。
その人材のレベルが「並」か「優秀」かに関わらず仕組みをつくるわけですが、その目的は大きく変わってきます。
「並」の人材を採用して、
「並」の人材でも業務をまわせる様に、仕組み化を進めます。
「並」の人材で業務を回してみて、問題を確認します(問題が起きてもらったほうがいい)
採用しやすい「並や低い」人材でも、回せる仕組みをつくります。
「優秀」な人材がいれば、その彼を使って業務をさらに進化させることができます。
「優秀」な人材に業務を改善させます。
「優秀」な人材がやっているノウハウをマニュアルに落とします。
「優秀」な人材は、より一段高い視点で業務の質全体をあげることができます。
「優秀」な社員で仕組みをつくり、「並」の社員で仕組みを試す
この考え方が必要です。
今回の会社は、「優秀」な佐藤さんが退職しても、その彼が持つ高いノウハウが残せ、その後のサービスもそのまま高い状態を残すことができました。
今後もサービスを高め仕組み化をすすめるという視点では、やはり痛い退職でしたが、退職による大きな混乱もないことを考えると狙い通りの仕組みの成果といえます。
今回の件は、その社長にとって大きな安心と安定、そして、一部の社員に頼らない経営に確信を持つ良い機会となりました。
「矢田さんのおっしゃる右腕社員はいらない」の意味がわかりましたとの感想も頂きました。
矢田 祐二

理工系大学卒業後、大手ゼネコンに入社。施工管理として、工程や品質の管理、組織の運営などを専門とする。当時、組織の生産性、プロジェクト管理について研究を開始。 その後、2002年にコンサルタントとして独立し、20年間以上一貫して中小企業の経営や事業構築の支援に携わる。
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