No.62:社長、さっさとパクって(真似る)、始めてください。

さっさとパクって(真似る)、始めてください
と矢田は、社長に言います。

東京オリンピックのロゴの件でいろいろありますが、経営においては、パクって下さい。

矢田のコンサルティングは、少し特徴があると言われます。
このパクリの手法を多分に使用します。

社長に、その事柄(仕組み)についての考え方をA4一枚ほどにまとめた資料で説明をします。そして、他社で実際に使用されているものをサンプルとしてそのままお渡しします。
そして、次回までに作っておいてくださいとお伝えします。

これだけです、
手取足取りお教えすることはありません、
ましてや私が代わりに手を動かすこともありません。


先日も、ある工業系の会社(社員数40名ほど)で社長に経営計画書を作成していただきました。
A4一枚にまとめられた資料で、経営計画書の必要性を説明をし、その会社が参考になりそうな他社の経営計画書をサンプルでおいてきました。(当然、会社名や特殊事情は黒塗りです)
その2週間後に訪問すると、経営計画書が出来ています。
そして、どこか引っかかるところはないか確認すると、経営理念と数字計画(事業ごとの計画の立て方)が解らないと言われるので、また、経営理念と数字についての資料で説明しサンプルをお渡ししました。

これで経営計画書は完成です。

このやり方は、経営計画書だけに限らず、マニュアル、評価制度や新入社員用の教育テキスト、会社の年間スケジュールなど、すべてに使用しています。

社長という人種には、このやり方が一番いいのです。
他社のサンプルを見れば、その資料(仕組み)が自社の組織にどう活用されるか、 そして、その影響の度合いも一瞬で理解してしまいます。
そして、その時に自社に作り変えた完成形までイメージができます。
この時間わずか5分です。
うだうだ説明はいりません。


そして、優秀な社長は、その多くを躊躇なく、パクリます。
一応は、矢田に「これ使っていいですか?」と断りを入れてくれます。 

矢田も、「どうそ、自社に置き換えて直すところが思いつかないのであればそのまま使ってください」と伝えます。
 
本当に重要なことは、書類をつくることではなくそのあとの運用です。
運用ができなければ、どんな良いことでも、意味がありません。
健康に関する習慣と同じです。
どんなに健康に良いという知識でも、実際に自分の生活に取り入れなければ、体は何も変わりません。

仕組みも同じ、
どんないい仕組みでも運用し実行していかなければ、会社は変わっていきません。
言ってしまえば、時間をかけて完成度が高い書類をつくるよりも、完成度の低いものでも、さっさと取り入れて運用を開始することです。


健康になりたければ、いろいろ勉強することに時間をかけるよりも、いま良いと考えていることをさっさとやるべきです。朝散歩する、食事は良く噛んでたべる、という具合に。
実行し始めると、その効果を体験できて納得性はさらに高まります。
また、それについての情報も知識も、新たな発見も急速に引き寄せることができます。 


経営計画書、評価制度、新入社員用の教育テキスト、いま良いと思うことをまずは始めることです。
始め運用することで、会社は組織として強くなります。
より理解が深まり、気づきも起きます。


また、このような効用もあります。実はこちらのほうが重要です。
「残す先ができます」
何か気づいた時や問題があった際、何か意思決定をした際に、それを残すことが重要です。残す先があるから、残るのです。
この残したものがその会社のノウハウであり、会社の力になります。

・こういう分野に攻めたい ⇒ 経営計画書に書きこむ
・社員にはもっと報連相をしっかりしてほしい ⇒ 人事評価表に1行加える
・新入社員には、就業規則以外に、基本的な職場のマナーも伝えておいたほうがいいな ⇒ 新入社員用の教育テキストに追記

 
このような残す先がないと、社長や会社が経験したこと(失敗から学んだ教訓)が残されません。
ましてや自主的に社員が書き残すことは絶対にありません。
社員は、書く先があって初めて書き込んでくれます。

社長は仕組みを新設し、書類として起こし、
社員に更新をさせていきます。


3年後には、社員主体で運用が完全にできるようになります。
そして、その書類をみて、「社長、これ出来悪いですね、うちに合ったように作り変えていいですか?」(笑)などと言ってきます。


社長が落とす先だけは準備してやらなければいけません。

パクってさっさと始める、
A4一枚でいいのです。
落とす先ができます。
運用しているうちに、自社のものになります。
次に行けます。

 
社長、さっさとパクって(真似る)、始めてください。

矢田祐二
矢田 祐二

経営実務コンサルタント
株式会社ワイズサービス・コンサルティング 代表取締役
 
理工系大学卒業後、大手ゼネコンに入社。施工管理として、工程や品質の管理、組織の運営などを専門とする。当時、組織の生産性、プロジェクト管理について研究を開始。 その後、2002年にコンサルタントとして独立し、20年間以上一貫して中小企業の経営や事業構築の支援に携わる。
 
数億事業を10億、20億事業に成長させた実績を多く持ち、 数億事業で成長が停滞した企業の経営者からは、進言の内容が明確である、行うことが論理的で無駄がないと高い評価を得ている。
 
 

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