No.70:サービスには品質がある。顧客にバラバラの対応をさせない

今日は、サービスの量産化について書きます。
量産化というと、製造業の話のようですが、
これこそ、サービスの要素が多い事業で必要となる考え方です。


カーディーラーの事例を挙げます。

その会社は、自動車ディーラー3店舗を経営していました。
その会社の組織化や仕組化をするうえで、業務の棚卸をしました。

その結果、サービスにバラツキが大きいことが解りました。
ひとりひとり営業担当の接客を確認すると、ずいぶんそのやり方に差があります。

ある営業担当は、お客様がお帰りになる際に、店の扉のところで頭を下げ、お客様とお別れします。
また、ある営業担当は、敷地から車を出すところまで手伝い、お客様の車が見えなくなるまでお見送りをします。

また
整備担当者でも同様のことがありました。

車の定期点検が終わり、お客様に引き渡しの際の説明で、その仕方やそれにかける時間に大きな差がありました。
ある整備担当者は、実際にお客様に車を確認していただき、消耗品などの減り具合や次回の補充の時期なども伝えます。
ある整備担当者は、店のなかのテーブル席で、手元の書類を使い説明をします。


このような形で、サービスの提供の仕方のバラツキが大きいのです。

この原因を、その社長は「教育」の問題として認識をしていました。
そして、彼は「気が利く、熱意がある」と評価は高く、彼は「気が利かない、手を抜いている」という悪い評価をしていました。


大きな間違いです
当然彼らの責任ではありません。


このバラツキの原因は、「決まっていない」ことにあります。
サービスの設計の問題です。

会社として、自社のやり方を決める必要があるのです。
それは、どこまでを自社のサービスとするか、という定義そのものです。

お客様満足度も対応するスタッフによりその大きさに差が出ます。
そして、お客様は次回も当然そのサービスを期待します。

前の営業担当は、車の見送りまでしてくれたのに、今回の営業担当は扉まで・・・あの営業担当嫌!
前の整備担当は、しっかり説明をしてくれたのに、今回は説明がない。


悪いと評価された方である、扉までの営業担当にその意図を確認すると
「自分は見送りをされるのが嫌です。あそこまでされると、やりすぎと感じます。また、多くのお客様が車に乗り込んでから、少し雑談をしたりで、その場にいます。人によっては、居づらくなるのではないとか考えます。」


店内で書類で説明する整備担当もいいます。
「お客様に環境の悪い外にながくいてもらうのも悪いと思います。また、お客様によっては、詳しく説明をしてもらってもよく解らない、という方が多くいます。 営業面でも、店内で説明をするほうが、いろいろお客様とゆっくり話をすることができます。 

そのためか、お客様から整備についていろいろな質問がでたり、新車について訊かれることもあります。」

彼らの、どちらが良いか悪いわけではありません

決まっていないのです。
そのやり方を決めなければいけません。

このようなケースは小さな会社では、非常に多くあります。
・電話の出方が人によって違う
・サービスの説明の順番や内容が違う
・見積フォローの有無やそのタイミングが違う
・提案書のフォーマットがバラバラ

など。
これでは、自社すなわち社長の考える自社のサービスがお客様に提供できるはずはありません。
スタッフに伝わるはずもありません。

まずは決めることです。
自社のビジネスモデルを基盤にし、彼らの意見を聞いたうえで、
当社のサービスとは何なのか、そのためにどう態度で示すのか、を決定します。

 
決めないと次のようなことが起きます。
各スタッフは、
・自分の良いと考えるサービスを提供します
・前職からのやり方でやります
・その日の気分やその顧客の好き嫌いによってサービスの質が良くなったり悪くなったりします
・自分のやり方で新人を教えます
・管理者は強く部下を指導できなくなります

これらは、決まっていないからです。

決めることです、サービスには「品質」があります。
そのサービスの品質の基準を決め、そのバラツキを抑えることが必要です。

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