No.76:研修で人は育ちません。採用した人材が、確実に育つ仕組みを持つことです。

今日は、研修の正しい活用の仕方についてです。
(ここでいう研修は、OFFーJT 職場外 のことを指します)
研修は正しく使えば、大変有効なものとなりますが、間違って使えば、ただの散財になります。
それどころか、研修をしっかり自社の取り組み(仕組み)につなげられないと、研修終了時の高揚感が時間とともに白けてきて、「研修をやっても変わらない」という主催側も参加者側にも悪い印象を残すだけになります。
また、受講者にとって、研修で教わったことが管理者や先輩社員ができていない、というギャップが明確になり不信感にもつながります。

研修は、正しく活用する必要があります。
研修を活かすも殺すも、その研修を仕組みに活かせるかどうかです。


たまに、研修に過度の期待を持って、社員を参加させる社長がいます。
研修に参加すれば、翌日から態度を改めてくれる、と。
それも研修に送り込むのは、問題社員と決まっています。

でも、その期待は絶対に達成されることはありません。
たとえ、数日良かったとしても、1週間もすれば必ずもとに戻ります。


研修はあくまでも下記の特徴を持っています。
●内容は、世の中一般的なものである。
その会社のやり方や業界に合わせるには限界がある。

●個々の課題には対応しない。
それも、本人は出来ていると思っている場合には、効果はない。

●受講する人は全員でなく、その時の限定者
参加していない人(特に管理者)とは共有できない。
次に入社してくる人には当然伝わらない。


そして、
●研修は、「一時」のものです。
人の態度や考え方は、習慣です。
長いことかけて身につけた習慣が、数時間や数日の研修で変わるはずはありません。


教えた事に対しては、かならず、その後のチェック(評価)とフィードバックが必要になります。
定着したことまでを確認する行為が必要です。


企業が行う人材育成の目的は、自社が考える良い仕事のやり方や考え方を持ったスタッフを育てることです。
ですから、まずは、当社の考え方とやり方をしっかり伝えることを行います。

そして、そのあとが重要です。
そのスタッフがそれを出来るようにする必要があります。
知っている状態と出来る状態では全く違います。
説明しやらせてみて、必ず実施状況を確認し、再度課題を伝えて修正する必要があります。

一つの習慣を変え身につけるのに、3カ月はかかります。
そして、そのスタッフには、その後もその仕事内容や役職に応じて新しい習慣(スキル)が求められます。


この「期待を伝え、評価し、再度伝え、定着を確認する」のサイクルを回すつけることが必要になります。
これが人材育成の仕組みです。


研修の活用の仕方は大きく二つあります。
 
一つは、階層教育です。
1人のスタッフを新たに採用し、そのスタッフをいち人材に育てるために、会社としては「学校教育」のような教育体系を整備することになります。
採用後、ステップを上がるように確実に育てていくプログラムです。

 
1年目:基本的な社会人の意識を持つ。また、ビジネスマナーを身につける。一連の作業を指導を受けながらできる。
 
2年目:報連相の基本ができている。業務全般を自分一人で完結できる。
 
3年目:現場の中心として動く。新人を指導できる。
 
この成長のために準備した講義の一つとして、研修を活用します。
研修のテーマはおのずと基本的で一般的なものとなります。

 
そして、もう一つは、社内全体の意識替えです。
自社の課題について、全員で受講することにより、その研修をきっかけとします。
あくまでもイベントであり、レセプションであるので、その後の自社の取り組み(仕組み)につなげていく必要があります。

 
研修で、社員が育つことはありません。
 
人を育てる仕組みを持つことです。
採用した人材が、確実に育つ仕組みを持つことです。

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