No.77:社長「私のやることが無くなります」、その時間で本当の社長の仕事をしてください。

「矢田先生、私のやることが無くなります。」
先日、顧客先の食品卸業の社長との打ち合わせの場での言葉です。
コンサルティングの課題として『社長がいま日々やっている仕事を書きだす』というものをお願いしました。
その書類を手に社長は言います。
「日々やっている仕事を書きだしてみると、どれも私がやる必要がない仕事ばかりであることに気付きました。
十分社員でできる仕事です。少し難易度の高いものもありますが、順番に社員に渡していけばできるものばかりです。」 


矢田 「そうですね、いまの社長なら、社長の抱えている業務を、スムーズに社員に渡すことができるでしょう。」

その会社のコンサルティングで仕組化組織化に取りかかり9カ月が経過します。その社長も十分に仕組化や組織化の考え方やその進め方を身につけることができています。
社内の業務は、まさに狙ったとおりの組織になり業務の流れになりつつあります。


でも社長は少し困った顔をしています。
矢田 「何か問題でも?」
そこで返ってきた言葉が冒頭の言葉です。
「やることが無くなる」

(笑)
そうなんです、
仕組化組織化が進むと、一日の中で、もっとも時間をとられる手を動かす業務が無くなるわけですから、社長の時間は余ってきます。
そのうえ、この段階まで進むと必ず業績も安定をしてきます。それも、利益がそこそこ出る状態で。

この会社でも、9カ月前は、毎月赤字を出していましたが、今では、安定して毎月黒字を出しています。
これは、仕組化組織化が進み、業務の効率が上がる、課題が表面化し適切に改善がとれること、そして、社員が主体的に動くからという理由があります。
いままで不効率や不良などにお金を捨てていたことが大幅に削減されます。


矢田 「社長、これからの社長としての動きが重要になりますよ」と、下記を説明させていただきました。


仕組化組織化が進みできた時間を社長としての仕事にしっかり使ってください。
社長の仕事とは下記になります。

1.事業の未来をつくる
これが一番の社長の仕事であり、社員にはやらせられない仕事です。
事業の未来とはなにか?
それは、変化する顧客の要望を知ることです。
その変化を、ライバル企業よりもいち早く察知し早く変化をすること。
それができた企業が売上を上げ、できない企業が売上を下げるのです。

そのためには、社長は外に出て、「顧客を定期訪問する」、「フェアなどに参加する」、「取引業者や同業者と話をする」
事務所に居ては、すごい速さで変化する顧客の要望を把握できません。


そして、未来の事業とともに、今の事業が顧客に応えられているかも確認します。

2.自社の事業が顧客に支持されているかを確認する
そのためにどうするか、
これも、顧客を回ることです。
そして「当社のサービスはどうですか?当社の営業担当の対応はどうですか?」と訊いてください。
訊いて回らないと、顧客は本音で話してくれません。そして、ある日突然他の業者に乗り換えます。
早い段階で顧客からの提言やクレームを訊き、自社のサービスの改善点を得ます。


そして、上記の1,2から今後の自社の進むべき方向を決定し、社員に協力を依頼します。

3.経営計画書の作成する

4.経営計画書の実行の確認

経営計画書を作成し、社員に協力を依頼します。
そして、その通りに進んでいるかをチェックします。
進んでいない理由は、社員の実行に問題があるか、社長の市場に対する読みが外れたかです。
チェックし、必要であれば新たな指示を出して修正をします。
経営計画書はズレを発見するためにつくるという認識が正しいのです。

 
これが社長の仕事です。
仕組化組織化をするということは、社長が現場を離れることを意味します。
そうするといままでとは違う問題が起きてきます。
それは、会社の存続を脅かすほどの問題です。

・顧客の要望やその変化が伝わらない
・現場が何をやっているか解らない
この2点です。

いままで顧客からの電話を社長が取ってきた、打ち合わせも社長、そして、現場も自らがコントロールしてきた、だからこのような問題は起きませんでした。
これからはどうなるか、顧客の声が自然には聞こえてこなくなります。
社員からも上がっては来ません。(社員は、まずいことは隠します)


これができないために、過去に多くの会社がつぶれました。
会社がつぶれる原因とは一つしかありません
「顧客の要望に応えていない」からです。

この顧客の要望をつかむための仕組みが必要になります。
その仕組みの中心が、社長となります。


仕組化組織化をすすめると、社長は、日々の作業という面からは解放され、時間が余ってきます。
暇になります。
そして、そこそこ儲かるようになります。

そこで道がわかれます。
外に出る:社長として顧客の変化をとらえるために外にでる

外に出ない:重要でもない付き合いやゴルフ、事務仕事に時間を充てる
かです。

外に出てください、それがこれからの社長の仕事です。
外に出れば、さらに自社の課題に気づくことができます。
ライバル会社との差が解ります。やることはどんどん出てきます。
すぐに時間は足りなくなります。

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