No.78:「即戦力がほしい!」の間違い、「即戦力」とはすぐに仕組みを回せる人
「即戦力がほしい、と言っている時点で、その会社の仕組化(組織化)が進んでいないことがバレますね。」
先日、顧客先での会話のなかで出てきた言葉です。
その会社は、現在、年商(総粗利)4億、スタッフ数38名。
仕組化組織化もほぼ完成段階に入っております。
その社長から出てきた言葉です。
そして続けます
「昔は、私も言っていましたが。
即戦力がほしい!
即戦力さえいれば!てね(笑)」
自社の仕組化組織化が進むと、どの社長もこの「即戦力」という言葉を使わなくなります。
それは、この「即戦力」ということに対しての認識が正しくなることと、その「即戦力」を強く求める理由が無くなるからです。
仕組化組織化ができていない会社の社長にとって即戦力とは、
「自分でいろいろ考えて、動いて成果を出してくれる人材」となります。
仕組化組織化が解った社長にとっては、即戦力とは、『すぐに、いまの仕組みに乗り、仕組みを回せる人』となります。
仕組化組織化のできた会社では、ひとりのスタッフを採用し、その人材を短期間で戦力化(自分の給与分ぐらいを稼ぐ)するまでの仕組みが出来ています。
その人材が最初に付くポジションや訓練体制が整備されており、そこそこの能力さえあれば、順に育成が進み、とりあえずの戦力化が可能となります。
採用の際には、そのそこそこの能力があるかどうか、が採用の合否の基準になります。
訓練をすれば、自社の仕組みに乗れるようになるか、という基準です。
訓練をしても、仕組みに乗れない、や問題を起こす人材と予想した場合には採用をしません。
採用する人材に求めるその基礎能力については、業種や職種によって異なりますが、概ね下記のものになります。
ひとつは 「 コミュニケーション能力(ある程度社交性があり、人と会話ができる ・ 間を読める) 」
もうひとつは 「 トレーニング能力(教えたことをその通りにできるようになる) 」
もうひとつ加えるとしたら 「 責任感(休まない、遅刻しない、指示されたことをやりきる)」
この基礎能力があれば、即戦力と言えます。
この基礎能力さえあれば、自社の仕組みで戦力化できるという自信があるからです。
それが仕組化組織化の力です。
また、ここで挙げた基礎能力は、採用後の訓練では伸ばせない、または、開発するには時間がかかり過ぎる能力とも言えます。
そして、このある程度決まったことができるようになったスタッフの中から、管理者として、一緒に仕組みを管理し改善できる人材を登用していきます。
仕組化組織化ができていない会社の社長が言う「即戦力がほしい」という言葉の多くは、この管理者クラスの人材のことを指しています。
しかし、その会社では、この管理者クラスの人材を採用したところで、即戦力として動けることはありません。
なぜならば、その機能だった仕組みや組織がそもそもないからです。
すでにある程度存在する仕組みを改善することは、そこそこの人材なら可能ですが、存在しない状態で、一から立ち上げができる人材はほとんどいません。
いま本当に自社にほしい人材を定義することが必要です。
いま自社にほしい人材は
「仕組みに乗ってしっかり回せる人材」なのか
「仕組みを改善できる人材」なのか
「仕組みを一から構築できる人材」なのか。
この1,2の人材を採用したとしても、仕組化組織化が出来ていないと、その人材を戦力化することはできません。
その人材は、仕組みがないので十分な力を発揮できません、
あくまでも社長や一部の優秀なスタッフの補佐業務どまりとなります。
そして、いつまでも独り立ちできないので仕事も面白くなく、2,3年で退社をすることになります。
3の人材はそういるものではありません、
このレベルの人材であれば、自分で事業をやっていることでしょう。
もし、何としても採用したかったら、それだけの金を出してヘッドハンティング会社に依頼してみることです。
まずは社長が中心となり、仕組化組織化を進めることです。
スタッフを採用し、短期間で稼げるようにする、この状態を目指すべきです。
即戦力を切望するよりも、先にやることがあります。
冒頭の「即戦力がほしい」という言葉は、次のように公言しているのと同じです。
「優秀な人材しか、我が社では成果を出すことはできません。いまの組織では、並の人材も、活かしきれません。」
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