No.114:作曲家は譜面によりオーケストラを動かす、社長は経営計画書により社員を動かす

「矢田先生、今では経営計画書無しなど考えられません」
コンサルティングが終了し、丸2年が経過。
「最初に作成した時はすごく大変でした。でも、あれからガラリと変わりました。私の意図したものが実現するスピードも格段にあがりました、社員も自ら考え、どんどん意見を言ってくれます。」
売上げもこの2年で40%増。
矢田「一番変わったのは、社長ですよ。」


世の中の職業の中には、「自分の概念を形にする」という仕事があります。その職業の特徴は、「自分の頭に浮かんだイメージ」を何かしらの手法によってそれを表現し、それを多くの人の協力を得て具現化していきます。
画家、作曲家、装飾デザイナー、著者、建築設計、ゲーム製作、彼らはクリエイティブな職業と呼ばれます。
 
それらのクリエイティブな職業には、二つの能力が必要になります。
一つは、それを頭の中で生み出す能力
もう一つは、それを表現する手法を持つ必要があります。
画家は、イメージしたものを、油絵により表現します、だから、人に自分の「何か」を伝えることができるのです。
作曲家は、自分の頭に浮かんだ音やメロディーを、譜面に落とします、それにより、オーケストラが演奏し、多くの大衆が聴くことができるのです。
画家も作曲家も、もしその手法を持たないのであれば、いくら素晴らしいものを頭に持っていたとしても、ただの凡人で終わるのです。


その、「自分の頭に浮かんだイメージ」を何かしらの手法によってそれを表現し、それを具体化する、これは、そのまま社長という職業に当てはまります。
社長は、自分の頭の中に「どうやれば儲かるか、どういう仕組みが必要か、スタッフの接客はどうあるべきか」を描く必要があります。そして、それをある手法によって表現し、多くの人に協力を依頼し、具現化させます。
 
その手法が「経営計画書」なのです。
社長にとって、経営計画書とは、自分の描いたモノをスタッフや協力業者を使って、具現化するためのただ一つの表現方法です。
オーケストラ同様、社長からの経営計画書という譜面があるからこそ、楽団である社員は、動くことができるのです。そして、その結果、聴衆である顧客は、満足し喜んでお金を払うのです。
 
社長にとって経営計画書とは、社員で儲けるための最高の手段であり、他に替わりのきかない手段なのです。これを持たない社長は、譜面の書けない作曲家と同じです。
オーケストラの楽員を集めておきながら、譜面を渡さないのです。または、譜面の書けない作曲家がもし存在すれば、誰かに、口でメロディーを伝え、代わりに書いてもらうことになります。(体に何か不自由があるなら致し方ない)
 
これと同じことをやっている社長が多いことに驚きます。
人を集めておきながら(雇いながら)、何を具現化してほしいのか、伝えないのです。しっかり表現されたものを渡さない限り、誰も動けないのです。渡すこともせず、社員が動かないと嘆く、これは、ただの責任転嫁です。
これを「文章を書くことが苦手なんですよ」や「忙しい」で済ますことは社長という職業では許されないのです。


経営計画書が本当に作れない社長など、絶対に存在しません。
経営計画書が作れない理由は一つしかありません、先にあげた「文章が苦手」です、これは正確には、苦手意識です。
表現の手段を体得するためには、やはり時間が必要です。画家でも作曲家でも、建築家でも、最初から上手い人などいないのです。
人を動かすための経営計画書をつくるためには、やはりそれだけの修練と経験が必要です。
言い換えれば、やらなければ絶対にうまくはなれないのです。でも、苦手意識を理由にして、経営計画書をつくるために椅子に座っていないのが実状なのです。 
 
私は、社長と政治家だけは、他の職業とは全く違う次元の職業だと考えています。
それは、人の人生に非常に大きな影響を与えるからです、他の職業は、その「サービス」を受けた人がどうかです。その社員はもちろん、その社員の家族の人生も背負っているのです。
その社長という職業に就くものが、「文章が苦手だから」「忙しいのを理由に」、経営計画書を作らないというのは絶対に許されないのです。
 
経営計画書をつくる、ための修練をする
経営計画書の実行をチェックし修正する、という修練をする
毎期、毎月、毎日繰り返すしかないのです。
経営計画書には、自己修練と経験による上達が必要なのです、この社長以外できない、そして、会社の業績にもっとも大きな影響を与える仕事に向かうのです。


また、こういうこともあります、「指」を動かすことで、生まれる。
頭に浮かんだものを書く、これもありますが、実は、こういう恵まれた状況は、少ないのです。頭に浮かばないけど、書き始める、とりあえず指を動かしていると、生まれるものなのです。
画家、作曲家、デザイナー、著者、、、指を動かすことで、何かを生み出します。指を動かし始める時には、何が生まれるか解っていません。でも動かすしかないのです。
 
経営計画書も同じです、指を動かしていると、事業のアイディアであったり、自社の課題など、新しいものが生まれます、そして、徐々に自分の考えがまとまっていきます。
そして、指を動かし、何度も書き直し、修正するという過程を通じ、その考えは、「社長としての信念」として変貌を遂げます。
 
この過程を社長自ら行うことに大きな意味があるのです。苦手意識などどうでもいい、とりあえず座り、指を動かす!のです。
それなのに、この過程を、誰かに任せる、総務の担当に任せたり、銀行に任せたり、コンサルタントに任せたりする、これじゃあダメなのです。
新しいものを生む、信念を固めるチャンスを投げ出すことになります。


社長は、全身全霊をかけて経営計画書を作成する。そして、プロとして、その職業を全うするために、その作成の技術を高める。
それが役目、それが職業、それが存在意義、その結果、顧客は喜んでお金を払い、社員とその社員の家族は報われるのです。そして、社長自身は、激動の毎日でも、熱くとも穏やかな心を得ることになります。
 
作曲家は譜面によりオーケストラを動かす、社長は経営計画書により社員を動かす、社長自らの経営計画書の作成無しに、年商10億も、社員の幸せも無いのです。

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