No.156:お客様から「御社の特徴は?」と訊かれ、黙る営業担当。自社の特色づくりの進め方。

コラム№156

「事業の特色は、無理矢理でも作ってください」
これを、矢田はクライアント社長にお伝えしています。
 
この自社の特色とは、「自社の売り」であり、「他社との違い」を表したものを指します。
これに答えられることこそが、年商10億ビジネス構築へのスタートとなります。
 
「御社の特色は何ですか?」
この質問に対し、社長は勿論のこと、社員全員が答えられることが必要です、特に、サービス特性の大きい事業ほど必要になります。


先のコラムでは、今の世の営業は「難しい」という説明をしました。
その大きな理由は、お客様を教育する必要がある点にあります。
お客様がいま現在持っている購買決定における評価軸を否定し、新たな評価軸をお客様の中につくる必要があります。
その新たにつくりあげる評価軸とは、まさに「自社の特色」となります。
 
お客様の持っている評価軸を、自社の特色に沿ったものに置き換え、自社のサービスを売るのです、
これが、今の日本の多くの営業担当に求められる役目になります。
そのため、営業担当は、明確に自社のサービスの特色を理解しておく必要があります。
その自社の特色をゴールにした商談(洗脳)を組み立てるためには、「自社の特色の理解」が必須なのです。
 
そして、合わせて、他社との違いもしっかり理解しておく必要があります。
顧客は必ず訊いてきます、「他社とどう違うの?」、「同業のA社とは何が違うの?」と。
 
それに答えられないと、お客様は、迷うことになります。
顧客は、他社との違いが見出せない時には、「価格」という強力な評価軸で決定することになります。
同じようなものなら、安いほうを選ぶ、という合理的な判断をします。
 
そして、その時に営業担当は、額に汗を流し、対処することになります。
人間関係に持ち込む・・・訪問回数を増やす、飲食の機会を設ける、土下座する。
または、
手厚いフォロー・・・替わりに調べものをする、必要以上の書類の作成まで手伝う。
 
こういう人間関係の構築のための取組みも、手厚いフォローも、コスト高を招くことになります。
手間に価格が合わなくなります。また、営業担当一人が得る粗利高(生産性)も低い水準でとまることになります。
そのうえ、大手企業などの、社内稟議のしっかりした会社に対しては、通用しなくなります。
営業担当が、「難しい」商談を組み立て、実際に成約を勝ち得るためには、自社の「特色」が絶対に必要になるのです。
 
また、これは、営業面だけではなく、つくるという機能を担う内部にも大きな影響を与えることになります。
自社のサービスの形を決めるのも、スタッフをどう訓練していくのかも、すべては自社の「特色」を満たすためのものとなります。
その「特色」を満たすために、サービスが定義され、業務の改善もされていきます。
各社員もそっちの方向に意識を持ち、自己成長の目標を持ち、変わっていくのです。
 
特色がない、特色が明確ではない、状態では、内部も真っ当に発展が進まないのです。
それどころか、組織としての「切れ」が無くなるのです。緊張感も無くなります。


「特色は、無理矢理でも作ってください」と言われても、そう簡単に出来るものではありません。
 
しかし、その「特色」、「特色をつくろう」という意識を持って社長自身が生きることに大きな意味があるのです。
それを持って生きている社長には、アイディアや課題が降ってくることになります。
そして、遠くない時期に、これだ!という「特色」を発見することになります。
 
「特色はない」、「見つからない」という前提での生き方では、降ってくるものは何もありません。
また、新たな発見はないのです。
 
そして、特色がない会社、特色をあきらめた会社では、次のような自社アピールの文言を用いる様になります。
「当社は、技術力と提案力があります」
「お客様のお困りごとを解決します」
「当社は、フットワークと親身になって・・・」
そして、本気で、「社員を教育する」方向に向かってしまいます。
 
特色とは、生み出された商品(サービス)に宿すことになります。
これらの、「技術力」や「お客様第一」、「人間力」は、特色にはなり得ないのです。
 
また、お客様は、世の中に溢れる「技術力」や「お客様の困りごとを第一に・・」や「当社の持つソリューションで・・」という文言に、飽き飽きしています。
彼らは、それを投げかけられて「なんだ、それ?それがどうした?」と思います。
 
自分が営業を受ける立場の時にも、やはりそう思うことが多くあります。「なんだ、それ?」。
そして、遠慮なく質問します、「何が特徴なの?」と。
それに答えられない営業担当とは、「これ以上話す価値はない」と瞬時に判断します。
そして、次の来客を理由に、ご退席を願います。
 
このような営業のシーンが、日本中で繰り返されています。
そして、多くの営業担当が邪険に扱われ、自分の存在意義を見出せずにいます。
また、当然成果も出せるはずもなく、その成果が出せない仕事は面白くありません。
そして、次の会社に移るために、会社のパソコンで、転職サイトを見ています。
 
 
特色は、無理矢理でも打ち出すこと。
だからこそ、アイディアや課題が発見できます。
また、その課題をクリアするための行動が生まれます。
その結果、自社特有の技術が出来るのです。
それを、自社の資源と表現したり、強みと言ったりします。
 
自社の今出来ることや所持する技術という資源から、この先の事業を考えてはいけません。
 
この先儲かる事業のネタなど、自社に無くて当たり前なのです。
でも、そこに「それに対して、喜んでお金を払ってくれる人」がいると言う確信だけで、十分です。
それに向けて、自社を変えていくのです。
 
その第一歩が、社長が「自社の特色を決めること」です。
そんな無理矢理ができるのは、社長だけです。

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