No.317:社員の態度や組織の状態をガラリと変えてしまうアレとは?年商10億を目指す社長には、絶対に必要です。

№317:社員の態度や組織の状態をガラリと変えてしまうアレとは?年商10億を目指す社長には、絶対に必要です。

セミナーが終了するとN社長がすぐに駆け寄ってきました。
「矢田先生、当社の経営計画書を見て頂けますか?」
分厚い冊子を手渡されます。
 
数ページを拝見し、私は、質問をしました。
「これで、組織は機能していますか?」
 
N社長は答えます。「いえ、全くダメです。」
 
これだけの経営計画書をつくりながらも、組織が組織として機能していない。その原因は明確です。そこには、『情報』と呼べるものが何もないからです。


『情報』によって、すべての『物質』が作られています。
 
人間を含む動物や植物、そして、このパソコンもテーブルも、情報を元にして形づくられました。
 
動物や植物は、DNAに情報を持ちます。その情報から、体が出来、基本的な生存のための能力を保有することになります。
目の前のパソコンもテーブルも、設計という情報が元にあります。その設計を元にして、多くの人の協力に寄って、具現化されます。
 
我々の社会も、情報によってできています。
例えば、国は税法を変えることで社会を誘導しています。ある分野の事業を、減税することで、その分野への参入を促します。
サッカー協会は、ルールブックを書き換えます。そのルールを多くの審判や指導者が勉強します。各チームは、そのルールで再度戦い方を変えることになります。
 
情報を書き換えることで、目で見える世界を大きく変えることができます。
 
我々の会社もこの原則に従うことになります。また、上手に使うことで、より大きく、よりスピードを持って、やりたいことを実現できるのです。
 
情報という言葉の意味を調べると、下記のようにあります。
1.ある物事の内容や事情についての知らせ。
2.文字・数字などの記号やシンボルの媒体によって伝達され、受け手に状況に対する知識や適切な判断を生じさせるもの。
3.生体系が働くための指令や信号。
 
正に、です。事業の方針を変えることで、儲ける効率を変えることができます。会社のルールを変えることで、社員の動きを変えます。情報が、組織の神経の役割をします。社員や各部門は自ら考え、適切に動けるようになるのです。
 
情報と物質では、情報が上位となります。そのため、上位である情報を変えることによって、その後に続く、物質社会を簡単に変えることができます。それは非常に効率が良いことです。
 
我々の会社には、次のような情報が必要です。
「どのようなビジネスで、市場を取りに行くのか。」
「どう新規の顧客を開拓するのか。」
「どう品質を保ちながら、供給能力を高めるのか。」
これらを具体的にすれば、それは実現化することになります。
 
これこそが、組織のトップが持つ力の源泉となります。情報を創り、発信する権限を持っています。その情報によって、自分の意のままに組織を使い、事業を展開することができます。その結果、社会に良い影響を与えることができます。


残念ながら、多くの社長は、情報を上手に使えていません。
態度の悪い社員を正すために、直接、注意するという行為をやっています。会社の成長を、自分の行動で、引っ張ろうとします。物質社会を変えるために、物質の力をぶつけているのです。当然、大きな力が必要になります。
 
それは、まるで次の状態です。
日本の〇〇分野の産業を伸ばすために、1社1社直接訪問し、参入を説得しています。サッカーのルール変更を、各試合を回って伝えています。そんな不効率極まりないことを、多くの社長はやっているのです。
 
冒頭のN社長は、非常に残念な状況に陥っていました。
あるコンサルティング会社の指導で、その立派な経営計画書をつくりました。しかし、3年経っても、N社長を取り巻く世界は何一つ変わっていなかったのです。
 
矢田の本を読んで、「経営計画書をつくる目的は、組織をつくるため」であることを初めて知ったぐらいです。
 
意を決して、セミナーに参加しました。自分のやっていることの何が間違っているのかを知りたかったのです。そして、可能であれば、経営計画書を見てもらうつもりで持参しました。
 
矢田は、経営計画書をペラペラめくります。一度だけ、5ページあたりで手を止め、数秒間目を通します。そして、最後まで一気です。
 
そして、矢田から出た言葉は、N社長の予測していた通りものでした。
「残念ですが、何も書いていませんね。」
 
その見た目の良い経営計画書には、『現実化するほどの情報』が載っていなかったのです。
 
現実化するためには、それだけの具体性が必要となります。
それは、「現実化の直前」というほどの情報です。後は「実際に行動するだけ」という、まさに、現実化する直前なのです。
 
N社の経営計画書にあるのは、一般論であり、知識だったのです。
「付加価値の高いビジネスを展開する。」
「リピート顧客の囲い込みをして、生涯単価を高める。」
「皆で知恵を出し合い、業務の改善を続ける。」
これらは、残念ながら『情報』では無いのです。
 
情報の意味に有った「・・・・伝達され、受け手に状況に対する知識や適切な判断を生じさせるもの。」とは、ほど遠いものです。だから、その経営計画書によって、何一つ変えることも、生み出すこともできなかったのです。
 
N社長は、自身の気持ちを吐露されました。「これ以上のものは、私には書けません。私には、具体的には、何も見えていないのです。」それからすぐに、N社のコンサルティングが始まりました。1年数か月が経つ頃には、やはり組織が機能するようになったのです。
 
やることをすれば、その通りになる。それは、科学であり、この世の摂理なのです。
 
 
経営計画書とは、人間や生物におけるDNAであると言えます。そこに書かれたものが、現実に形作られていきます。逆を言えば、そこに書かれていないものは、現実化することはないのです。
 
社長は、世界に全くないものを、創り出す力を所有します。
また、その責任を負っています。
 
社長が、書いたものだけが現実化し、書かなかったものや書けなかったものは捨て去ることになります。
 
創り出すというだけあって、そこに答えはありません。創り出すことは、無茶苦茶大変なことです。その役目は、誰にも代わりができないのです。
 
そして、その創り出したものの影響は限りなく大きいのです。数年で10億を突破することも、数億で停滞するのも、その出来次第なのです。
 
 
儲かる事業、社内の仕組み、組織の体制、すべてを設計してください。そして、それを情報として、社員に提供してください。それで、皆幸せになります。
 
また、社長自身も大きくステージを上げることになります。そこには、超えた者だけに見える世界が待っています。

矢田祐二
矢田 祐二

経営実務コンサルタント
株式会社ワイズサービス・コンサルティング 代表取締役
 
理工系大学卒業後、大手ゼネコンに入社。施工管理として、工程や品質の管理、組織の運営などを専門とする。当時、組織の生産性、プロジェクト管理について研究を開始。 その後、2002年にコンサルタントとして独立し、20年間以上一貫して中小企業の経営や事業構築の支援に携わる。
 
数億事業を10億、20億事業に成長させた実績を多く持ち、 数億事業で成長が停滞した企業の経営者からは、進言の内容が明確である、行うことが論理的で無駄がないと高い評価を得ている。
 
 

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