No.325応用レベルの業務こなせる社員どんどん育てる!そのヒントは、自動車学校にある!?

№325:応用レベルの業務をこなせる社員をどんどん育てる!そのヒントは、自動車学校にある!?

面談に来られたH社長は、最後にもう一つと質問をしました。
「矢田先生、仕組みをつくると、社員は却って考えなくなるのでは無いでしょうか?」
 
私は、少し間を置き、お答えします。
「はい、その通りです。そのための仕組化ですから。」
 
仕組みは、確かに社員を「バカ」にします。企業は、多くの人を使うために、すべての業務を、「作業レベル」に落とすことに取り組みます。
 
そのため、何かしらの仕掛けをしておかなければ、考えない人を大量生産することになります。


サービス型事業を展開する企業では、2段階の訓練体系を築く必要があります。その2段階とは、『訓練』と『応用』です。この2段階の仕組みをつくることで、初めて、知的労働型の社員を活かすことができます。
 
『訓練』とは、決まったことをその通りにやれる状態にすることです。その主な内容は、「態度」と「手順」になります。現場で当面の作業ができるように、それらを体系的に提供します。
 
それが出来るようになると『応用』の段階に移ることができます。その業務の目的や状況に合わせ、やり方を変えられるようにします。スタッフが『応用』の力を獲得するためには、ケーススタディと実施に対する適宜のフィードバックが必要になります。
 
この2段階の訓練を経て、初めてスタッフは、適切なサービスを提供できるようになります。また、会社として自社の狙うレベルのサービスを提供できるようになるのです。
 
私は、イメージとしては『自動車学校』とお伝えしています。自動車学校は、其々の素養を持つ生徒が、自動車の運転を段階的に習得できるよう体系化しています。
最初は、座学でルールや基本知識を得ます。そして、敷地内で一つひとつの技能を学びます。各段階では、トレーナーによるチェックと修正があります。ある基準を満たすと公道に移り、より実践に近い体験をします。その時も一人のトレーナーが付きます。それにより、徐々に応用を獲得していくのです。
 
自動車学校のような訓練体系を、企業は構築することになります。私は、常々「多くの中小企業に必要なものは、教育ではなく訓練です。」とお伝えしています。
 
自動車学校で教育はしません。するのは、技能の獲得であり、訓練なのです。中小企業にまず必要になるのが、「人を育てる仕組み」ではなく、「短期で戦力化する仕組み」となります。
 
サービス型事業を展開するのであれば、スタッフが『応用』できるように訓練体系を整備する必要があります。
単純な作業によって生産性があがる製造業であれば、この『応用』のための訓練体系は必要ありません。また、大手チェーンのような物販に近く、仕組化と分業が進んだ事業では、多くのスタッフに『応用』が求められません。
 
自社の事業に次のような特徴があれば、取り組む必要があります。
・顧客の要望を聴き、それに合わせ進め方や伝え方を変える必要がある。
・一つひとつの案件の条件が異なり、ノウハウや業者の使い分けが必要になる。
・業務の7割は繰り返し行うことでこなせるが、残り3割の部分で人の判断が必要となる。
 
多くの中小企業で、この条件が当てはまります。言い換えれば、こここそが、自社の特色であり、高い粗利益を得られる理由となります。また、大手が苦手とする分野とも言えます。
 
サービス型の事業では、『応用できるスタッフ』こそが、生産の中心であり、顧客満足度を決定づける最も大きな要素となるのです。
 
「応用レベルの業務を回し、顧客を満足させるスタッフを量産する」
これが仕組化の一つの目標になります。
 
これができると、いよいよ事業を大きく展開することができます。
一人の営業担当を、十人にします。一人のエンジニアを、倍増します。一つの拠点を、8つにします。一つの1億円を、横展開して10億円にするのです。そのために必要となるのが訓練体系となります。
企業にとっては、採用も訓練も繰り返しの業務であり、『量産』が目的となるのです。


では、なぜ多くの年商数億企業は、訓練制度を持っていないのか。
その理由は、『仕組みがないから』に尽きます。
 
訓練とは、「決まったことをその通りにできるようにすること」です。
そのため、「決まったことが有ること」が前提になります。業務の流し方、そのポジションの役割、作業の手順など。それらの『仕組み』が無いのです。
 
仕組みが無いから、訓練体系もくそも無いのです。これが実情です。
まずは、仕組みの獲得が絶対なのです。
 
また「企業」としても、どんどん仕組化を進める必要があります。その理由は「事業の拡大」と「ノウハウを守る」ためになります。
 
すべての業務を「作業レベル」にするために取り組みます。それはできるだけ「考えなくてよい」状態を目指すことを意味します。それにより、人材要件が拡がります。レベル8ではなく、レベル5、4の人でも、その業務をこなせるようにします。それにより、量産体制を回し、事業を早く拡大できるようになります。
 
また、「人は辞める」という理由もあります。人が辞めれば、その瞬間にそのノウハウは完全に失われることになります。企業としては、「人が辞める」ことは、死活問題なのです。特に、サービス型事業の場合、そのノウハウは人の頭の中にあります。「人は辞める」ことを前提に、ノウハウを守るために仕組化を進めます。
 
 
冒頭のH社長は、仕組化の本質を突く質問をされました。
「仕組化を進めると、社員は却って考えなくなるのではないか?」
私はお答えしました。「はい、その通りです。仕組みは人をバカにします。」
 
そして、私は、急いで付け加えました。
「しかし、現状の御社は、仕組みが無いために、社員がバカになっています。」
 
いまままでのH社の状況は、次の通りです。
・どの業務も応用レベルのものばかりで、一部の優秀な社員に仕事が集中している。他の多くの社員は、いちいち指示をもらい作業をしている。
・採用した人に、先輩が教えることができない。テキストもプログラムも無い。
・業務の標準や方針が解らないので誰も意見が言えない。当然、改善もできない。
・PDCAが回っていない。思い付きのように施策が決まる。振り返りもなし、継続性もなし。
 
多くの年商数億企業は、仕組みが無くて、「社員をバカにしている」のです。それは、考える必要がないのではなく、考えることができない状態なのです。
 
まずは、社員が仕組みに関われる状態にする必要があります。
 
新入社員には、仕組みを忠実に行うという訓練を提供します。
若手には、仕組みに対する改善のアイディアを出してもらいます。仕組みを新入社員に教える役割も担います。
中堅は、基幹となる仕組みの改善プロジェクトの推進役を務めます。
部長は、今後仕組みをどのように変化させるのかの方針を打ち立てます。
 
組織の全員が仕組みに関わり、そして、仕組みづくりに参画するのです。
仕組みこそが人を育てるのです。また、人が仕組みを良くするのです。その関係こそが、会社が持つ『成長サイクル』となります。
 
また、これは、企業を存続させるために必要な仕組みの獲得を意味します。
仕組みがあるからこそ、スピードを持って大きく展開することが可能になります。ノウハウを自社に保有し、積み上げることも可能です。
 
これらの仕組みこそが、H社長すなわち年商数億社長がこれからの一年間で獲得するものになります。
 
 
売上げが増えると、すぐに今ある仕組みはダメになります。それに間に合うように、社員に仕組みづくりを依頼します。
 
社員には、暇は全くありません。バカになっている暇は無いのです。事業の成長に追い付け追い越せで仕組みを直してもらうのです。
 
彼らも、その状況を望んでいます。忙しくて、世のためになって、成長しているのが実感できるのです。それは、充実した毎日です。そして、プラスで良い給与がもらえれば最高です。
 
その結果として、会社も存続し繁栄を続けられるのです。
この好循環をつくるのです。そのためには、次の三つが必要なのです。
 
これ以外ありません。
大きくなる事業、それを支える仕組み、そして、その仕組みを良くし続ける組織となります。この3つが揃った時、好循環に入れるのです。

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