No.447:会社をどんどん成長させる社長が共通して持っている習慣とは?
この日は、クライアント社長二人との飲み会でした。
私は、思考の多くが別のことに向かってしまっていました。
それは、「コンサルティングの成果の差」についてです。
この日、このお二人ともコンサルティングがありました。お二人とも成果を出せているものの、その差が非常に大きいのです。
両人ともに、頭脳明晰で、人格的にも優れた方です。
しかし、コンサルティングの成果には差があるのです。その違いは何か考えていたのです。
それが、解りました。
それは、次の一点に尽きる、という結論に至りました。
それは、
「明日からどのように動くか、をイメージしてコンサルティングを受けているかどうか」
です。
コンサルティングで成果を出す人は、その場で、「翌日から自分がどのように動くか」のイメージをつくることに努めます。イメージができるまで、質問をします。また、自分がどのように動き、社員を巻き込んでいくかも考えます。
その分だけ、本質の理解も深くなります。
そして、その「明日からどのように動くかイメージが出来ている」からこそ、翌日にすぐに実行に移すことができます。
その一方で、コンサルティングで成果が出せない人は、その場で、翌日から自分がどのように動くかのイメージをつくることをしていません。翌日から何をするのか、社員をどう巻き込むのかを考えていないのです。当然、その質問も少なくなります。
その本質の理解は、やはり浅いものになります。
そして、「明日からどのように動くかのイメージがない」ために、翌日からすぐに行動に移すことができません。
この習慣こそが、コンサルティングで成果を出せる人と出せない人の差なのです。
(経営での成功は取捨選択にあることに間違いはありません。)
これが、私の結論です。
そして、
この習慣の有無が、そのままマネジメントの仕方とその成果に直結して表れます。
この習慣のある社長は、会議の場でも、必ず「次の行動」を明確にします。
誰が、何を、いつまでにするのか、
それを決定して、次の議題に移るのです。
また、部下への指示もそれを守ります。
指示を出すと、必ず、「来週の木曜日に打ち合わせをしよう」と次の行動の予定を入れます。
面白いことに、「次の行動を明確」にすると、人は初めて頭を使い出すという性質を持っています。その結果、社員は質問をしてくることになります。
「社長、これはA4一枚ぐらいのボリュームでいいですか。」、「〇〇部〇〇さんに現状確認をしてみます。」と。次の行動の明確化が、彼らの頭のスイッチを押すのです。
かたや、この習慣を持たない社長は、やはり、それをマネジメントでもやってしまっています。会議の場での部下への指示でも、「次の行動の明確化」をしないのです。
会議の場では、「今後は、~することにしよう」と決めるものの、それを「誰が何をするのか」、を決めないのです。何かを決めるということは、何かの仕組みに落とす必要があります。
そのための次の行動を決めずに、その場を終わってしまうのです。
社員に指示する時も同様です。「次の行動の明確化」をしないために、彼らの頭のスイッチを入れることができません。そのため、社員からは「はい、解りました。」という答えがあるものの、何も質問が無いのです。
その結果は、誰も動かないし、何も解らないのです。「決めたことが根付かない」、「同じ問題が何度も起きる」という課題を抱えることになります。当然、その会社の成長は非常に遅いものになります。
これが、会社をどんどん成長させる社長が共通して持っている習慣なのです。
コンサルティングでも、会議でも、翌日からの行動をイメージしてその場に参加する、習慣を持つことが非常に重要になるのです。
いままでの私も、ここまでの明確な結論には至っていなかったものの、それを行ってきました。コンサルティングの場で、社長に「次の行動」の明確化を迫る質問をしてきたのです。
「これを、いつまでに作成しますか?」
「これを、誰に依頼しますか?」
そして、その強制を更に強くするために次のこともお願いさせてもらいます。
「できたら、私にメールください。」
これらをすることで、クライアントが、このコンサルティングで成果を出せるようにサポートしてきたのです。
また、私は、「コンサルティングは、社長一人で参加されること」を推奨してきました。
その理由の多くも、ここにあったのです。
その場に、ナンバー2や幹部がいると、社長の中の「明日から自分がどう動けばよいのかのイメージをつくる」ことに対し、プレッシャーは弱くなります。どうしても、その場の相手に「解ったな(動いてね)」という意識が生まれてしまうのです。
その結果、成果が出にくくなるのです。
(奥様の参加は推奨しています。自分の替わりに動いてくれることなど無い訳ですから、そのプレッシャーが弱くなることはありません。それどころか、「先日、先生から教わったではないか・・」と却ってそのプレッシャーは強くなります。)
これが、明確に解ったのが、先日のクライアント社長二人との飲みの席だったのです。
失礼ながら、どうもその日はそればかりを考え、その場の会話にあまり集中できずにいました。
(お二人は気が合い、楽しそうに会話をされていたので良かったですが)
そして、今、このコラムを書きながら、別のことを考えてしまっている訳です。
「成果を出すために、コンサルティングの場で、明日からの行動のイメージをつくることをしてください。」これを伝えること、これをやっていただくこと、そのためにはどうすれば良いのか、それを考えているのです。
何にせよ、どんどん会社を変えている社長は、この習慣を持っているのです。
「翌日から自分はどう動くのか」
彼らは、どう動くのか、を前提にして生きています。
コンサルティングを受ける時、セミナーに参加する時、本を読む時、そして、経営者仲間と飲む時。
すべての時で「明日から自分がどう動くか」を考えているのです。
これが、「あの人は行動が早い」や「あの人は教わったことを素直にやる」という評価になっているのです。
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