No.586:今の御社では、優秀な人は絶対に取れない。その自覚が改革のスタート。
資材卸業のK社長が、ぽつりと言いました。
「先生、ずいぶん楽になりました。」
K社の年商は、この3年で3億円から5億2千万円になりました。
事業モデルを作り替え、仕組みを必死で作ってきました。
その甲斐もあり、いい人が採れるようになり、人も辞めることもなくなりました。
K社長は言われます。
「先生、思い返せば、昔の私は“人人病”でした。いい人が採れれば会社はよくなる。人が育てば・・・結果、長い時間を使ってしまいました。」
求人費がもったいなくて採用
3年前のK社の課題は「採用」にありました。
人が採れない、高額の募集広告を出しても数件の応募があるだけ。
そして、そのレベルも低いのです。
そして、その広告費がもったいないこと、次は来ないのではと思い、無理して採用してしまいます。
その結果、半年で辞めていきます。
それを繰り返していたのです。
年商数億企業に、優秀な人は絶対に来ない
ここで、一つはっきりさせておきましょう。
年商数億の会社に、“優秀な人材”は来ません。
なぜか。
答えはシンプルです。
魅力がないからです。
厳しい言い方ですが、これが現実です。
自分が求職者なら、その会社に行くでしょうか。
自分の子供が「その会社に入りたい」と言ったら、心から勧められるでしょうか。
多くの場合は、その答えはNOのはずです。
採れても辞める理由
そして、もし“たまたま”出来る人が採れたとしても、その人は長くは続きません。
彼は、早々に見切って辞めていくことになります。
なぜなら、
・成長できる環境がない
・活躍できる構造がない
・給与が伸びる未来が見えない
から。
つまり、「この会社で働く意味がない」のです。
そう判断されるのです。
そうして、その「たいしたことのない人」にまで見切られることになっています。
やるべきは「順番を変えること」
では、どうするのか。
答えはシンプルです。
“人”をどうにかしようとするのをやめることです。
やるべきは、その「やるべき順番」を正すことです。
①まずは事業を強くする。
今、顧客に刺さっていないのです。また競合にも勝てていません。そのため、並みの社員では活躍できません。
顧客に必要とされ、競合に勝てる事業に作り変えるのです。
②仕組みを整える
会社には、多くの業務が人に付いており、ノウハウの積み上げもありません。業務に関しての何かを知るためには、誰かにいちいち聞く必要があります。
「決まったことをその通りやれば成果がでる」状態に、まずはすることです。
③組織でPDCAが回る状態をつくる
会社として、業務の改善がされているというよりは、社長だけがそれに向かっています。その改善の指示も「口頭」で出されます。
「意見を出してほしい」と言われるものの、それを日常的に話し合う会議もありません。
何としても、管理者や社員が中心となるPDCAサイクルを獲得するのです。
この3つの獲得です。
この獲得が先なのです。
花に蝶が集まるように、会社に人が集まる
すると、不思議なことが起こります。
いえ、当然のことが起きます。
これらが揃い、会社が“伸び始めた瞬間”に、人が来るようになるのです。
まさに「人が集まる」のです。
それは、まるで「きれいな花に蝶が集まる」ようです。
そして、そのタイミングで採れた人材は、辞めません。
なぜなら、そこで働く理由があるからです。
・仕事が明確です。
・未熟な自分にも、成果が出せます。
・そして、成長することができます。
求人媒体40万円掛けて、応募15名
冒頭のK社も、変革に取り掛かり2年のタイミングでこれが起きました。
求人媒体に40万円ほどかけると、営業に15名の応募がありました。
会社は地方にあり、業種的には全く新しくないK社です。
K社長は、人生で初めて、人を選ぶ経験をすることになりました。
そして、その後も人生「初」は続きます。
その採用した社員たちが、社長に提案をするのです。
「社長、新商品を検討しました。この目新しい商品をフロントとして取り扱いたいのですが。」
「社長、A社ですが、後継者として息子さんが会社に戻られたようです。訪問頻度を増やそうかと。」
応募者の平均値は格段にあがり、会社に来てくれる社員のレベルも爆上がりです。
そして、彼らは自分を『社長』として扱ってくれるのです。
会社が変わる時間軸、人が採れるタイミング
会社は、必ず次の順番で変わっていきます。
そして、これだけの時間がかかります。
会社の骨格をつくるために1年。
それがかみ合い始めるのが2年目。
そして3年目に、大きく伸びる。
人が採れるのは、この「3年目の躍進に入ったタイミング」です。
くどいようですが、骨格もない会社に、人が来ることはありません。
そして、もう一つ。多くの経営者がやってしまう間違いがあります。
「今いる人を育てよう」とすることです。
これも順番が完全に間違いです。
育てる前に、“育つ構造”をつくること。
いえ、その前に“彼らが活躍できる環境”をつくることです。
これが、すべてのスタートです。
本気の改革は、2年間
今、優秀な人を求めないでください。
それどころか、並みの人も求めないでください。
その「人を求める気持ち」が、「楽や一発逆転の発想」を生んでしまいます。
自分の心を弱くするのです。
それでは、何も解決しないのです。根本は何も変わらないのです。
その結果、多くの時間を消費することになります。
根本的に会社を変えるのです。
魅力的な会社、彼らが入れてくださいと言い、働き甲斐を感じる会社に変えるのです。
2年です、本気でやりましょう。
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矢田 祐二
理工系大学卒業後、大手ゼネコンに入社。施工管理として、工程や品質の管理、組織の運営などを専門とする。当時、組織の生産性、プロジェクト管理について研究を開始。 その後、2002年にコンサルタントとして独立し、20年間以上一貫して中小企業の経営や事業構築の支援に携わる。
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