No.74:仕組化を進めると、右腕となるスタッフが現れる

右腕はいらない、
これが私の主張ですが、
正確には、その右腕の出現を待望する社長の心構えが問題です。

↓これについては、以前に書いております。
№15 右腕待望論は捨てて、並みの社員で成果を出せる
組織を目指してください
http://www.yssc.jp/column/column015.html


しかし、仕組みづくりを進めるとこういうことが起きます。
それは、右腕が現れます。
それも、必ずと言っていいほど。

そして、その右腕の動きに、社長は驚きます。
どんどん現場の仕事が改善し、
それを自らマニュアルにまとめます。
新入社員研修の訓練体系までも作り上げてしまいます。

そして、社長は、喜びます。
「すごいことに、自分たちでどんどんやってくれます。マニュアルに、たくさん書き込んであって、私も、もう理解できないことが多くなっていますよ(笑)」


さて、この右腕はどこからきたのでしょうか。
ヘッドハンティングに依頼し獲得した中途採用でしょうか?
縁故で引っ張て来たのでしょうか?


その答えは、「社内」です。
社内にいました、
社内にいた人材が右腕になりました。



ここで、、、「その会社では、どんな教育をしたの?」 と思われた方は、早くその考え方を変える必要があります。

その社内のスタッフを右腕にまでの存在にしたものとは、仕組みです。
仕組みづくりを進めると、自分たちのやっている業務が見えてきます。
いままでは、誰か一部のスタッフが全体を仕切っているために情報の共有ができず、お互いの仕事が見えない状態だったのです。

そして、その業務について、すべてを決めることになります。
作業の流れや手順はもちろんのこと、その根底となる考え方や態度などもきちんと文章化していきます。

 
いろいろなものが初めて見える様になり、決められた状態になるのです。
いままでは、見えるものもなく、決められてもいないので、どうしようもなかったのです。
言われないと動けない状態だったのです。

ここまでの仕組化の作業を進める段階で、その右腕たる人材が頭角を出してきます。 

その人材は、自分たちの業務に対し、自分たちが意見を言ったり、改善を推進することに喜びを感じます。
その後も、そのマニュアルなどを自分たちで、改善することを覚えます。
これが、仕組化の最たる効果です。

仕組化により、スタッフの真の能力が解放されるのです。

そして、その右腕は、必ずしも、男性であることはありません。
それどころか、多くの会社では、その右腕は女性です。

仕組み化を進めることで、右腕として頭角を出すケースでは、ほぼ全員が女性です。
社会人としての経験などは関係がありません、ベテランもいれば新卒であることもあります。
雇用体系も関係ありません、パートの方も沢山います、ある会社では派遣社員であったこともあります(彼女はその後正社員になりました)。


女性は、仕組化されると力を発揮しやすくなります。
それは、業務の改善が「仕組み」に向かうからです。
何か問題が起きた時には、フロー図やマニュアルを見直します。
周囲のスタッフと意見を交換する土台があるのです。
新人が入った時には、そのマニュアルをテキストにして業務の仕方を説明します。文章になっているので、自信を持って説明ができます。
そして、その職場で取り組む仕事や望ましい態度がしっかり定義されているので、いままでのボス的存在のスタッフの影響力も小さくなります。
 
これが仕組化がされていないと、職場の問題は、「コミュニケーションの問題」や「気が利かない」という人を起因としたものになります。
そして、職場の雰囲気が悪くなります。
女性は、感情的なぶつかりや摩擦を回避する性質を強く持つために、スタッフの多くが口を閉ざすことになります。
そして、新人に仕事を説明する際にも、テキストとなるものがないために「自分が言う」ことになります。
はっきり言えることもなく、自分が教わったことや知っている程度のことを説明できるだけです。
そして、仕方がなく、古株のスタッフや歳を多く重ねたスタッフが、仕切ることになります。
ボス化は、実は仕組化ができていないから起きる現象です。そのボス化したスタッフの問題ではありません。


こうして、多くの企業では、
右腕が現れます。

仕組みは、スタッフの力を解放します。
多くの社長は言います
「うちの社員は、能力が高かったのですね」と。

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