No.82:社員の給与は上げてはダメ!一人当り1500万稼ぐビジネスモデルをつくってください
「矢田先生、うちも給与を上げようと思うのですが・・・」
お話を聴くと、最近の政府の取り組みに同調して、とのこと。
また、社労士さんからも、給与を上げれば社員はやる気を出してもっと稼いでくれます、と
アドバイスがあったとのこと。
その会社は、社員数40名の量産型の製造業です。
矢田は、その賃上げが通常の貢献度からの分配でなく、全体の底上げの意味であることを確認させて頂いたうえで、お答えさせていただきました。
「ダメです」
その顧客は、その当時コンサルティングが始まったばかり、まだ以前からのビジネスモデルを大きく革新出来ていません。
年商数億の事業と、年商10億を越える事業では、収益構造が根本的に異なります。
ビジネスモデルを10億事業のそれに革新することが必要になります。
それに伴って、一人当りの儲ける粗利高も大きくすることができます。
年商の大きさと、一人当たりの稼ぐ粗利高には、相関性があります。
大手企業(年商が大きい)は、一人当たりの稼ぐ粗利高は高く
中小企業では、それよりも低い傾向があります。
そして、零細企業では、さらに小さくなります。
大手の給与は高い傾向にあると言われますが、それは当然です、一人当たりの稼ぐ粗利高が大きいのです。大きいから給与を沢山もらえるのです。
国の賃金の統計データから大雑把にみると中小企業の賃金は、大手の6割ぐらいと言えます。
仮に 大手平均賃金を 600万 とすると 中小企業 360万
これほど差があるのです。
(この大手の数字は、ブルーカラーと呼ばれる作業を中心とする社員を入れての数字です。ホワイトカラーと呼ばれる中心の頭脳集団だけで考えるともっと数字は高くなります。)
この数値から、一人当たりが稼ぐ粗利高が予想できます。
単純に3倍すると、大方で出すことができます。(労働分配率30%)
大手 1,800万
中小 1,080万
これが差です。
それだけ、一人当たりで稼いでいるのです、
それに対して、中小は稼いでいないのです。
この中小の1,080万の数字を見て多くの方は、「うちではそんなに稼いでいないよ」と思われているのではないでしょうか。
実際には、中小企業では、一人当りの稼ぐ粗利高は、700~800万(労働分配率50%でやっと350万払える)のところが多くあります。
これでは、高い給与をあげることなど出来ないのです。
ましてや、その会社の儲けを社長が多くを稼ぐビジネスモデルであればなおさらです。
社員数40名の量産型の製造業の社長からの相談「給与を上げていいですか?」に対して、矢田がNOを言わせていただいた理由です。
「それだけ稼いでいないわけですから。社長、それだけ稼ぐだけのビジネスモデルになって、収益が出始めてから考えてください」という答えです。
大手と中小の給与の差は、ずばり収益構造、すなわち、ビジネスモデルにあります。
●↓この考え方については、過去のコラムを参考にしてください。
№68 10億事業に早く昇るためには、客単価を大きくする
http://www.yssc.jp/column/column068.html
この会社の量産型の製造業事業では、一人当たりの粗利高は、なんと540万円しかありませんでした。
これでは、社員に高い給与を払えるはずはありません。
そして、この数字ですと、正社員でなく、パートを主戦力にせざるを得ない。
その会社のスタッフの構成は、正社員は6名、他に女性事務の社員2名、他はパートばかりです。だから成り立つのです。
この会社が社員やパートの給与を上げたらどうなるか、たちまち、苦しくなります。
一時は、やる気を出してくれたとしても、その収益構造は何も変わっていないのです。
この会社が給与を上げようとするなら、一人当たりの稼ぎを大きくするしかありません。
業務の改善などで、570万にする、、、600万にする、、、これぐらいは可能かもしれません、、、(量産型の製造業という散々改善をしてきた業種、そして、取引先に収益構造は丸見えで生かさず殺さずの価格で出されていることが多い)
この会社が、本気で給与を上げたい、と思うのであれば、まずはビジネスモデルを変えることが先決です。
1人当たり1000万、最低で1500万、理想は2000万 を稼げるモデルにすることです。
根本的に変えなければいけません、それを変えることを大手企業にのし上がった社長は、してきたのです。
給与だけ真似て上げたところで、社員がやる気を出して、いくら頑張っても、収益構造は大きく変わりません。
一時はやる気が上がっても、少し経てばもとに戻ります。やる気が出ても、少し行動量が増えても、売上げはそう簡単には増えません。
国が給与を上げる取り組みをしているのは、企業の売上げを増やすためでなく、物価を上げたいからです。
それに協力することは、大手企業に任せておきましょう。
社員のやる気の問題ではないのです
社員のやる気が無くても、収益を上げるのがビジネスモデルです。
ビジネスモデルが良くて、顧客が沢山来る、顧客に必要とされる、その環境だから、社員のやる気が起きるのです。
ビジネスモデルが悪く、弱い商売をしており、顧客にいいように使われて、プライドも持てないそれで、すこし給与が上がっても、社員のやる気はでません。
年商10億、営業利益1億の事業を本気で目指してください。
※この量産型の製造業企業、新たなビジネスモデルの営業を開始しております。これからが大変ですが、目論見どおり進めば、2年後には、一人当りの粗利高は1200万を予測しています。
また機会があれば、記事に書かせていただきます。
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